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我食べる、故に我あり ~ 中国の故事 (嘘)

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2006年07月17日
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カテゴリ:鰻・寿司

あぁ、今日も食った飲んだ。

朝9時。
まだ妻も娘もベッドでゴロゴロしていたが、私はひとり身支度を整え、愛車ロバ君のイグニッションキーを回した。

目指すは「さのび」。
静岡県は三島にある佐野美術館である。
一代で財を成した佐野隆一氏が昭和41年に創設した美術館だ。
特に刀剣のコレクションでは日本屈指。

1年半ほど前にも来ており、今回が2度目の来館。
今は「虎徹と清麿」展が開催中だ。

kotetu1.jpg
kotetu2.jpg

3連休最終日の朝の下り車線は空いていて、飛ばさなくても1時間強で到着。
地方の小さな美術館の、しかも開館直後の時間帯だというのに既に多くの人で溢れていた。
もちろん、都会の大美術館の有名な作品を集めた展覧会のような混雑ではないが、刀だけの展示でこれほど人が入るとは驚きだ。
老若男女にカップルまでいる。
世は日本刀ブームになっていたのか。
まあ、私が居合をやり、刀を愛でるぐらいだから、ブームになっていてもおかしくはない。
だいたいである。
私が何かに凝り始める頃には、その対象はブレーク寸前で巷でも話題になり始めているというケースが少なくない。
極めてマスな私なのである。

それにしても…
美しい。

虎徹の機能美の極致のような美しさもさることながら、清麿の波紋の美しさといったら、見た瞬間に無意識のうちに後退りしてよろめいたほどである。
まるで空を流れる雲のようであり、打ち寄せる波のようでもある。
そんな筈はないのだが見ている目の前で次々変化していくような躍動感がある。
まさに天才だ。

少々高かったが図録も買った。
来た甲斐があったというものだ。
満足。

三島に来たら鰻である。
まだ11時を少し回ったところだったので、いっそ沼津に出て寿司も良いなと思いつつも、やっぱり鰻だ。

繁華街の鰻屋に2、3当たりをつけてあったのだが、どこも駐車場が分かりにくい。
店は見つけたが、駐車場の案内図を見ると、曲がって、曲がって、さらに曲がって…
どこなんだよ、そこは?

諦めて前に来たとき食べた桜家にしてみようと思ったら、店の前には黒山の人だかり。
ざっとみて2,30人は待ってそうだ。

素通りしてしばらく行くと、鰻屋の看板発見。
案内に従っていくと、あった。
元祖うなよし。
店の前には5,6人しか待っていない。
駐車場の看板を折れたら…
50台ぐらいは入りそうな駐車場がほぼ満杯。
次から次から人が店に向かっている。
その上、大型バスの駐車場もあるようだ。

店の前に並んだときは、10人ほどが前に。
ところが、この人たち、先に車を降りて並んでいたのであって、続々と連れがやってくる。
近頃はみんなワンボックスカーだから、1人並んでいたら6人はいると思った方が良い(かなり大袈裟だが)。

結局、店に入るまでに30分待ち。
それでも良い方だったようだ。
後5分遅かったら1時間待ちだっただろう。

入店してから鰻丼が出てくるまでこれまた30分待ち。
ま、鰻だから仕方ないか。

鰻の味は良い。
身はふっくらで皮はそこそこ歯応えがある。
タレは甘め。私は辛いほうが好きだが、好みの問題。

ただ、ご飯がべちゃっ。
丼物のご飯は少し硬いぐらいの水気少な目のさらりとしたものでなけりゃ。

ふと思ったが、タイ米の鰻丼というのはどうだろう?

近くの席には、団体を乗せてきた観光バスのひょろりと痩せた運転手とでぶっちょのおばちゃんガイドさん。
お客さんの座敷には並ばないものの、こうやって鰻丼を食べているのだな。
役得だ。

おばちゃんガイドが自分の吸い物のお椀から摘み上げた肝をヒョイヒョイと運転手のお椀に入れた。
運転手はそれをまったく気にも留めていない。
2人はそういう仲なんだな。
見てはいけないものを見てしまったような気がした。


満腹、満腹








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最終更新日  2006年07月17日 21時36分02秒
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