2012/12/25(火)07:57
舞姫・異邦人の刃。
『黄雷のガクトゥーン』感想
第五章“虚飾の陽”
数式領域展開
数式領域構築
数式領域顕現
数式領域の維持を開始
制限時間内に目標を破壊せよ
お前の願いは果たされる
も、も……も。
森 鴎 外 ッ !!
ベルタ・モリ・ヴィーゲルト……ッ!!
なるほど……。
こいつ、なるほどなぁ……。
これは疑いようもなく……『舞姫』がモチーフだ……。
気付いてしまうと、モヤモヤが一気に晴れる……。
そうか、エリスは、あの見捨てられた哀れな娘は、決して男を恨んではいなかったのか。
そうか……。
それは、良かった。
ガクトゥーンは……。
なんだか凄く、優しい物語だ……。
恨むな、殺すな、決して憎むな。
あらゆる例題に対して、正義の回答は行われる。
曰く「人を頼み愛すれば、そこに必ず救いはある」。
だから「前に進め」と、そんなことを繰り返し、何度も……。
具体的な、章の内容については……言葉にすると、野暮になる……。
だが俺はこの第五章で、ようやく、何となく『ガクトゥーン』という作品の、そしてテスラという男の真価を知ったような気がする……。
もう……知りたければ、ゲーム買えよ……。
急げ……次の入荷はいつか、わからんぞ……。
【章の概要】
学園を統べる“フラタニティ”が一人、ベルタ・モリ・ヴィーゲルトとの決闘の最中、テスラは相手の瞳に輝きを見る。
ベルタの母はかつて異邦人の男に捨てられ、再会叶わぬまま死んだ。
男は今も、自分の故郷で生きている、母のこともベルタのことも、全てを忘れてのうのうと。
復讐。父とその祖国をまとめて踏み潰す。それがベルタが忌まわしき“鐘”に掛ける望みだった。
ベルタの嘆きと怒りを受けて、大地を砕き立ち上がる、全長30メートルの黒鉄の巨人。
唸りをあげて襲い掛かる圧倒的質量。音速の巨腕。
しかしテスラは自身のもう一つの肉体、雷を纏う鉄塊“超電形態”を彼方より招聘し、一撃の下に巨人を破壊、同時にベルタの心を狂わせた悲しみをも破壊した。
戦いが終わり、敗れたベルタは一人静かに、異国の父へと書をしたためる。
その意図は、プレイヤーには不明瞭なまま。
ベルタは、彼を許すのだろうか?
やはり許さず、未だ怒りの炎を胸に秘めるのだろうか?
回答はない。
回答は、必要ない。