アメリカ独立戦争戦争前後を、メル・ギブソン演ずる父親とその家庭・家族を中心に描いています。後半は独立戦争そのものが中心になります。前半での家族愛と愛国心の狭間で揺れる父親の姿をメル・ギブソンはうまく演じていると思います。結構スペクタクルな場面もあって佳品と言える作品だと思います。
もともと戦争に反対だったベンジャミン・マーチン(メル・ギブソン)は、息子がイギリス軍に殺されたことから、戦士として能力をまた目覚めさせます。そして巧みなリーダーシップと戦術でイギリス軍を苦境に追い込みます。
”パトリオット”は愛国者という意味ですが、私には愛する家族を殺されたことに主人公が戦争を始める動機があることに、愛国心もやはり身近なところから出るものだと思っているので、この主人公の姿はリアルに映りました。個人的な話ですが私の伯父は第二次世界大戦をソビエトで戦っていますが、伯父の話では戦友が敵に殺されると怒りがこみ上げてくるとを言っていたことが思い出されました。
ストーリーの流れは、前半のピークは主人公のメル・ギブソンが息子を殺された悲しみと怒りと復讐、後半の見所は巧みな戦術でイギリス軍を翻弄する痛快さだと思います。
メル・ギブソンはインタビューなどでは気さくな雰囲気があり、そういうキャラクターは「リーサル・ウェポン」に出ていて、「マッド・マックス」「ブレイブ・ハート」とこの作品ではどちらかというと寡黙で内に情熱を秘めた役を演じ分けられるのが、彼の俳優としての持ち味だと思っています。
「マッド・マックス」で初めて彼を見たときは”無口だけど愛情のあるキャラ”と思い込んでいましたが、「リーサル・ウェポン」あたりで見る目が変わり、結構幅のある俳優だと感心し、ますますお気に入りの俳優になりました。映画の中だけでは見られない部分が、メイキングとかでは見られるので最近はよくメイキングも見ています。役を演じるのは個人的なキャラクターというより”なりきる才能”だとしみじみ思います。
「パトリオット」製作2000年。