これからの空の輸送の潮流を担う巨大航空機です。
空の輸送思想には2つの考え方があり、1つはいくつかの拠点都市を中心に周辺都市があるとする、大都市とハブ都市思想、もうひとつは世界は平均化され一般的都市は概ね平均的に結ばれるという平均都市思想です。
A380は前者の思想の産物で、大都市を結ぶ航空機になりハブ都市は中・小型機が担うと言うものです。
欧州エアバス・インダストリー社によって製造される世界初の総2階建て、ターボファン4発の超大型旅客機。世界の航空機メーカーの巨人ボーイング社に挑んだ航空機。ロールアウト(2005年1月17日)時点でボーイング747を抜いて世界最大の旅客機になりました。
15ヶ月間のテストののち、2006年末に商業運行が開始される予定です。初期の構想から初飛行まで、16年の歳月を要しました。
ボーイング社はこれに対抗し、同年に747-500Xと747-600を発表、対決する構えを見せています(B747X計画)。
また異なる発想からボーイング777、ボーイング787もあります。(空の輸送思想の後者)
A380では、エアバスの機体では初めて日本企業の参加が15社と2桁となり、下請け生産を行っています。 2002年4月に床下・垂直尾翼の部材担当として東邦テナックス、ジャムコ、住友金属工業、東レの4社が参入、6月に三菱重(前・後部カーゴドア)、富士重”第二次世界大戦時、中島飛行機”(垂直尾翼前縁・翼端、フェアリング)、日本飛行機(水平尾翼端)、10月に新明和工業”第二次世界大戦中、川西機械製作所”、横浜ゴム、日機製が、2003年2月に横河電機、カシオ計算機、マキノが、6月にブリヂストン、三菱レイヨンが参加を決定しました。特に日本の炭素繊維の技術に目が向けられています。炭素繊維はフレームなどの主要な部分に多用されています。近年の軽量・頑丈の要求に日本が開発した炭素繊維はなくてはならないものです。
エアバスとしては日本企業に開発の10パーセントを請け負ってほしいと希望していましが、特に重工メーカーが関係を深めていたボーイング社に気兼ねして(ボーイングの日本下請け率は約20%)これを受けませんでしたが、今回でエアバス社はボーイング社の牙城に風穴を開けたことになります。