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2012.08.20
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カテゴリ:時代劇
武士の家計簿1

「武士の家計簿」 2010年 日本映画

監督 森田義光
出演 堺雅人 仲間由紀恵 中村雅俊 松坂慶子 草笛光子 西村雅彦

 幕末期に実在した加賀藩御算用者猪山直之の、家計簿・日記・記録などを元に書かれた『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』という歴史学者磯田道史のノンフィクション新書を、原作とする映画です。

 代々御算用者として加賀藩に仕えてきた猪山家の8代目直之(堺雅人)が、妻お駒(仲間由紀恵)と結婚してから晩年までの長い期間を、その時々のエピソードをつなげていく形で描いた物語です。
 飢饉に際しての“お救い米”の量が帳簿と合わないことから藩の汚職をあばき、出世する話、息子直吉のお祝いの席の費用が足りないことから、猪山家の財政が破たんしていることに気付き、家財道具を売り払い、質素倹約して立て直す話、息子を厳しく教育し、家の賄いの収支を管理させ、四文の不明金を拾ったお金で帳尻合わせしたため、夜中に河原に戻しに行かせる話、算術に明るい祖母(草笛光子)が鶴亀算を曾孫(直吉)に問う話、父親(中村雅俊)の葬儀の時にも、ソロバンをはじいている直之に息子直吉が反発する話、などなど、御算用者としての生を貫いた猪山直之の人生が、淡々と綴られています。
 時にはコミカルに、時にはハートウォーミングに、エピソードが語られていきますが、全体的にはあまりにも淡々と進みすぎており、話し全体の盛り上がりに欠ける気もしますが、平凡な人物の生涯をたどっているので、しょうがないかと思います。

武士の家計簿2

 やはり幕末ファンの僕としては、原作に“幕末”の文字が入っているように、もっと幕末維新の動乱にかかわってほしかったというのが本音です。(というか、今も世の中、題名に“幕末”とか“戦国”とか入っていないと日本史関係の本は売れないから、しょうがないのかなあ。)
 しかし、良く考えたら、息子の成之(直吉の元服後の名)が、戊辰戦争に参戦し、算術ができるということで、長州藩に徴用されることからもわかるように、実は直之の時代は、若干幕末前夜という感じですし、舞台が、薩摩でも水戸でも長州でも土佐でもなく、加賀百万石と言われる雄藩でありながら、幕末の動乱にほぼかかわってこなかった加賀藩のことを思えば、しょうがないのかもしれません。
 でも、算術に長けており、非常に賢いはずである主人公猪山直之が、あまりにもソロバンバカであるがために、時勢を読むことができなかったことが、非常に悔やまれてなりません。

 また、後半、さすがベテランといった感じで中村雅俊さんがとぼけた感じでいい味を出していた父親と、お嬢様育ちなのか、なんとなくKYな感じでコミカルな演技が味のあった母親(松坂慶子)が、相次いで亡くなってしまった(年を取れば当たり前なのですが)こともあり、なぜか孫(直吉)に呼び捨てで呼ばれていて、剣術家でありながら非常にやさしい感じで描かれていて、もちろんコミカルな演技はお手の物の、お駒の父親役の西村雅彦さんも、全く語られていないが実は亡くなってしまっているのか、全く出て来なくなったため、物語全体にコミカルな感じが薄れてしまい、直之と息子成之の対立からか、ちょっとギスギスした感じになってきてしまったのが、残念でなりません。(でも、そのおかげで、最後の場面はちょっとホロっとしてしまいましたが。)

 もうひとつ気になったのが、後半の仲間由紀恵さんのメイクについてです。
 今、主役級の女優として、のりにのっている女優さんで、江戸時代の女性らしく、控えめで旦那を立てつつ、実はしっかり者で、うまく旦那を操縦している感じを、実にうまく演じておられましたが、後半、年を取って来たはずなのに、若い時と同じようにツヤツヤで、全く老けメイクをしておられないように感じたのは僕だけでしょうか。戊辰戦争に向かう息子を見送る場面など、全く親子に見えませんでした。
 また、大人気のTVドラマ「ごくせん」などで皆さんご存知なように、コミカルな演技はお手の物のはずですが、やはり後半、そういうところが全くなかったのが残念です。
 若い時はただきれいなだけだったのに、最近では、体型もふくよかになってきたためか、大河ドラマ「篤姫」でもおなじみなように、コミカルな演技で、異様な存在感を出してきている、松坂慶子さんとは対象的でした。

武士の家計簿3

 それから、猪山家の財政再建で、家財道具を売り払うというゴタゴタの最中、あまりにも空気読めない感じで生まれた第二子、どうやら女の子であることはその後ちらちら登場していたことからわかりますが、名前など一切語られることもなく、兄の成之が嫁を貰った後の食卓の場面では、おそらくはすでに嫁に行っていたのであることは想像できますが、その嫁入りのエピソードなど一切語られることなく、その存在すらいなくなってしまっていた子が、非常に不憫です。
 特に語るべきエピソードが無いのであれば、さりげなくセリフで語るなどしてくれればいいのに、突然いなくなられては、観ている側としては、混乱してしまいます。

 ということで、いまいち盛り上がりに欠けるお話ですが、特に構えることなく、ほのぼのとした気持ちで楽しく鑑賞できる、まあまあな映画を、今回は紹介しました。
 やっぱり財政改革には、思い切って身を切ることが大事だということがよくわかります。どこかの政治家の方々に特に見てほしい映画ですね。





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Last updated  2012.08.26 03:58:21
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