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2012.01.28
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カテゴリ:戦争
「大脱走」 The Great Escape 1963年 アメリカ映画

監督 ジョン・スタージェス
出演 スティーブ・マックイーン ジェームズ・ガーナー リチャード・アッテンボロー
   デヴィッド・マッカラム ドナルド・プレザンス チャールズ・ブロンソン
   ジェームズ・コバーン

 漫画「20世紀少年」の中で、この映画がTV放映され、子どもの頃のオッチョが映画のまねをして、ズボンに仕込んだ“土捨て装置”で、誰にも知られず花壇に土を捨てる場面が出てきます。(映画「20世紀少年」では、もちろんカットされています。詳しくは以前の記事を参照してください。)
 この映画の公開時、彼らは幼児だったはずなので、傑作という評判を聞き、TV放映を観たと思われ、小学校高学年であった彼らにとって、ちょうど心踊らされる作品だったのでしょう。そんな戦争娯楽映画です。

 第二次世界大戦中の1944年、ベルリン近郊の航空兵捕虜収容所に、かつて捕虜収容所から大規模な集団脱走を指揮して、通称“ビッグX”と呼ばれたバートレット少佐(リチャード・アッテンボロー)が送られてきました。
 敵ドイツ軍を後方から混乱させるため、バートレットを中心に、100名以上いる収容所の全員が協力して、トンネルを掘り、大脱走計画が始まりました。

 前半は彼らの脱走計画の準備が進む様子を描いています。それぞれの兵士が得意なことを生かして、それぞれの仕事を請け負っています。
 ウィリーとダニー(チャールズ・ブロンソン)は“トンネル王”と呼ばれる穴掘りの専門家です。2人を中心にドイツ軍に見つかった場合も見越して、同時に3本の穴を掘り進めます。でも実は、ダニーは閉所恐怖症で、恐怖に必死で耐えながら穴を掘り続けているのです。落盤事故で土の埋もれ、恐怖症に耐えられなくなりますが、相棒であり親友でもあるウィリーに助けられ、何とか穴を掘り進めます。
 ヘンドリー(ジェームズ・ガーナー)は“調達屋”です。チョコレートからカメラまで、仲間から頼まれたものを何でも手に入れてきます。(主にドイツ兵から盗むのですが。)仲良くなったドイツ兵の財布を盗み、パスポートや身分証明書などを手に入れたりします。偽造するための見本にするためです。
 その身分証明書を偽造するのが、“偽造屋”コリン(ドナルド・プレザンス)をリーダーとするグループです。コリンはバードウォッチングが趣味で、ミルクティーを愛する英国紳士ですが、目を酷使する偽造生活で、視力が低下しており、脱走が敢行される頃にはほとんど失明状態になってしまいます。
 アシュレー(デヴィッド・マッカラム)は“土処理屋”です。掘り出した土を、いかにドイツ軍に分からないように処理するかは死活問題です。土の色が変わっても怪しまれないように、収容所の敷地内に畑を作り、そこに前述のオッチョがまねしていたズボンに仕込んだ装置で、知られないように土を落とすことを考えついたのが彼です。
 ベッドのパイプや板、ストーブの煙突など、収容所にあるものを利用して、ツルハシやエアダクトなど、穴掘りに必要なものを作る“製造屋”は、セジウィック(ジェームズ・コバーン)です。
 カベンディッシュは“測量屋”です。収容所の周りの森までの距離を測り、(実は金網の外は推測。)穴の設計の手助けをしました。しかし、彼の推測が若干違っており、あとで苦労することになります。彼は合唱団の指揮者でもあり、穴掘りでおきる音をごまかすため、合唱団の練習を指揮します。
 そのほか、脱走後の逃走用の服を作る“仕立て屋”や、ドイツ兵を常に監視し作業場に近づいて来たら知らせる“警備屋”などもいます。
 イギリス兵がほとんどの中で、数少ないアメリカ兵のひとりが、“独房王”こと、ヒルツ(スティーブ・マックイーン)です。彼は捕虜になって以来、何度も脱出と独房入りを繰り返してきたのです。単独行動を好む彼はここでも何度も単独で脱出を繰り返し、ほとんど独房生活です。初めは全体での大脱出計画には加わりませんでしたが、一緒に脱出したアイブスが失敗したことで追い詰められて錯乱し、ドイツ兵に撃ち殺された事件をきっかけに、大脱出計画に加わり、単独で脱出し、周囲の地理を調べる役を請け負います。(もちろん、その後わざと捕まり、収容所に戻ってきて独房に入れられたのは、言うまでもありません。)
 このように個性豊かな人々が、一致団結して大脱出計画を進行する姿が、コミカルな表現も交えながら進められます。その様子は、非常に面白く、ワクワクさせられ、戦争映画であることを忘れてしまうほどです。オッチョやケンヂが夢中になる気持ちがわかります。

 そして、大脱走が敢行されます。仕立て屋が軍服を改造して作ったスーツや作業着などに身を包んだ一行が、穴の入り口に列を作ります。ドイツ軍の目を盗んで作られた脱出口ですから、大きくなく、ひとりずつしか通れないからです。穴を抜けたものは、見つかりにくいように、1人あるいは2人という少人数で行動するため、支障はありません。
 ところが、測量ミスのため、穴の出口は森の中でなく、森の手前の空き地でした。仕方がないので、最初に出たヒルツがロープを伸ばし、森の中から収容所の監視ライトの動きを見て合図を送ることになりますが、途中で見つかってしまい、100人以上脱出するはずが、76人で終わってしまいました。(でも、撹乱作戦には十分かな。)

 その後は、逃げる彼らの様子を画面は追いかけます。
 しかし、ドイツ国内なので、逃げるのもなかなか大変です。次々と捕まり、抵抗したため仕方がないという感じで、次々と殺されてしまいます。ここにきて、「あっ、戦争映画だったんだ。」と、思い出します。どのようにつかまったり、殺されたりするのかは、それぞれドラマがあり、工夫してあります。
 その中で、1番の見どころは、やはり、出演者中ナンバー1スターのスティーブ・マックイーンです。ひとりでバイクを盗み、ドイツ兵のバイクとカーチェイス(バイクチェイス?)を繰り広げます。さすが大スターマックイーン、時間も長いですし、非常にかっこいいです。
 そして、結局、脱出したほとんどは殺され、収容所に戻されたのは十数人で、逃げおおせたのは数人です。誰が逃げられたのかは、ここでは書かないでおきましょう。

 以上、お分かりのように、まだベトナム戦争の前の映画で、お決まりの反戦メッセージは全くありません。どちらかというと、戦争を題材とした娯楽映画です。でも、とてもよくできていて、2時間半を超える長い映画ですが、まったく退屈することなく、見入ってしまいます。深く考えることなく、単純に楽しんでください。

 ところで、名の知れた俳優がたくさん出演していて、オールスターキャストのようですが、実は違います。チャールズ・ブロンソンとジェームズ・コバーンは、まだまだ新人で、この映画と「荒野の七人」に出演したため、注目される存在になり、この後、主役級をやるような大スターになっていくのです。
 この間、シュワちゃんの「イレイザー」を観たら、ジェームズ・コバーンが出ていて、懐かしく思いました。先日亡くなられたそうで、非常に残念です。ご冥福をお祈りいたします。





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Last updated  2012.01.29 01:03:22
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