Marvelous! (7日の日記その2)
あぁ、今日も食った飲んだ。朝起きると、節々が痛む。昨晩の稽古のせい? いや、今まで稽古の後にこんな痛みを感じたことはない。その上、鼻の調子も悪い。奥の方に痛みがある。鼻をかんでみると少し血が混じっていた。朝食は…御飯、シソふりかけ、菜の花芥子和え。朝の電車の中、前に座っていた初老の男がポケットからコンビニの白いビニール袋に入った缶を取り出して、プルリングをひいた。袋で隠しているつもりなのだろうが、私の位置からはそれが缶チューハイであることが見て取れた。赤らんだ鼻の頭に暗赤色の細かい血管がひび割れのように浮かんでいる。同じ鼻をした人がかつていた。高校の時の国語の先生だった。変わった先生で、教科書を開いたのは一度だけ。最初の授業で「せっかく買った教科書だから目次ぐらいは眺めましょう」と本当に目次だけ開かせ、「私の授業では教科書を使わないから、次の時間から持ってこなくてもいい」と言った。そして、次からは毎回、丸山真男、唐木順三、亀井勝一郎、チェーホフなどのプリントを配って授業をしたのだ。余談だが、私が大学時代にチェーホフ全集を読み耽ったのはこれがきっかけだ。そしてこの先生、アル中であった。私が習った頃には立ち直っていたようだが、先輩たちの話では、授業中に手が震えだし「すぐ戻る」と教室を出ると廊下の隅でウィスキーの小瓶を呷っていたという。人間的にはとても魅力的な人だった。生きていれば70を過ぎている筈だが、長生きしているとは思えない。11時半頃になって友人から、昼食会の誘いのメールが届いた。東京駅周辺に働く友人たちがたまに集まって昼食会をしている。銀座を東京駅周辺と呼ぶかどうかは議論が分かれるところだが、仲間に入れてもらっている。といっても、皆忙しく、2ヶ月以上前から何度も日程調整がされては流れていたのだ。急な誘いだったが、5人中4人がOK。ところが言いだしっぺからのメールが途絶えたまま昼を迎えた。電話してみると「急な仕事が入ってしまって、今は赤坂にいる。すぐ戻る」という。しかし、他のメンバーの一人は既に食べに出てしまったというし、残るひとりは連絡がつかないというので、今回も流会。昼食は、ひとりで久し振りに築地に行って見た。中栄で印度カレーと味噌汁。前回この店に来たときに日記でカレーと味噌汁の組み合わせに疑問を呈したら、にーもにっくさんから「え?カレーと味噌汁の相性に疑問を抱いてますかな?なっなんとーーー!」(Feb.14,2005)とコメントをいただいたので、今回は味噌汁をつけてみた。お、おー!ホントだ。カレーを食べた後に味噌汁を飲むと、カレーの辛さや香辛料の刺激が際立つ。その上、味噌汁もきちんとキャラが立っている。これは新発見。見事なマリアージュだ。次回は玉子入り味噌汁に挑戦してみようかな。節々が痛むけど、天気も良いので、そのまま築地本願寺に行ってみた。頻繁に前を通るが、境内に足を踏み入れるのは今日が2度目。前は10年以上前に赤テントか黒テントを見に来たので、建物へは足を踏み入れていない。本堂の前には、「ご自由に中に入って参拝してください」と書いてあったので、遠慮なく入らせてもらった。食田家は門徒である。この寺も真宗本願寺派築地別院であるから、喩えるならお西さんの東京支社である。つまりは近くにいながら今まで支社に一度も顔を出していなかったということだ。仏の御心でお許し願いたい。で、中に入ってみて驚いた。Marvelous!外観だけでなく、中も見所満載である。まずはご本尊に合掌してから、堂内を見て回った。柱の天井付近の装飾なども今は色褪せてしまっているが、建立当初は極彩色に彩られていたであろうことが見て取れる。振り返ってみると、入り口の両脇にそびえるのはパイプオルガン!その後ろにはステンドグラスまである。そして何よりも、外陣に設えられた椅子席。ゆっくりと腰を下ろしてこの癒しの異形空間で昼寝ができるのだ(先客たちが数名)。お気に入りの場所ができた。午後。2時過ぎた頃から体調悪化。3時頃には体中ゾクゾクしてきた。4時になってついに耐え切れずに早退。帰宅して、かかりつけの医者に行こうと診察カードを見たら木曜の午後は休診。そのまま床についた。夕食に親子丼少な目ともみじ饅頭。一応、満腹、満腹