テーマ:趣味の英語(406)
カテゴリ:I LOVE NEW YORK
12月に入っちゃいました。今日はすっかり寒くて雨も降って、冬を実感しました。雪が舞った地方もあるのでは? さて久しぶりにニューヨークの話題です。ニューヨークの12月と言えばサンタクロースだけど、今日はライオンのいる図書館の話。
NHKの教育テレビで以前放送されていた「ライオンたちとイングリッシュ(Between the Lions)」ってご存知ですか? アメリカの幼児向けの番組で、たまたま教育テレビで見つけた時は「セサミストリート」の後継のような英語教育番組だと思いました。ライオン親子が住んでいる図書館を舞台に蔵書の一冊をめぐって一話完結でドラマを繰り広げます。放送時間は知らなくてテレビ画面で始まると、オリジナルの挿入歌が楽しみでつい最後まで見てしまっていました。NHKでの放送はもう終わってしまったのですが、英語サイトは健在です。架空の図書館だと思っていたけど、ニューヨークでライオンのいる図書館を見つけました。 その図書館はNew York Public Library です。名前から公立図書館だと思いましたが、実は世界屈指の私立図書館です。自治体が設立・運営しているのではなく、独立した法人だそうです。館名のPublicは「一般大衆に公共に開かれた」と言う意味なので、「ニューヨーク公共図書館」と訳すのが妥当かな。イギリスのパブリックスクールが私立なのも同じ用法なのでしょう。 19世紀末に時のニューヨーク州知事がすでにある二つの図書館を統合し、庶民のための図書館を作ることを提案しました。これを受けて1911年にこの図書館が竣工されたのですが、実際に費用をまかなったのはカーネギーなど富豪からの寄付金で、現在も民間からの寄付がこの法人の財政基盤になっているそうです。日本の公立図書館の苦境を思うと、来館者で賑わい、外国からの旅行客にも親切に接してくれる、この文字通り開かれた図書館は、古き良きアメリカそのもので羨ましい限りです。 図書館はミッドタウン、40丁目から42丁目にかけてあり、南北に長い建物で正面(東側)は五番街に面しています。図書館と言うより博物館を思わせる豪奢な造りで、パリ6区にあるボーザール(フランス国立高等美術専門学校)を真似た様式だそうです。実際館内も立派な天井画や彫刻が随所にあって、美術館が図書館になったみたいでした。 ライオンは石像で二頭いて、正面の階段脇左右に座り、五番街を見つめています。図書館の番人なんですね。神社の狛犬みたいな感じ。ちゃんと名前もあって母体となった二つの図書館にちなんで、Leo Astorと Leo Lenox。やがてLady Astor とLord Lenoxとも呼ばれるように。貴族夫妻に昇格したのですな。でも二匹とも雄なんですけど。さらに1930年代のGreat Depression時には Patience(忍耐)と Fortitude(不屈の精神)と言うニックネームも。大恐慌を乗り切るにはこの二つの資質が必要とされたそうです。今またこのライオンたちの出番がやってきたようですね。 下の絵のライオンは南側(向かって左)のライオン、Patienceです。レディの気品を感じます? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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こんにちは。
へー、そうなんですか。。。 とってもよくわかりました。今’図書館ねこ’の本を読んでいるのですが、この図書館ライオンと何か関係あるのかな? (December 6, 2008 11:47:14 AM)
おお寒々、冷え込んでます。
こんな図書館いいですね~☆。 PatienceとFortitudeこの二つの資質。なるほど。 このライオンの像を見習って、どっしりと気概を忘れないようにということなのでしょうね。 不況の波が心配だわ~。 (December 6, 2008 04:44:44 PM)
さすが読書家のクーンさん。話題の本をすでに読んでいらっしゃるのですね。本の紹介を見たところでは特別関連性がみつけられません。こちらは何と言っても石のライオンですから。
私も読んでみようと、図書館に予約しました。年明け早々には順番が回ってきそうです。そうそう、当所の図書館の貸出券には小鹿が描かれています。興福寺の五重塔が望める図書館ですから。 (December 7, 2008 07:28:16 AM)
昨日も寒かったですね。冬到来を実感します。
奈良で一番のお祭り、春日若宮おん祭りも近づいてきました。これが終われば今年もおしまい。 ブッシュ大統領は1世紀に1回の大不況と言ってるけど、どうなるんでしょうね。今回は新たなニックネームが付くかも? ニューヨーク公共図書館は建物を見るだけでも楽しいのですが、図書館としての機能も素晴らしいのでよ。そのうちパート2を書きますのでお楽しみに。 (December 7, 2008 07:38:17 AM)
アメリカには図書館猫がかなりいるそうです。日本では考えられないことですね!
図書館ねこデューイはねこのはなしの本ではなくて図書館の館長さんの半生記でした。 壮絶な人生で読んだあとショックがひどくて一晩眠れませんでした。自分のブログで取り上げるつもりだったけど、無理です。 1人の人間がこんなにつらいことをいくつも経験することがあるんだ。 という感想でした。 ライオンのいる図書館とは関係なかったです。 (December 8, 2008 10:10:47 AM)
>アメリカには図書館猫がかなりいるそうです。日本では考えられないことですね!
へぇ、そうなんですか! 図書館の中に住み付くなんて、確かに日本では考えられないことです。 スリランカで図書館ではなかったけれど、公共施設の階段に犬が一日寝て涼んでいたのを思い出しました。のんびりした光景にほのぼのしたものでした。そういえば、館員も来館者も誰も追い出そうとはしませんでした。お国柄もあるのでしょうね。 >壮絶な人生で読んだあとショックがひどくて一晩眠れませんでした。 まぁ、それは大変でしたね。私なら合わない本は途中で投げ出してしまうけど、クーンさんは真面目で感受性が強いからお気の毒でした。 ねこの話ではなく、館長さんのお話と心して読むようにしてみます。ご感想ありがとうございました。 (December 9, 2008 06:55:48 AM)
>図書館と言うより博物館を思わせる豪奢な造りで、パリ6区にあるボーザール(フランス国立高等美術専門学校)を真似た様式だそうです。実際館内も立派な天井画や彫刻が随所にあって、美術館が図書館になったみたいでした。
エコール・デ・ボザールには友人が留学中に訪ねたことがありますが、ギリシア神殿風だったかしらと漠然としか思い出せません、、、。 堂々たる風格を備えた図書館ですね。日本の図書館はまだまだ実用一辺倒で無味乾燥だな、と思います。 そう言えば、映画「Day After Tomorrow」で、主人公たちが迫りくくる大寒波を逃れて避難するのが確かこの図書館です。 次から次に蔵書を暖炉で燃して暖を取る場面が出てきますが、職員の一人がグーテンベルクによる図書を抱きかかえて守るシーンが印象的でした。 (December 9, 2008 10:01:14 AM)
やっぱり知ってらしたのですね。エコール・デ・ボザールとフランス語で呼ぶところからもセージグリーンさんの経験の豊かさが感じられます。
訪れたことがないのでないのでギリシアの神殿と言うと、柱と屋根しか思い浮かびません。(汗) 私は天井の高さやそこに描かれた絵画から、フランスやイタリアの今は美術館いなっている宮殿を連想しました。でもそれらのオリジナルはギリシアにあるのでしょうね。 そうです。映画「Day After Tomorrow」出てくる図書館だそうです。 >職員の一人がグーテンベルクによる図書を抱きかかえて守るシーンが印象的でした。 それは一度観てみないといけないわ。旅行前「Night Museum」(アメリカ自然史博物館が舞台)は観たのですが、何せニューヨークを舞台にした映画は多くて…。 (December 10, 2008 10:28:34 AM) |