この世の全てが憎い。
『ゴア・スクリーミング・ショウ』 感想 第十四回バッドエンドに到達。許さない、絶対に許さない。奴を殺してやる、希衣佳と同じ目に遭わせてやる…。奴は俺から大変なものを奪っていきました。全てのヒロインを愛する心です。※以下、ネタバレ注意前回のあらすじ。全てが終わった……と思い込んでいる恭司。【十四日目】恭司は希衣佳と会い、平穏な時間を過ごす。「そうだ、これ、仁野君に返すわ」希衣佳はペンダントを恭司に返してしまった…。完全に油断している。【十五日目】視点は希衣佳。教室に、恭司の姿は無い。ペンダントを持たない希衣佳は、ゴアが見せる淫夢の餌食に。「私……わた……」授業中の教室で自慰をし、嬌声を上げ、晒し者になってしまった希衣佳は教室から逃げ出した。その頃、恭司は呑気に起床……って本当に寝坊だったんかい。今すぐ学校に行こうか、それとももう少し休んでからにしようか。恭司は――ニア やはりすぐに行こうと決めた今ならまだ間に合う……急げ。学校のトイレで、希衣佳は追い詰められていた。「ほラ、彼ガアイツガあの子ガ来ちゃうネ!そろそろ来ちゃうネ!」「めちゃめちゃにしてやりたかったけど……それは後でいっか」恭司の接近を察して、二人は希衣佳を解放した。あっぶねえ…。恭司が到着すると、教室は騒然としている。真太が事情を説明してくれた。「……深園さんがさ、授業中に、一人エ ッチしてた」なんという……これは社会的抹殺は免れないだろうな。希衣佳は保健室にいた。「もう無理……もう生きていくの、いや……っ!」あ~……流石にこれはキツいよな。学校なんてもんは、授業中に屁をこくだけでも結構な騒ぎになるのに。恭司は希衣佳にペンダントを渡そうとして、その瞬間に世界が赤く染まった。無数の眼球が恭司を見据える。戸惑う恭司の目の前に、ゴアとユカが現れた。ゴア結界、発動。「お前ら……死んだはずじゃ」「ユカは死ななイ!ゴアも死ななイ!」口汚く希衣佳を罵る二人に我慢できず、恭司はこんな気味の悪い世界は消えてしまえ、と叫ぶ。崩れていく景色。気が付くと、恭司は保健室に戻っていた。目の前には、不思議そうな顔をした希衣佳。……ゴア結界の基本は、助かったと希望を持たせてから一気に叩き落すことだと知っている俺に油断は無い。今のは、自分一人が見た幻覚なのか。白昼夢なのか。「そんなこと無いヨ!そんなこと無いサ!」ゴアが突如出現し、希衣佳に襲い掛かる。恭司は希衣佳の腕を引き寄せ……気付くと教室にいた。授業中の教室。黒板の前には、ゴアに囚われた希衣佳の姿があった。「いやぁぁぁ!たすけ……助けて、恭司君!」怯える希衣佳を、ゴアは頭から噛み砕いた。ゴリゴリ。グチャグチャ。…………耐えろ、耐えろ俺。これは幻だ。「ふふふっ。ぱっくんぱっくん。ゴアおいしい?」「ごちそうさまでしタ。美味しくしてくれてありがト、さんきゅー。だんけしぇーン。すぱしーボ!」ゴアが笑っている。ユカも笑っている。恭司も笑った。恭司の絶叫。それと共に、歪む世界。恭司は保健室に居た。うおああああ!!よかったあああああ!!マジでバッドエンドかと思った!!保健室で、錯乱して叫び続ける恭司。養護教員は、酷い混乱状態の恭司を警察に預けた。……。…あれ、希衣佳は?希衣佳はいないの?…………。おい。嘘だろ、嘘……。嘘……。希衣佳を返してくれ、希衣佳を……。……ぉ?恭司は闇子さんに引き取られ、自宅に戻る。事情を聞いた彼女は、一つの仮説を出した。「恭ちゃんがぁ、何らかの手段を使ってぇ、幻覚を見せられた、って方がリアルよねえ」…いや、ゴア結界は幻覚というよりも異世界だから、人が殺されることも平気で有り得るんですけど…。「――そうだ、ペンダント。俺、あの直前に、希衣佳にペンダントを渡そうとしてたんだ」……お?希衣佳はペンダントを持っている……?「落ち着いたら、今日のところは寝なさいねぇ。明日から、希衣佳ちゃんを捜さないと、でしょ?」……。はぁ……。何だか、まだ大丈夫みたいだな…。恐怖に中てられて混乱してしまった。どうやら勝負はここからだ。落ち着け、素数を数えろ1,2,3,4……。恭司の夢に出てくるユカ。「――これで、追いかけてくれるでしょ?」「恭司はずうっと、私を憎んでくれるでしょ?」化け物が…。お前は由規と、由規の妻を殺した。何より俺にここまでの心痛を与えたお前は絶対に許さん。恭司に拒絶されたユカは、悲しげな表情で去っていった。……それでも、許さない。頭が痛い……。【十六日目】希衣佳を捜すと言っても、現状では手掛かりすらない。駄目元で、希衣佳に電話を掛ける。「きゃあああああああああああああア!!!!!」希衣佳の悲鳴が聞こえた。……本当に希衣佳、かどうかわからない。語尾が怪しいように見える…。続けて貞島から電話が入る。貞島は、まるで希衣佳を捕らえているかのような口振りだ。「来るんなら、一人で来いヨ。いいか、必ず一人でだゼ?」…この貞島は、偽物で間違いない。慌てて「希衣佳」を助けに行こうとする恭司を、闇子が呼び止める。「そのゴアとかいうやつと関係のありそうな人が見つかったんだけど……」どっちに行くべきか、迷う恭司。……ペンダントがあるなら、本物の希衣佳は大丈夫だろう。これは罠だ。ニア やっぱりゴアは許せねえ闇子と一緒に、隣町の精神病院へ。そこでは、プロローグに出てきた薄襦袢の女が待っていた。名前を真白というらしい。「貴方はここにいるべきではない。いいえ来なくてはいけないの。その方が素敵。その方が刺激的。でも来てはいけなかった」何を言ってるのかわからないが…。……「来てはいけなかった」?「どこか行かなきゃいけない場所があったりしない?ここに来る前にぃ、行こうと思っていた場所とかぁ……」…あれ、嫌な汗が。恭司は学校に向かった。……。…………。希衣佳は汚物と臓物をぶち撒いて死んだ。「あいつと同じ死に様ね、フフ、同じ顔同士いい気味」「食べちゃってもいいかナ?これ以上壊れるト、ちょっと勿体ないしィィ?」ここにもうすぐ、恭司がやってくるだろう。恭司はどう思うだろうか?由規のときのように、吐いたり、怒り狂ったり、自分を憎んだりしてくれるのだろうか。もうすぐ、恭司と一緒になれる。もうすぐ。ユカは自分の楽しい想像に、いつまでもクスクスと笑い続けた。BAD END……。ユカ、殺してやる。希衣佳と同じ目に遭わせてやる。惨い、あまりに凄惨で、吐き気が。ユカが、汚物と、臓物にまみれて死ぬところが見たい。ユカが憎い。可愛い希衣佳を無惨に殺した、あの悪魔…。