極刑空間

2010/06/02(水)06:01

偽物の月。

PC『ひまわり』(24)

『ひまわり -Pebble in the Sky-』感想  月相:下弦 アクアルート、攻略完了。 人は生きるために生きている。 父親と同じ結論に達しながらも、素朴な教訓の範疇に自説を収めた陽一。 誰もが幸せに生きることを望んで何が悪い、という開き直りは、『自分が一生幸せにはなれないであろう』陽一が言うからこそ説得力が生まれる。 二度と返らない幸せな日々を胸に、惰性で生き続けるアクアと陽一は惨めな抜け殻。 過去を振り切り、少しだけ幸せになれたという気持ちは全て錯覚。 偽物には価値などない。 夜空の星が全て消えてしまえば、プラネタリウムの存在意義も消失する。 不幸の連鎖と、絶望の波状攻撃。 奇跡は奇跡でしか補えない。だからこそ、「この星の空があおい理由」を説く意味がある。 『ひまわり』ここに在りだ。 泣きたくなるぐらいに打ちのめされて、やはりこの作品は凄まじい物であると再確認した。 追加要素としては、「○○○の写真」の追加CGが秀逸。 アイテムが視覚化されたことで、陽一が失った幸せの大きさも浮き彫りになる。 アクアルートは今作最大の見せ場だというのに、またしてもエンディングに歌曲がなかった。 これはおかしい。仕様とは思えない。 現在、バグを疑っている。

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