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カテゴリ:SF
![]() 「エイリアン4」 Airen:Resurrection 1997年 アメリカ映画 監督 ジャン=ピエール・ジュネ 出演 シガニー・ウィーバー ウィノナ・ライダー ロン・パールマン では、お待ちかねの「4」です。 前作の「3」の最後で、「1」から一貫してエイリアンと戦い続けてきた、エレン・リプリー(シガニー・ウィーバー)は、お腹の中の幼生エイリアンとともに溶鉱炉に自ら飛び込んで、命を落としました。人気シリーズもこれで終わりかと思っていたら、なんと「4」を作るというではありませんか、しかも公開当時のTVCMなどでは、しっかりとシガニー・ウィーバーが出ているではありませんか。 本人のわけはないから、クローンか、子孫か、と気になっていました。これはいっぺん観てみなければ、と思っていたのですが、なかなか機会ができず、やっと今回観ることができました。 前作、フューリー宇宙刑務所で、リプリーが、エイリアン・クイーンを体内に宿したまま溶鉱炉に身を投じてから200年後、彼女は軍の実験宇宙船「オーリガ」で、フューリーに残されていた血液から科学者らの手によりクローンとして再生されます。 その目的は、リプリーの体内に残されたエイリアン・クイーンの摘出で、エイリアンを繁殖させ軍事兵器として利用する事でした。リプリーの存在はあくまで副産物だったが、クローン化の過程で彼女の遺伝子はエイリアンの遺伝子と融合しており、科学者らにとって興味深い実験材料だったのです。 そんな人間たちの意図を嘲笑うかの様に復活した無数のエイリアンは巧妙な手口で逃亡し、研究者や軍人たちを虐殺していきます。 リプリーは本能的にエイリアンを「敵」と見なし、それとは知らず、エイリアンを植えつける苗床である生きた人間を冷凍状態のまま拉致し、輸送してきた宇宙貨物船「ベティ」のクルーと共に、オーリガ脱出を試みるのです。 ![]() リプリーは、クローンでよみがえっていました。「あれっ、リプリーの体ってどこかに残ってったっけ?」と思いましたが、劇中で、「血液が残っていた」と言っていたので、そういえば、囚人惑星で拾われてすぐ、医者に血液を採取されていたかも、と思いだし、納得しました。だから、それはいいんです。今までのお約束として、“エイリアン”を倒すのは、リプリーでなければならない、とスタッフが考えているのはわかりますので、とにかく「4」を作るんだったら、無理やりにでも、リプリーを復活(Resurrection)させなければならないというのは、理解できます。 しかし、その後がいけません、そのリプリー復活の理由が。 それは、軍用として利用するため、“エイリアン”を復活させるため。 ここで、僕は「あれっ?」と思いました。「なんでリプリーの血液からクローンをつくると、“エイリアン”もクローンされるの?」という疑問です。確かに「3」の冒頭、リプリーは“エイリアン”に寄生されました。「3」の劇中、ずーっと“エイリアン”をお腹に抱えながら、彼女は戦っていました。 だからといって、リプリーのクローンができると、そのお腹の中にはちゃんと“エイリアン”も宿っているって何???? “エイリアン”が宿ると、その“繭”となった生物は、DNAから変化するという、いかにも思いっきり後付けとなる、非常に都合のいい設定って、何???? そんなことを序盤で思ってしまったので、この映画観るのが非常に苦痛でした。 しかも、その後、非常にグロテスクな、クローン・リプリーの失敗作(実は登場するリプリーは8号でして、その前に7体の失敗作があり、その人の形をしていないクローン失敗作が、研究船の一室に研究のため保存してあるのが、物語の終盤登場するのです。)は出てくるは、ということで、非常に嫌悪感を持ってしまいました。 だから、ベティの新米クルー、コール(ウィノナ・ライダー)が非常にかわいかろうが、同じくベティのクルー、不細工だけど非常に強いジョーナー(ロン・パールマン、「ヘル・ボーイ」の中の人)が、勇ましくてかっこよかろうが、“エイリアン”がなかなか賢いところを見せようが、“エイリアン”が水中を泳ぐ姿が見れようが、リプリーがいつにも増して勇ましかろうが、全く楽しめませんでした。 ![]() リプリーから生まれた、新エイリアン・クイーンが、卵をたくさん産んでいたのに、最後になっていきなり、リプリーのDNAの影響で胎生に変化するとか、そこから生まれてきた人類と“エイリアン”のハーフのようなやつがすごいグロテスクだとか、相変わらず舞台となる研究船の構造がよくわからないとか、突っ込みどころは、やっぱり満載なのですが、1番根本的なところで、疑問を持ってしまったので、どうでもいいと思ってしまいました。 ということで、いくらSFで、何でも有りだとはいっても、生物としての一線を、思いきっりご都合主義の後付け設定で、超えてはいけないのではないのでしょうか。と思ってしまった作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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