勝手に映画批評

2013/07/17(水)20:05

トレマーズ4

SF(126)

「トレマーズ4」 Tremors4:The Legend Begins 2004年 アメリカ映画 監督 S・S・ウィルソン 主演 マイケル・グロス  いよいよ最後の「4」です。「3」で、グラボイズとパーフェクションの皆さんが共存に落ち着いてしまうという、一定の結末が付けられたので、「4」はどうするのかと思ったら、なんと100年前に戻るという、裏ワザでした。  1889年、ネバダ州リジェクションという銀鉱山の町、鉱山で謎の怪物が出現し、犠牲者は17名にもおよび、鉱山は閉鎖に追い込まれ、多くの人々は町を去っていきました。  原因究明のため、鉱山のオーナー、ハイラム・ガンマー(マイケル・グロス)は、フィラデルフィアからやってきましたが、地中から現れた未知の怪物に襲われます。  銃を持ったことがないガンマーは、怪物退治のため、凄腕のガンマンを募集します。  ガンマーは、募集に応じてやってきたガンマン黒手のケリー、鉱山の若者ファン、雑貨屋のチャンらとともに、怪物退治に立ち上がります。  意外や意外、「1」に負けないぐらい面白かったです。  やっぱりグラボイズ(実はこの名はまだなく、この映画の中では、終始、“土のドラゴン”と呼んでいます。)が、姿が変わることもなく、ずっと地中にいて、途中まで姿がわからず、怪物の正体がわからない恐怖、どこから襲ってくるかわからない恐怖、退治方法がわからない恐怖、そんな中で、右往左往する人間たち、危機に立ち向かう中で成長する主人公、退治するために一致団結する姿、知恵を絞り攻撃を工夫する人間たち、そういった様子が、結構説得力を持って映し出されています。  とりわけ、銀山のオーナーというのは名ばかりで、普段はフィラデルフィアに住むという都会人のガンマーは、のちのガンマニアの子孫(もちろん、「1」~「3」に出ているバート・ガンマーのこと)とは大違いで、銃など持ったこともなく(でも、最後には子孫がマニアになるのも納得です。)、子どもを騙して小銭をケチるような、ちょっと嫌なやつなのですが、“土のドラゴン”との戦いを通して、自ら武器を持って戦うことを覚え、仲間と力を合わせることを覚え、はっきり言っておっさんですが、人間的に成長する姿が描かれているのが、好印象でした。(最後に、彼女ができるのは、取って付けたような感じですが、“グラボイズ”と戦うと誰かに彼女ができるのはお約束なので仕方ないですね。やっと彼の番が来てよかったです。ご先祖だけど。)  ということで、人間年を取っていても成長できるんだから、人生を投げてはいけないよ(絶対スタッフはそんなことは意図してないと思うけど。)、という、人生の教訓も学べるという、怪物パニック映画の意外な佳作を、今回は紹介しました。

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