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繰り返し脈打つ鼓動が耳朶を伝播して
蔓延る世の倣えに沈んでいく 数多の音の中にも表現できないものは幾つもあって 触れ合えた時に言葉でなく伝えられる音もある 揺らぎ塞いでしまっていた根底の声音が 震えて弱々しく泣いたように囁く時 寄り添って傾ければ 何処にも辿り着けずに零れ落ちて消えるだけ 愛憎つらつらと燻らせては 何度も着いては消える灯火の様に 点灯点滅繰り返しまたそれも脈となる 過ぎし日に枯れていく花々のように 思い出重ねてもいつか色褪せて思い出せなくなる 悲しい思いも辛い思いさえも今は今際と 描き消しても今を過ぎゆけば忘るもの 今し方隣を過ぎ去った人の面も 覚えようとせねば刻まれぬように 目を逸らせば感じることもないだろうと 自分の声には蓋をして見ぬ振りをして 立ち止まってしまった時に 喘ぎ泣いては蓋を揺らして 零れたのは音だけではなく 伝うのは温い水滴 幾重にも重なった音の伝播膨張して 空気中を犯すような熱に変わり肺が揺れる 噎ぶ程の思いの丈 内臓焦がし芯を失ってぐらりと傾けば 零れ落ちて消えるだけ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/05/11 12:25:22 AM
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