秘密基地

2010/01/05(火)16:59

はまさん

事故入院の頃(6)

事故入院の前半の部屋は、 私以外は60歳~85歳位までの8人部屋でした。 その年は春先に大雪が降り、皆さま足を滑らせての骨折でした。 一番奥の窓際の「はまさん(当時推定80歳)」は 歩行リハビリをしている退院間際のお婆さんでしたが、 いつも絵本を読んでるだけで、ご飯も食べさせてもらうような状態。 そして、一言もしゃべった事がありません。 いつも「あーうー」とだけ言って、よだれを垂らしています。 歩けないから、当然排泄看護も必要。食事も要介護。 何を話しかけても、反応なく同じ絵本を読んで(見て)ます。 (多分ページをめくってた事もなかったはず) 歩行リハビリに行く時も、車イスに乗せられて行きます。 本人に歩く意思皆無なので、イスに移動させるのも一苦労。 お医者さまも看護婦さんたちも手を焼いてる感じでした。 殆どお見舞い客を見た事がありませんでしたが、 ある日、息子夫婦らしき人たち(多分)がやってきました。 そして、ご本人を囲むようにして、 「こんな状態で退院させられても困ります」と声高に話しだしたのです。 病院側は、骨はもうついてるから退院してくれ。と言い、 息子夫婦(らしき)側は困ると言い。平行線の話し合いを繰り返してます。 病院ではこれ以上預かるわけにいかないので、 受け入れ先を探す、ということで話し合いは一応決着しましたが、 息子(らしき人)の言葉の数々に私の心はめちゃめちゃ凹みました。 いくら本人が何もわからないとはいえ、目の前で「厄介者」発言。 その夜の消灯後。 真っ暗になってしばらーーーーーーーーーーーーくしてから。 暗闇の中で誰かが言いました。 「年はとりたくないねー」 すると次の声が 「最後はポックリと行きたいねー」 しばらく暗闇の中でお婆ちゃんたちはしゃべってました。 みんなショックで眠れなかったのね。 今の私ならもう少し気の効いた台詞が出せただろうけど……… 20歳を超えたばかりの私は、布団の中で小さくなって泣いてました。 そんなある日!!! (期待しないでね、明るい「オチ」ではないからさ) つづく    この事件は私の現在を形成する上で欠かせない話。 ……と、もったいぶってみる。 二つポチってして頂けるととても嬉しいです。 いつも本当にありがとうございます。

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