HOME

2005/10/19(水)02:35

「中だるみ」

教育(44)

中学2年生、中学1年生の2学期は「中だるみ」の時期になりやすいと言われます。 それぞれの環境になれてきたこと、また3年生が引退した後、自分たちが部活動の主役になることも大きな原因と言えるでしょう。 そして塾を辞める、と言い出す生徒が多くなるのもこの時期。 私個人の意見としては、私たちの力を必要としなくなってしまった生徒を無理に引きとどめたいとは思わないのですが、会社的にはそうはいきません。 今年もこの時期がきたか…… 中学校2年生の男の子。 成績の伸びが思わしくありません。 原因はわかりすぎるほどハッキリしていました。 勉強がしたくないんです。 それよりも楽しいことがたくさんあるから、勉強しないんです。 そして、塾に来ると宿題を忘れた言い訳をしつこいほどしてきます。 この間私はかなり厳しく彼に対応しました。 おうちでは厳しく物事を言う人がいない、ということも彼のお母さんと話していてわかっていたので、おそらく彼からすれば初めて厳しい叱られ方をしたのだと思います。 彼はお母さんに「あの塾は僕にはレベルが高すぎる。」と帰ってから話したそうです。 私は宿題を忘れることは、私との約束を破ったこと……約束を破るのは人として決してしてはいけないことだと言いました。 そして、今の君は「やらなくちゃいけないこと」からただ逃げているだけだと。 そして最後に、その子にこんな話をしました。 「Nくんからすれば、私はとっても厳しくて口うるさい先生に見えるだろうね。私だって、Nくんが宿題を忘れてもテストで結果を出せなくても、『残念だったね』『次はやって来るんだよ』って笑顔でいられればこんなにラクなことはない。Nくんだってそういう先生の方が優しくていい先生だって思うでしょ?」 黙って頷くNくん。 「だけど、私はそういう先生は本当に優しい先生だと思わない。もし私がそんな先生だったら、来年の今頃Nくんは誰よりも辛い思いをするんだよ。『なんであの時もっとちゃんとやらなかったんだろう』って思うんだよ。そして、受験の年の3月……自分の希望が叶わなかったら……Nくんは本当に本当に悲しくて辛い思いをする。私は、君にそういう思いをしてほしくないから、今できることをきちんとしなさい、って言うんだ。」 本心から言いました。 楽しませること・優しく接することはそれほど難しいことではありません。 だけど、それだけじゃこの子は再来年の3月にとっても辛い思いをする。 そういう辛い思いをする生徒を毎年数名見てきて、その時ほど自分の指導を後悔する時はありません。 今、自分がしたいことを少しだけ我慢して、少しだけ頑張れば、そんな辛い思いをさせずに済むのかもしれない…… そう思うから、私は「やらなくちゃいけないこと」から逃げている彼に厳しい対応をしました。 だけど、彼には伝わらなかったようです。 ただ、「叱られた」としか思えなかったようです。 彼のお母さんは、今までいくつかの塾に通わせて比較した結果、私の塾をとても評価してくれています。 だけど、肝心の生徒に私の気持ちが伝わらないのなら…… そんな評価は全く意味のないものです。 彼の状況・性格・育った環境に配慮できない話し方だったのかもしれないな。 まだまだ未熟だな…ホント。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る