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カテゴリ:戦争
![]() 監督 ポール・グリーングラス 主演 マット・デイモン 監督ポール・グリーングラス、主演マット・デイモンという、「ボーンシリーズ」のコンビによる、イラク戦争を描いた戦争映画です。 ロイ・ミラー准尉(マット・デイモン)率いるMET隊は、イラク・バグダッド市街で、大量破壊兵器を探していましたが、行った先は、ただの廃工場でした。これで3度目の失敗です。ミラーは、情報が間違っているのではないかと疑い始めます。 イラク戦争のきっかけになった「大量破壊兵器が存在する」という情報は、間違いであったということは、現在、アメリカ政府も認める事実です。それが明らかになった今、この映画を作る目的は何でしょうか。 それは、誤った情報に踊らされる米軍の姿を描くこと、そして、その嘘情報の出所を探り、明らかにすることではないでしょうか。 もちろん映画ですから、必ずしも真実を描きだすことが求められているわけではありません。ひとつの仮説、推測を描くことにより、世の中に問題定義することが目的となってくるでしょう。 ミラーが調べていくうちに、情報の出所が“マゼラン”と呼ばれる人物であることを突き止め、その“マゼラン”の正体に迫り、その黒幕がアメリカ国防総省のバグダッド駐在の高官パウンドストーンであることを知ります。 しかし、そこまででした。情報を操作していたのが、パウンドストーン個人(まあ、これはありえないけどね。)なのか、それとも国防総省の組織的なものなのか、政府の中枢まで及んでいるのか、武器商人がからんでいるのか、イラク新政権を取りたい勢力が関係しているのか、全くわからないまま、終わってしまいました。はっきり言って、拍子抜けでした。 あくまでも、フィクションでいいのですから、もっと奥深くまで踏み込んで、問題定義してほしいと思うのは、私だけでしょうか。イラク戦争の反省のひとつとして、ここはひとつの仮説をきちんと打ち立てるべきだったのではないでしょうか。 それとも、嘘情報に関しては、アメリカ政府は関係ないよ、アメリカも情報に踊らされていた被害者なんだよ、ということを宣伝したかったのでしょうか。という風に、勘ぐりたくなってしまいます。いわゆる、プロパガンタ映画ということですか。それでいいのでしょうか。 アクション映画としては、なかなか良くできていて、退屈することなく観ていることができただけに、非常に残念な結末で、がっかりした映画でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.11.21 00:11:30
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