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カテゴリ:ファンタジー
![]() 「魔法使いの弟子」 The Sorcerer’s Apprentice 2010年 アメリカ映画 監督 ジョン・タートルトーブ 主演 ニコラス・ケイジ クラシック音楽とアニメの融合というディズニーの画期的アニメ映画「ファンタジア」のあまりにも有名な第3章、ミッキーマウスが魔法使いの弟子に扮して、箒を操り、大失敗する“魔法使いの弟子”(ポール・デュカス作曲)をモチーフに、「ナショナル・トレジャー」のシリーズで、すっかりディズニーと仲良くなった、ニコラス・ケイジ主演で実写映画化された作品です。 740年のイギリス、大魔術師マーリン(「アーサー王伝説」に出てくる伝説の魔術師)は、宿敵の魔女モルガナと戦っていました。マーリンの3人の弟子、バルサザール(ニコラス・ケイジ)・ヴェロニカ・ホルヴァートもともに戦っていましたが、ホルヴァートの裏切りにより、マーリンは倒されてしまいます。ヴェロニカは自らの体内にモルガナを取り込むことに成功しましたが、意識を支配されそうになったので、バルサザールは2人を人形に封じこみました。そして戦いの末、ホルヴァートも人形に封じ込めたバルサザールは、瀕死の師匠から、ドラゴンの指輪を預けられ、自らの後継者を探すように命じられます。バルサザールは、それから1000年以上もの間、世界中をめぐり、大魔術師マーリンの後継者となる子どもを探し続けているのです。 2000年、小学校4年生のデイヴは、学校の遠足で、ニューヨークの見学にやってきました。ふとしたことで、一行から離れてしまったデイヴは、怪しい骨董品屋に紛れ込んでしまいます。そこは、バルサザールの店でした。 バルサザールは、紛れ込んできた子どもに、ダメもとで、ドラゴンの指輪を見せてみます。するとドラゴンの指輪は自ら動いてデイヴの指に収まりました。マーリンの後継者はデイヴだったのです。 バルサザールは、デイヴに見せるべく地下室へ“魔法大辞典”を取りに行きます。マーリンの後継者が現れたことで刺激されたのか、唐突な展開に途方にくれるデイヴの前に、棚の奥からホルヴァートやヴェロニカが封じ込められた人形(ロシアのマトリョーシカ人形のような大きさの違う同じ形の人形が幾重にも重ねられた人形です。彼らは“グリムホールド”と呼んでいます。1番外側にホルヴァートが、1番内側にモルガナを取り込んだヴェロニカが封じ込められています。)が飛び出し、床に落ちた衝撃で1番外側が開き、ホルヴァートが解放されました。 デイヴから指輪を取り上げようとするホルヴァートと、バルサザールの戦いが始まります。2人は戦ってもみ合っているうちに、漢の皇帝が気に入らない側室を10年閉じ込めていた壺を倒し、吸い込まれてしまいます。その壺は呪いのため、吸い込まれると10年間閉じ込められてしまうのです。 デイヴは恐ろしくなって、指輪を持ったまま、“グリムホールド”は道に放ってしまい、その場を逃げ出してしまいました。 10年後、デイヴは物理オタクの青年に成長しており、ニューヨーク大に通っていました。そこへ、壺の呪いから解放されたバルサザールが、“選ばれたマーリニアン”である彼を、魔法使いにするために現れました。 ![]() あらすじを書き始めたら、まだまだ序盤のはずなのに、こんなに長くなってしまいました。それだけ中身が濃いということでしょうか。何しろ、前提になるマーリンとモルガナの戦いのお話は、冒頭にナレーションも含め、5分ぐらいで終わる部分なのですが、文章にすると説明する部分が多く、とても長くなってしまいました。 実は、僕自身はあまり期待していなかったのですが、なかなか面白いお話で、時間を忘れて、つい見入ってしまいました。 いい者と悪者がはっきりしており、わかりやすい単純なストーリーで、CGや特撮を駆使した爆発や光線いっぱいな迫力あるアクションで、普通の自動車を魔法でスーパーカー(死語?)に変身させたカーチェイスや、ビルの上の鷲のモニュメントを飛ばしてみたり、なかなか工夫されていて、おもしろかったです。 例の反乱する箒の場面もしっかりありましたよ。ただ、相手が箒なだけに、他の派手なアクションシーンと比べて非常に地味で、お話の流れからはなれた場面のためか、時間もとても短くて、少し残念でした。BGMはしっかり“魔法使いの弟子”が流れていましたが。 最後は都合がよすぎる感じがしましたが、ディズニーだから、しっかりハッピーエンドにしなくてはならないのでしょうから、まあいいことにしましょう。 また、デイヴとバルサザールの出会いが、あまりにも偶然すぎる感じもしますが、「偶然なんてない、すべては必然なのよ。」(by侑子さん)ですから、いいのではないでしょうか。冒頭のバルサザールが、世界各地をめぐり、“選ばれたマーリニアン”を探している描写を見るに、どうやら、世界中の“聖なる子ども”を中心に探していたようで、実は、もっと早い時代で、デイヴのような一般の子どもの中に、そうなるべき素質のある子どもがいたのかもしれませんが、なかなか巡り会えなかったみたいですね。 「偶然なんてない、すべては必然なのよ。」(by侑子さん)ですから(しつこい!)、なるべくして、なったのだと思いたいです。 ということで、なかなか見ごたえのある娯楽作品で、親子ともども楽しめる作品でした。さすがディズニーといったところでしょうか。 ところで、あの「ハリー・ポッター」シリーズでもそうですが、魔法使い同士の戦いというのは、光を飛ばし合って戦うというのが定番なのでしょうか。もっと、いろいろな魔術の技を駆使して戦うことはできないのでしょうか。 「ハリー・ポッター」シリーズは、みんな魔法のつえを持っているのですが、本作では持っていなくて手から直接光を出しているので、“カメカメ波”だ、と思ったのは私だけではないはず。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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