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カテゴリ:SF
![]() 「カウボーイ&エイリアン」 Cowboys & Aliens 2011年 アメリカ映画 監督 ジョン・ファヴロー 出演 ダニエル・グレイヴ ハリソン・フォード この映画観たかったんです。エイリアンが侵略してくる映画は数々あれど、そのどれもが、現代あるいは未来を舞台にしています。ところがこの映画は西部開拓時代が舞台です。過去なんです。 考えたら、今までなかったのが不思議です。現代にエイリアンやエイリアンの宇宙船(正体がわかっているのでUFO=未確認飛行物体ではありません。未確認だったら実は鳥だったとしてもUFOです。言葉は正しく使いましょう。)が来るのであったら、過去のどの時代に来ていても不思議ではありません。実際、過去の文献や記録の中に、「これはエイリアンではないか?」とか「宇宙人の乗り物としか思えない。」といった記述があることは否めません。でも、なぜか、それを描いた映画はありませんでした。だから、この映画とっても観たかったのです。 荒野のど真ん中でひとりの男(ダニエル・グレイヴ)が目を覚ましました。男は記憶を失っており、右前腹には謎の傷、さらに左腕には何やら得体の知れない銀の腕輪が装着されており、男が何をやっても外すことができません。 そこへ、馬に乗った3人の男が近づいてきます。3人の男達は、腕輪の男に対し非友好的な態度で接した上に銃を向けてきます。 しかし腕輪の男は彼らをあっさりと返り討ちにしてしまい、逆に彼らの身包みを剥いでカウボーイ的な身なりを整えた腕輪の男は、とりあえず町へ向かいました。 町に入った腕輪の男は、町を牛耳っているダラーバイド(ハリソン・フォード)の息子であるパーシーと酒場のマスター・ドクとの諍いに巻き込まれます。 父親の権威を振り回して酒場の料金を踏み倒そうとした挙句、ドクへの見舞金と称して町の住民からカツアゲをしようとするパーシー。 腕輪の男はパーシーに痛烈な一撃を与えてダウンさせます。 怒り狂ったパーシーは腕輪の男に銃を向け発砲するのですが、その際手元が狂ってしまい、銃弾は腕輪の男ではなく、たまたまその場に居合わせていた保安官補に命中します。 保安官補を撃ったという罪により、パーシーは保安官によってブタ箱に収監されてしまいます。 その後、腕輪の男は酒場に入り、ウィスキーを注文するのですが、そこにエラと名乗る女が近づいてきます。 彼女は、腕輪の男が記憶喪失であることを最初から知っているかのような口ぶりを披露し、男について何か知っているかのような言動を披露します。 不審を抱いた腕輪の男ですが、そこへ保安官達が酒場に入り、何やら物々しい雰囲気で腕輪の男に同行を求めてきます。 保安官によると、腕輪の男の正体は、駅馬車を襲撃して強盗・殺人等の容疑で指名手配されているジェイク・ロネガンという人物だとのことでした。 捕まってたまるかとばかりに、腕輪の男改めジェイク・ロネガンは保安官達相手にまたもや大 立ち回りを披露するのですが、エラに側頭部を強打され昏倒、めでたく彼もブタ箱に収監されてしまうのでした。 そしてその日の夜、別の町で裁判を受けるためなのか、パーシーとジェイクが、鎖に繋がれた状態で馬車に乗せられたとき、そこへ、町の支配者であるダラーバイドが、息子を取り戻さんと手下を率いて押しよせ、息子の返還を保安官に要求します。 その時、突如空から謎の飛行物体が現れ、町全体に無差別攻撃を開始してきました。 突然奇襲された上、空を自由に飛びまわる飛行物体に、町の人達は全く対抗する術がなく、謎の飛行物体に次々と捕獲されていきます。 そんな中、混乱のドサクサに紛れ馬車から脱出したジェイクは、自分に迫り来る飛行物体に対し、銀の腕輪が装着された左手を掲げます。すると、その腕輪から強力な光と衝撃波が発せられ、見事、飛行物体を撃ち落としました。 息子パーシーを謎の飛行物体に拉致されてしまったダラーバイドは、囚われた人々を救うべく、自らを長とする調査隊を結成します。 ![]() 序盤、主役のダニエル・グレイヴの雰囲気そのままの、渋い西部劇の様相です。 記憶をなくした実はアウトローの男が、町へやって来ると、父親の権力を笠に着たドラ息子が、暴れています。それを見事に納めるが、実はアウトローのため、保安官に捕まってしまう。そこへいかにもという感じの渋い悪役、ハリソン・フォード扮する町の支配者、元南北戦争の英雄で牧場主のダラーバイトの登場です。(ハリソン・フォードって、実は悪役似合いますね。)ジェイクの左腕にはまっている明らかにエイリアンのものと思われる腕輪の謎以外は、なかなか渋い西部劇です。 そこへ、突然、空を飛んでエイリアンたちの襲来です。町の住民たちがなすすべもない中、何人かがさらわれ、唯一抵抗できたのが、突如機能し始めたジェイクの左腕の腕輪から出る光線でした。この場面がなかなかの迫力で、かっこいいのです。 ということで、序盤、なかなかの渋い西部劇に、いきなりSFが入り込んでくるという、この映画のコンセプトをしっかりとつかませてくれます。 でも、よかったのはここまででした。この後、だんだんトンデモで、突っ込みどころ満載となっていきます。 ジェイクは超人的な身体能力を見せ、エイリアンの戦闘機に飛び乗ってしまうし、謎の女エラの正体が思いっきりトンデモだし、高度な機械を駆使して地球に来ているはずのエイリアンたちが、ちっとも知的でないし、野蛮だし、高度な武器も持ってない(明らかにエイリアンの武器なジェイクの腕輪と同じものを持っていないのはどうして???)し、肉弾戦で挑んでくるし、見た目がグロテスクでまったく知的に見えないし、簡単に宇宙船に侵入されているし、ということで、まあ、わかりきった展開ですが、結局エイリアンたちはジェイクたちにやっつけられてしまいます。 ![]() 「世界征服:ロサンゼルス決戦」「インデペンデンス・デイ」「スターシップ・トゥルーパーズ」「ドリーム・キャッチャー」「サイン」「第9地区(一部)「SUPER8」そしてこの映画、どうしてハリウッドが作るエイリアン侵略映画のエイリアンたちっていうのは、どうして、こんなに知性がないのでしょうか。 地球にやって来るエイリアンたちというのは、この地球の人類が未だなしえていない、外宇宙の航行(地球人は未だ自身の住んでいる地球の衛星である月までしかいけていないんですよ。しかも、月まで、何日もかかっているし、自分の太陽系ですら出たことがないんです。)を経て、やってきているわけで、宇宙船の性能とかも考えただけでも、地球にやって来るエイリアンの方がどう考えても高度な知性を持っているはずです。 はっきり言って、そういう映画を作る人々にこそ、知性がないと言ってしまうのは言い過ぎでしょうか。 ということで、着想は独創的で、なかなかいい感じに始まったが、結局トンデモな映画で、非常にがっかりしたという作品を、今回は紹介しました。 しかし、ハリソン・フォードって、カウボーイハットが非常に似合いますね。実は彼、西部劇は2作目だそうで、もっとたくさん出ている印象がありますよね。きっと、いつもカウボーイハットをかぶって、鞭を持っているあの人の印象が強いのですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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