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カテゴリ:サスペンス
![]() 「ソウ2」 SAW II 2005年 アメリカ映画 監督 ダーレン・リン・バウズマン 前作「ソウ」の予期せぬ大ヒットの余韻がさめきらないうちに間髪入れず、制作された第2弾です。前作同様、スター0・低予算・短期間で撮影されました。 刑事エリック・マシューズは、息子のダニエルが万引きで警察に捕まり、引き取りに行きます。しかし、ダニエルは不満そうな様子を隠さず、エリックから逃げるように去ってしまいます。 その夜、エリックは家で眠っているところを、同僚の女刑事ケリーにたたき起こされます。呼び出された事件現場には、惨殺された死体が転がっていました。その殺し方は、どうもジグソウの仕業のように見えます。 ケリーは、ジグソウによって起こされた連続殺人事件を執拗に追ってきたのです。エリックはなぜ自分が現場に呼ばれたのか分からないが、死体を検分してやっと理解します。その死体は、エリックが使っていた情報屋、マイケルだったのです。 しかも、現場の天井には、「近づいてよく見ろ、マシューズ刑事」と、書いてありました。近づいてよく見てみると、マイケルの顔を覆う鉄製のマスクには、犯人のアジトへつながるヒントが隠されていました。 SWAT、ケリーと共にエリックは、アジトと思われる場所に急行します。案の定、そこはジグソウのアジトでした。拍子抜けするようにジグソウは簡単に捕まりました。 アジトには数台のTVモニターが設置され、新たなるジグソウの囚人たちが新しいゲームに臨んでいる姿が映し出されていました。 8人の男女が、出口の無い館に閉じ込められています。ゲーム開始と共に、遅効性の毒ガスが館内をくまなくめぐっていきます。2時間以内にゲームに勝ち抜き、解毒剤入りの注射器を手に入れないと、全員が死んでしまいます。 エリックは、その8人の男女の中に息子のダニエルの姿をみつけます。ジグソウはエリックに言います。「ルールは簡単だ、座って私と話をするだけでいい。最後までそうできれば、息子は無事に戻る。」と。 ![]() 斬新なアイデアでスマッシュヒットを飛ばした作品の続編というのは、その斬新なアイデアの斬新性が薄れているのにもかかわらず、同じアイデアに乗っかったまま話を作ってしまった場合、作品が劣化したと言われます。だから、この作品が同じパタ-ンで殺しの仕掛けを変えただけだったら、劣化したと言われ、これほど長く(全部で7作あります。)シリーズが続き、ヒットすることはなかったでしょう。 前作の最後で、ジグソウの正体が明らかになってしまうので、今回、どのようにお話を持っていくのか、非常に興味があったわけです。 前作は監禁された2人のお話をメインに展開していきましたが、今回は、情報屋マイケルの殺害からジグソウのアジトが明らかになり、そのアジトに踏み込んできた警官隊(実はジグソウの狙いはエリックただ1人ですが。)とジグソウ本人との駆け引きと、8人の監禁からの脱出ゲームとの2本立てで話が進行します。 この2本立てで同時進行な展開が前作とは違い、ハラハラドキドキで、非常に見ごたえがあります。でも実は、この2本立てにはわけがあり、すべてはジグソウの仕掛け(アジトに踏み込まれて逮捕されそうになることも含めて)であり、彼の狙いはあるところに集中しているのが最後には明らかになります。(もちろんその最後の展開は例のごとくここでは語らないでおきます。)その最後のどんでん返しも見事で、考えてみれば、初めからゲームを読み解くヒントは明らかなのですが、ジグソウの相手の心理を考えた仕掛けに、「やられたあ~~~!!」と皆叫んでしまうでしょう。 ![]() ということで、細かく見ていけば突っ込みどころはたくさんありそうですが、最後のどんでん返し(ジグソウ的には実に予想通りの展開だと思いますが。)に感心しつつ、明らかに続編を意識したエンディングと、隠れた協力者の謎(末期がんで体が思うように動かないジグソウのことを考えると、どう考えても、まだ協力者がいます。)を気にしつつ、またこれは、続きを見なくては、と思ってしまいました。 ところで、前作では、非常にタフ(精神的にも)なところを見せていたジグソウですが、かなり癌が進行してしまったようで、今回はよれよれだったのが気になりました。これはあれかな、前作の中で、無理しすぎたということですかな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.06.09 00:55:05
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