2010/07/02(金)06:16
輝ける未来を。
『ひまわりーthe Door into Summerー』第二巻を読了。
記憶喪失アクア、及び髪切ったアクアが吐くほど可愛い。
なるほど、これが桃源郷か。
彼岸への旅路も、アクアに送られるのなら悪くない。
ひまわりーthe Door into Summerー(2)価格:651円(税込、送料別)
この話はこれで最終巻だったわけだが、全体通して緩急ついており良い漫画だったんじゃないか。
二年前の大事故を巡る、もう一人の人物に焦点を当てた物語。
あまり切羽詰った感じはせず、のんびりと各キャラクターを描いていた印象。
アクアだけでなく、明香、アリエスも生き生きとしていて良かった。
絵も可愛いしな。
主題については、本編と変わらず。
よーいちは確固たる目標を胸に燃やして安定しているし、明香は変わらず「裏が無くて」安心できる。
一方、アクアとアリエスは、一生消えない傷痕を胸に抱えて生きていく。
「輝ける未来」があるとは言うが、それは絶対に「輝ける過去」には敵わない、というのが原作の弁。
奇跡でも起きない限りは、それが覆されることはない。
この漫画の中で、「よーいちに理不尽な殺意を抱くアクア」を見るだけで、その根底だけは何も変わっていないことが伺い知れる。
だからまぁ当然と言っちゃ当然だが極めて「原作ファン向け」の漫画だな
アクアとアリエスの私生活を垣間見つつ、『ひまわり』の物語の芯を再確認するには丁度良い。
それにしても、とことん「根暗な」作品だと思わずにはいられない。
記念公園の慰霊碑に花を手向けるアクアが、誰の魂に想いを馳せたのかは考えるまでもない。
英雄がいないこの星の空の下で、アクアやアリエスが本当に幸せに生きていけるのか、それだけが不安である。
いっそバカみたいに、「輝ける未来」を信じさせてくれる作品ならば良かったのになぁ。