五感で味わう和歌
ほととぎす 鳴きつるかたを眺むれば ただ有明の 月ぞのこれる (百人一首) ほととぎすは多くの和歌に詠まれ、夏を告げる鳥としてその初音を聞くために 一晩中起きて耳を済ますほど、平安時代の人々に愛された鳥でした。 この歌は、ほととぎすの声が聞こえたので その姿を見ようと探した(鳴きつるかたを眺む)けれど、 すでに姿はなく見えるのは有明の月だけだった・・というものです。 初音を聞いた喜びと、振り返った瞬間の視線の動きまで想像できそうです。 そして、鳴き声(聴覚)のあとに残るしみじみとした余韻・・ ほのぼのと明けゆく、清々しい朝の始まりまで予感させてくれませんでしょうか。 写真は京都御苑です。 この歌をアップしたいために、今までホトトギス特集を組んできました~。