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2012.01.29
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カテゴリ:サスペンス
「L change the World」 2008年 日本映画

監督 中田秀夫
出演 松山ケンイチ 福田麻由子 工藤夕貴 高嶋政伸 南原清隆 平泉成 鶴見辰吾

 漫画「DEATH NOTE」は大好きです。だから、映画「デスノート」「デスノート the Last Name」は、喜び勇んで観ました。そして、この映画も。
 前2作の感想は、また別の機会に書かせていただくとして、今回は、一昨日TV放映をしていた記念として、このスピンオフ作品について書かせていただきます。なお、今回は漫画「DEATH NOTE」を全く知らない人にはチンプンカンプンな内容になっておりますので、ご注意を。

 はっきり言って、非常にがっかりしました。あまりにも面白くなかったので、1回しか観ていませんし、その1回もあまり身が入っていませんでしたので、あらすじが書けるほど、話が分かっていません。
 なんか、L(松山ケンイチ)が、そのキャラクターに似合わず、女の子(福田麻由子)とやたら走っていて、女の子のお父さん(鶴見辰吾)があまりにもグロテスクに死んでいったのを知り、FBIを名のるコメディアン(ナンチャンこと南原清隆)とコントをし、偏屈な博士(平泉成)の登場に辟易し、やたら演技が大袈裟なバイオテロを目論む悪者(工藤夕貴 高嶋政伸)をやっつけていました。そんな感じです。

 これは、中田秀夫監督(「リング」など、ホラーが得意な監督です。)および、話を作った人(原作大場つぐみ・小畑健と出ていましたが、これは名前だけで、実際には別にいるはずです。脚本家?)が、漫画「DEATH NOTE」を全く知らないで作ってますね。
 原作の世界観を壊したくなかった、前2作の金子修介監督に断られ、困った製作者が畑違いは承知で、仕方なく中田監督にお願いしたということでしょうか。
 あの「デビルマン」といい、どうして、日本の映画界ってこうなのでしょう。「デスノート」の勢いに乗って、3匹目のドジョウを狙ったとしか思えない、あまりにもあさましい思惑により作られ、見事にこけたというところでしょうか。

 設定の稚拙さとか、脚本のお粗末さとか、中心になる役者の演技のひどさとか、他のレビューで、いろいろと語られていますので、いまさら言わないでおきましょう。僕が気になったのは、非常に根本的なところでの原作との違いがあまりにも著しいということです。

 まず、僕が語りたいのは、この映画の中の世界では、キラ=夜神月のおかげで、大々的に犯罪をやろうという人物が皆無になっているはずだということです。
 夜神月は、“DEATH NOTE”という死神の力を手に入れ、犯罪者を次々に殺していきます。それは、犯罪をする人間は死ぬべきだ、そして、誰だか分らないが、犯罪者を次々に殺していく存在が現れれば、この世から犯罪がなくなるはずだ、という彼なりの正義感に基づく行動なのです。
 その彼の行動は、キラとして、世間に知られるところとなり、さくらTVのキラ礼賛番組のおかげで、その崇拝者も多く現れ、神格化していきます。
 原作では、物語の中盤でLはキラに敗れ、死んでしまい、キラ=夜神月が陰から支配する世界になり、表立って犯罪をする者はいなくなったという説明が入り、彼の思わく通りの世界ができて行くのです。
 映画の前2作の中で、そういう説明はありません。しかし、世界的には?ですが、少なくとも日本では、同じような状況になっているはずです。
 この映画の舞台は、キラ事件が解決して数日後のはずです。前作の最後で、Lはキラ=夜神月を倒すために“DEATH NOTE”に、自らの名前を書き込み、その時点からあと23日の命ということが決まっているからです。(この事実はこの映画の中でも語られています。)世間的には、キラが死んだことはまだ知られていないはずで、悪者たちはキラが怖くて犯罪に手を出せないでいるはずです。
 それなのに、この悪者たちは何なんだ、ということです。

 また、Lの性格が、あまりにも違うことも気になりました。Lはそんなに正義感は強くないはずです。というか、犯罪者を捕まえるためには手段を選ばない、結構腹黒い男です。
 原作で、Lが初めて登場した時、TVに自分のふりをした死刑囚を登場させ、キラに殺させ、実はそのTV放送は日本の関東地方にしか流していなくて、見事キラの居場所を限定することに成功しています。(このエピソードは、第1作で、そのまま登場します。)
 また、“DEATH NOTE”の存在を知ってからは、それの効果を試してみようとして、何度も非常に生真面目で正義感が強い夜神刑事部長(月の父)に止められています。
 そして、キラ事件までは、自らは決して表には現れず、陰からいろいろな国の警察を動かして、事件を解決する存在でした。
 だから、自分を頼ってきたいたいけな少女のためとはいえ、自ら体を張って奔走する姿は、非常に違和感をもってしまいました。
 原作通りの性格のLなら、自ら動くことはせず、たぶん松田刑事あたりを走らせ、携帯電話などで指示を送っているでしょう。そして、こんな頭を使わないで解決できるような簡単な犯罪は、自分の手駒の戦力を使って、あっという間に解決してしまうでしょう。

 もう何度も何度も、僕はこのブログの中で語っていますが、日本の映画界の皆さん、この日本に膨大な数存在するはずの、漫画ファンの心を裏切る行為は、いい加減やめてくれませんか。
 漫画原作の映画を作る時は、少なくとも中心になるスタッフは、原作漫画をしっかり読んで、その魅力をきちんと理解してから作るようにしてください。一漫画ファン、一映画ファンの心の奥底からのお願いです。

 ちなみに、この映画、第5回蛇いちご賞で、作品賞・監督賞・男優賞(ナンチャン)を見事受賞しています。蛇いちご賞とは、報知スポーツが主催している賞で、その年の最低な映画に贈られる賞です。アメリカのゴールデンラズベリー賞(通称ラジー賞)の日本版ですね。第1回は、あの「デビルマン」が同じように作品賞・監督賞・男優賞(不動明役・飛鳥了役の双子)を受賞しています。





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Last updated  2012.02.15 06:30:10
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