極刑空間

2010/07/02(金)06:16

輝ける未来を。

その他『ひまわり』(59)

『ひまわりーthe Door into Summerー』第二巻を読了。 記憶喪失アクア、及び髪切ったアクアが吐くほど可愛い。 なるほど、これが桃源郷か。 彼岸への旅路も、アクアに送られるのなら悪くない。 ひまわりーthe Door into Summerー(2)価格:651円(税込、送料別) この話はこれで最終巻だったわけだが、全体通して緩急ついており良い漫画だったんじゃないか。 二年前の大事故を巡る、もう一人の人物に焦点を当てた物語。 あまり切羽詰った感じはせず、のんびりと各キャラクターを描いていた印象。 アクアだけでなく、明香、アリエスも生き生きとしていて良かった。 絵も可愛いしな。 主題については、本編と変わらず。 よーいちは確固たる目標を胸に燃やして安定しているし、明香は変わらず「裏が無くて」安心できる。 一方、アクアとアリエスは、一生消えない傷痕を胸に抱えて生きていく。 「輝ける未来」があるとは言うが、それは絶対に「輝ける過去」には敵わない、というのが原作の弁。 奇跡でも起きない限りは、それが覆されることはない。 この漫画の中で、「よーいちに理不尽な殺意を抱くアクア」を見るだけで、その根底だけは何も変わっていないことが伺い知れる。 だからまぁ当然と言っちゃ当然だが極めて「原作ファン向け」の漫画だな アクアとアリエスの私生活を垣間見つつ、『ひまわり』の物語の芯を再確認するには丁度良い。 それにしても、とことん「根暗な」作品だと思わずにはいられない。 記念公園の慰霊碑に花を手向けるアクアが、誰の魂に想いを馳せたのかは考えるまでもない。 英雄がいないこの星の空の下で、アクアやアリエスが本当に幸せに生きていけるのか、それだけが不安である。 いっそバカみたいに、「輝ける未来」を信じさせてくれる作品ならば良かったのになぁ。

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