2011/02/03(木)21:00
赤坂、畏るべし
昨年末から、食事に招かれる機会がやたらと多い。
大抵は我が社から近いためか銀座の店に招かれるのだが、最近は立て続けに赤坂だった。
赤坂はまるで馴染みがないのだけど、続けてきてみると、和食系の店の底力のようなものを見せつけられた気がする。
今夜は、古い雑居ビルに入った、鄙びた感のある懐石料理の店だ。
地味な店構えながらも、ミシュラン1つ星を獲得している。
2人用の個室を予約してあるとは聞いていたが、通された部屋はあまりに狭い。
わずか2畳に小さな床の間があるだけだ。
男女が密会するにしても、この狭さでは身動きがとれず、何にもできはしないだろう。
今夜の私たちのようにオヤジ2人で放談する方が向いているみたいだ。
そして、肝心の料理はというと、脱帽と言って良いだろう。
本当の和食とはこういうものかと、目から鱗が落ちた。
味付けを最低限に抑え素材の味わいで勝負してきたかと思えば、濃厚で芳醇な出汁が際立つ一皿が続いたりと、緩急の付け方や間の取り方が絶妙だ。
華やかさはないが、わびさびの空間が浮かび上がる料理だ。
そうしてみると、このわずか2畳の空間が計算され尽くした演出に思えてくるし、なんとも言えず緊張感と居心地の良さが自分の中でバランスしてくるから不思議である。
いやぁ、それにしても、お造りと一緒に出てきた煮鮑の柔らかさと、何本分もの味を凝縮したような筍の旨さは、感動モノだった。
お招きいただいたK氏に多謝。
満腹、満腹