『蟲使い』。蟲くんの半分は触手で出来ています。
『蟲使い』 フライ級 コンプリート完了。改めて眺めてみると、それなりに良く纏まったストーリーなんじゃないかと思わなくもないが…。「蟲使い」という歪な存在と、彼らの技術利用を企む企業との権謀術数渦巻く重厚な……、とはならず、愛に飢えた少年を、芯の強い少女が包み込むように愛そうとするシンプルな物語だと捉える方が妥当だろう。ストーリーに関する全ての要素が最低限にしか出されておらず、無駄が無い。レン、美弥香、美弥香パパ、煉獄の間で、各人の因縁が綺麗に循環し切っている。逆に言えばヒネリが無くて非常に物足りない。構成が直線的かつ簡潔で、もはや「爽やか」と言ってもいい。デッドエンドも殆ど用意されていないので、緊張感やダークな雰囲気は望めない。何故か知らないが、最後辺りの展開と言い、所々で少年漫画的なノリが見られるんだよな…。そういうノリ自体は個人的に嫌いじゃないが、作品の方向性とのチグハグ感だけは多少気になった。濡れ場については、今回も「拷問系」が殆ど。だが相対的に温い。『EXTRAVAGANZA』は食事をしながら出来るゲームではなかったが、『蟲使い』ならプレイ中に余裕でステーキが食える。「最後に女の子を殺さない」というだけで心の安定がまるで違うことに気付かされた。一部例外もあるが、その場合でも描写は直接的ではないので…。まぁそこそこ良心的と言っていい……はず、きっと。戦闘は殆ど運任せ。戦略を探る余地は皆無なので、常に最適解を繰り返しつつ神に祈りながらセーブ&ロード。具体的に言えば、綾菜のバリア&ヒュプノスのコンボと、煉獄のアドレナリンは詰む。使われたら即ロード推奨。戦闘よりも、全CGコンプリートの条件が分かり難いのでそっちの方に注意が必要だろう。「その他」枠が埋まらない場合は、護衛七人全員を触手責めにして倒せばいい。世にも奇怪な七人連結が見られる。超しゅーる。この絵で性的興奮を催せる人間がこの世に居るのか気になる所だ。最後になるが、やっぱり単体のゲームとしては物足りない印象が強い。が、今作は『EXTRAVAGANZA』の前作ということで、色々とニヤニヤできたので満足かな。これにて、一ヶ月に及ぶグロゲー四天王との闘いも終わりを迎えたことになる。長かった……本当に長かった。