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カテゴリ:恋愛
![]() 「昼下がりの情事」 Love In the Afternoon 1957年 アメリカ映画 監督 ビリー・ワイルダー 出演 オ-ドリー・ヘップバーン ゲイリー・クーパー “情事”という言葉、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか。言葉の意味としては、男女の肉体関係、しかも結婚していない男女のものを指すようです。しかし、成人映画などでよく使われていた言葉で、その描かれている“情事”は不倫など、いけない関係を指していることが多いのではないでしょうか。僕はそんなイメージです。 ところが、この往年の名作、主演女優は、あの「ローマの休日」で清楚なアン王女を演じて一躍大スターになったオードリー・ヘップバーンです。なんか“情事”という言葉のイメージとは最もかけ離れたイメージのある女優さんではないでしょうか。(はっきり言って、僕のひいき目が含まれていることは否めませんが。) いったい、清楚なイメージな彼女が、どんな“情事”を見せているのか、非常に気になっていた作品です。CATVで放映していたので、録画しておきました。 パリの私立探偵クロード・シャヴァスは、アメリカの億万長者で、スキャンダルまみれのプレーボーイ、フラナガン(ゲイリー・クーパー)とX夫人の不倫現場を抑えることに成功します。依頼人のX氏はその証拠写真を見て、フラナガンを殺すといきまいています。 これを聞いていたのが、シャヴァスの娘で、音大生のアリアーヌ(オードリー・ヘップバーン)でした。彼女は父の扱う事件記録を読むのを楽しみにしており、今回の事件にも興味津々でした。 アリアーヌは、チェロの勉強にコンセルヴァトワールへ出かけたものの、この事件が気になってたまりません。フラナガンの泊まっているホテルへ行ってみると、X氏がピストルをポケットに忍ばせているところに出くわしてしまいます。 窓から部屋に忍び込んだアリアーヌの機転で、X夫人は逃れ、フラナガンは危ういところを助かり、突然現れた謎の美女が気になり、翌日の午後のデートを申し込みます。 翌日、あんな浮気男とデートなどすまいと思ったものの、アリアーヌは結局ホテルを訪れます。食事と美しいムードミュージック、フラナガンのお定まりの手に、アリアーヌはすっかり参ってしまいます。しかし、やがてフラナガンがパリを出発する時刻が来て、2人はいかにも世慣れた遊び人同士の如く、あっさり別れるのでした。 何ヵ月後のある夜、アリアーヌはオペラ劇場で恋しいフラナガンに再会し、明日の逢瀬を約束します。翌日ホテルを訪れたアリアーヌに、皮肉にも今度はフラナガンが参ってしまい、彼女がことありげに話した男たちのことに、気が揉めてたまらなくなってくるのです。 ![]() なるほど、言葉の意味通りの“情事”でした。もちろん、昔の映画ですからその“情事”そのものの映像はありません。(個人的には非常に見たい場面ですが。)しかし、午後から彼のホテルへ行った彼女が、帰る時には暗くなっているのですから、そういう行為があったことは語らずとも明らかなことです。 そんなことはどうでもよくって、名うてのプレイボーイが、小娘の小悪魔的魅力に参ってしまうという、コメディタッチの恋愛映画でしたね。なんといっても見どころは、オードリーのまさに水を得た魚のごとく小悪魔的な魅力がたっぷり観られるところですね。あれだけかわいらしいところを見せつけられたら、百戦練磨のプレイボーイがコロッと参ってしまうところも納得です。 だから、なんかうまくいきすぎだとか、本当にその男でいいのかとか、フラナガンがおっさんすぎるだろうとか、お父さんが物わかり良すぎだとか、そういうツッコミは野暮でしょうか。余計なこと考えずに、楽しめばいいものなのかもしれません。 「ローマの休日」から3年、まだまだ20代(劇中の設定は20歳前後と思われますが)の若くってピチピチのオードリーの魅力が十二分に堪能できる作品です。 ![]() 当時、“情事”という言葉には悪いイメージはなかったのかもしれませんが、成人映画やエロビデオなどの影響で、「昼下がりの情事」という題名から、団地妻的・不倫的・いけない関係的イメージを感じてしまうのが非常に残念です。原題の直訳で、「昼下がりの恋」としておけばよかったのに、と思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.11.06 21:01:57
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