江戸時代から続く「高橋の虫送り」次世代へ
最も稲虫が繁殖する土用入りの前夜、五穀豊穣や虫の供養として行われる虫送りは江戸時代、全国各地で開催される呪術的行事だったとか。現代、農薬の登場や高齢化を理由に、行事として残される地域は希少になりました。今回「高橋の虫送り保存会」の解散を受けて「高橋の虫送りをつなぐ会」が発足新しい形で継承が行われると伺い、参加させていただきました。人の手によって、丁寧に虫の供養がされる大変大変美しいお祭りでした🐛開催場所は、会津美里町という情報だけで向かったところずっと奥地で驚きました。虫籠が流される、「高橋」という、橋を渡るとそこはまるでとなりのトトロの世界・・・トトロのはじめのシーン引越し道中の風景が広がっていました!18時 龍門寺の参道下に集合。橋のかかる宮川を挟み東側の尾岐窪地区と西側の冑地区の個性溢れるユニークな虫籠は大人2人でやっと運ぶことのできるほどの重量感。尾岐窪地区の虫籠は、女籠(写真左)冑地区の虫籠は、男籠(写真右)なんだそうです。それぞれの籠に虫を入れるのですが・・・虫の代わりにと、どうやって作られたか分からないくらい繊細な笹の葉のバッタさんを預かりました。こどもたちは竹で作られた槍を持ち虫送りの歌を合唱しながら運んでいきます。「稲の虫も 煙草の虫も お〜ぐんぞぉ〜」を繰り返し。龍門寺の参道を登ります。山門にたどり着くと境内に咲く花を、尾岐窪地区の女籠に飾りました。飾り付けを終え更に龍門寺の門前まで運び、住職による「虫送り」の意味や歴史などのお話をいただいた後ご祈祷が行われました。高橋の虫送りは、1966(昭和41)年に町指定重要無形民俗文化財に指定され、今年で56回目を数えます。これまで「高橋虫送り保存会」が主催されてこられましたが、新しく有志が立ち上がり「高橋の虫送りをつなぐ会」が発足。継承されることになりました。繊細で優美な尾岐窪地区の虫籠の製作は困難な状況であることまた、作られてすぐに川に流される虫籠は地元会津美里町の方もなかなか目に触れる機会がないことから、今回に限り、8月3日まで郷土資料館で展示が行われることになりました。一日でお役目を終えるなんて信じられないくらいとても凝った造りになっています!!江戸時代から紡がれる伝統的な細工にうっとり。ぜひご覧ください☺︎継承してくださった有志の皆様文化財に指定のきっかけをつくってくださった龍門寺のみなさままた、日頃より日本の食卓を彩る農家のみなさまに感謝が込み上げる1日でした。虫かご展はこちら!!是非伝統行事「高橋の虫送り」に触れてみませんか?(7月28日は臨時閉館とのこと、ご注意ください)