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野球の1リーグ化問題は別として、サッカーのニュースが多いね。
欧州がオフシーズンなので、レアルマドリーやバルセロナ、バレンシアなどの世界的なビッグクラブが続々来日して親善試合を行ってます。 しかし、世界中にいろんな国があって、サッカーのプロリーグがある国もそれなりにある中で、世界最高レベルのチームが毎年にように日本にくるあたり、やはり外から見るとジャパンマネーはまだまだ豊潤で魅力たっぷりなのかね。 さてそんな中で、中国の重慶で日本代表がアジア杯を戦っている。 先日も、GKの川口選手が神がかり的な活躍を見せて、見事ベスト4入り。いや、ほんとにすごかったね、川口。興奮シタ。 で、試合の話題はそんななんだけど、試合を行っている重慶での、激しい日本バッシングが話題になっている。 試合中のブーイングは当たり前のこと、君が代が流れてるときから、帰りのバスまで、ヤジとブーイングの嵐。 「さっさと出て行け日本人!」 「二度とくるな!」 なんて叫びまで出ていた。 なんだかんだいって、僕も一応日本人の端くれなので、そう言われると、 「ナニヲー、コノヤロー」 的感情は芽生えるわけで。 そんで、その数秒後くらいにちょっと冷静になって考えて、 「イラクなんかのことが問題になっている中で、こういう”やられたらやりかえせ”的単純な反応がよくないんだなあ」と。 むしろ、 「そうやって過去の恨みつらみを日本人だからっていうだけでぶつけるのはきっとさらなる恨みをつくってしまうよ。僕はあなたたちが出て行けと言っても怒らない。だから今後は仲良くしようよ」 と、と呼びかけたくなったりもしたり。 が、それからさらに3分後、ますます冷静になって考えてみると、僕がムムーと思った動機はたかだか現代中国人からの、日本人に対するちょっとしたブーイングであって、べつに爆弾落とされたわけでもなんでもないんだよね。 でも彼らは過去に日本軍に攻撃されたという歴史を持っているわけで。 そこで、こんなアバウトに考えて人に対する意見を正当化しちゃいかんなと思い、なんとなーくしかわかってなかったような反日感情の原因とかを考えてみたりするわけだ。 日本軍の、朝鮮や中国での行動っていうのは、情報に完全な信用が置けないソースが多いから、どこまで信じていいのかはわからない部分もあるけど、それでもある程度のことはわかるわけで。 ちょっと調べた結果、日本軍は1938年から1943年の5年にわたって重慶に対して激しい戦略爆撃を加えて、1万人を超えるかという犠牲者を出させている。 戦略爆撃っていうのは、目の前の敵っていうわけではなく、後方の都市そのものに爆撃を加えるため、当然一般市民に多くの犠牲者がでる。 重慶という土地は、そんな歴史を持っているわけだ。 重慶に限ったことではなく、旧日本軍は、加害者としての経歴を間違いなく持っている。 そして、そういったことで相手に与えた傷、怒り、恨み、いろんな感情を、 「もういいでしょ?」 って言っちゃうのは、やっぱり日本人側からじゃ、どっかまちがってるんだろうなあ、と思った。 重慶のサッカーファンがどれだけ日本人が嫌いで、その態度が日本との交流を阻害するような残念な結果を生むとしても、こちらから「おまえ、そんな昔のこと、しつこく気にすんなよ」って言うのは、やっぱ間違ってるなと。 日本人が、もう気にしていないこと、気にしないほうが論理的に建設的な方向に向かうと判断できること、あるいは「普通そうじゃん」って思ってしまうこと。そういったことが、この狭い島国の中でしか通用しないことってのは、たくさんあるわけで。そこのところを、こういうときにちょっとでも勉強して思い出しておかないと、ただのエラソーなわかったつもり君になっちゃうんじゃないかなと。 そしてそれは、さらなる恨みとかを作ってしまう温床に、十分なりえるなあと。 そんなことを考えつつ、養老さんの「バカの壁」を読んでおくことをみんなに薦めたくなった、今日の黒山羊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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