1084621 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

伊奈利短歌 ツイ短歌 小説…伏見稲荷大社の物語 小説西寺物語 小説盆栽物語 小説鯖街道 小説老人と性 音川伊奈利

伊奈利短歌 ツイ短歌 小説…伏見稲荷大社の物語 小説西寺物語 小説盆栽物語 小説鯖街道 小説老人と性 音川伊奈利

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

音川伊奈利

音川伊奈利

カレンダー

お気に入りブログ

ハニーブログ ・・☆まりあ☆・・さん

コメント新着

フリーページ

ニューストピックス

2019年12月13日
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
​​​​祝・アクセス60万回突破…読者の皆様ありがとうございました。​

​小説盆栽物語 2話 宗景造園業に弟子入りで盆景和尚となる​

 空海と宗景は青龍寺境内の盆景市を見て歩くが、空海は中国独特の山河の風景を模した大振りの盆景に足を止めては造園業者に熱心に身振り手振りの中国語で説明を求めていた。空海のこの時の衣装は赴任2日目で朝から青龍寺の大僧正に挨拶するための正装で見るも鮮やかな緋色の法衣だった。この緋色の法衣は唐でも最高位が身に着ける法衣でもあり、この有難い姿を一目見て拝みたいたいという市民に囲まれて空海は唐の人達が仏教や僧侶を心から信頼していると日本との違いを感じていた。

 一方の宗景は空海とは違った小振りの盆庭風で樹齢10年ほどの春に花が咲く梅や山桜の盆景に足を止めでいた。盆景にも樹木の違いの他にも盆山、盆庭、盆石などがあるというのが盆景の素人の宗景にもなんとなくわかってきたが、数千鉢はあろうかと思う各盆景には価格はどこにも書いていなかった。たとえば銭50文と記してあれば40文にまけてと言えるが、また他の店との比較もできる。

 宗景は試しに気に入った柑橘系の葉っぱで中ぐらいの大きさの盆景を指さして造園業の親方らしき者に、
「これはいくらですか?」
「お坊さん、さすがお目が高い、これは樹齢20年物の果林です。そろそろ花が咲いて秋には30ぐらいの実が成ります」
「ほう、それは素晴らしい~それでおいくらですか?」
「お坊さんのことですから銭一貫(1000文)に大まけします」
「そか、それは安いが、生憎法事の帰りでそのような大金はもちあわせてはいない」

 とは言っても宗景にはそれが本当に大まけされたのか、ボッタクリされたのかは判断する知識がなかった。さらに数軒の出店で気に入った盆景をみつけては値段を聞くが、どれもが銭1000文前後で業者が示し合わせているのかと疑っていた。こうして宗景が冷やかしともとれる行動にでたのは空海から預かった銀4枚で平安京に持ち帰る盆景を50鉢を買うが、それをそのまま全額使えば宗景には銭の1枚も残らない。たとえば銀2枚で済めば宗景には銭2枚もの大金が報酬となる計算になる。そのためには造園業者に負けないほどの盆景への目利きと栽培技術を学ばなければならないと本気で決意を固めていた。

 さらに宗景が感心したのはこの青龍寺境内の盆景市に訪れる市民のすべてが青龍寺にまずはお参りしてから市を観るというが、そうなればお賽銭やお布施が寺に入る仕組みだった。人が集まれば盆景ばかりか古着や乾物の店が出るという仕組みになるが、これらは宗景だけでなく同行している空海も同じことを考えていた。

 その夜、宗景は空海の部屋で僧侶専門の健康飲料の般若湯を飲んでいた。これは湯という漢字の通り米など穀物が原料で酒と同じ醸造方式の中国式スープになるが厳しい戒律上酒とは絶対に呼ばないが酒と同じ酔い方をする。空海は、
「長安の人口は100万になるが、平安京は15万しかいない。それに唐の都から一番近い港からここまで1500キロもあるので外国の軍隊も都には攻められない」
「日本の都って15万しかいないのですか?。私の寺がある明州は地方都市だが20万になります」
「それだけではない、京の都まで日本海であれ太平洋であれ外国の敵が上陸すれば都まで40キロほどで一日でその日の内に都は陥落する」
「そんな弱い国ですか~日本は?」
「そうだ、だから唐の国に日本中から集めた宝物など貢物を持って唐の皇帝にご機嫌をとっている外交をしている」

 空海と宗景は気が合うのかウマが合うのか、連日連夜空海の部屋で般若湯を飲んでいた。そんな折、空海は宗景に日本に来ないかと誘っていた。空海が言うには、
「平安京に建立中の国営寺院の東寺の官主に内定しているが、その東寺を青龍寺のような市が立つ寺にしたいが、その役目をしてほしい」
「市…盆景市ですか…でも私は盆景のことは…」
「だから、私が日本に帰る日まで1年半もあるが、盆景の修業をしてほしい。それに東寺南大門の目の前にある九常寺の住職をしてもらう」

 この話しが二人の間に成立して青龍寺御用達の造園業の親方雅山に宗景は弟子入りしていた。宗景は西明寺の朝のお勤めをしてから毎日造園業に通う宗景のことを市民らはいつのまにか「盆景和尚」と呼んでいた。月のほとんどは盆景作りだが、毎月15日の盆景市では盆景を売る掛け引きなど商売まで修業していた。

 僧侶の修業といえば山に籠もり荒行をするというのが日本流になるが、この当時の唐の国では「民衆を救う」というのが仏教の根本になっている。大都市では稲の品種改良から病気の予防、農業用水路の土木工事、街道の整備、医学、医薬、気象学までの学者や専門家は数多くいるが、広大な国土と5000万人を超える人口では地方まではそれらの技術や学問が届かない。飢餓になって国民が苦しみ餓死者が出ても寺や僧侶はただ仏像を拝むだけの中国仏教ではなかった。

 その僧侶の修業とは都会に出てそれらの学問や技術を勉強、習得して地方に持ち帰ることになる。宗景が長安で造園業の技術を習得して明州に持ち帰るということは、やがて明州で盆景が栽培されて人材も育つという中国仏教の仕組みとなっていた。つまり、本来は政府や行政がしなければならないことを僧侶に託しているからこそ修業目的が明州の長官に認められれば旅費や滞在費が公費から出ることになる。

 この宗景も長安の長官に盆景の修業1年半の修業が認められて費用の全額をもらっていたが、これより先に明州からも2年間の修業費用をもらっていた、さらに空海からも金をもらっていたので宗景は二重、三重の悪くいえば悪知恵、良くいえば熱心な修業僧だった。

新連載小説をはじめました。​​​​
小説盆栽物語 1話 空海唐から盆栽50鉢持ち帰りへ​​

​​​小説西寺物語 1話 守敏と空海の因縁の争い・西寺跡発掘調査・女装小説家 オカマのイナコ​​
​小説西寺物語 2話 九条葱が西寺を救った​​
小説西寺物語  3話 守敏、芹と葱で大僧正に!​
​​​​小説西寺物語 4話 稲荷神社のお告げで長岡京遷都決定​
小説西寺物語 5話 寺と村落ぐるみ乗っ取り大作戦​​
小説西寺物語 6話 東大寺権操、守敏長岡京へ抗議の旅​​
小説西寺物語 7話 東大寺僧兵300名稲荷神社と戦へ

​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​星おかげさまで、この「伏見稲荷大社の物語」が大ヒット中で連日100ほどのアクセスで読まれています。さらに100話まで書く予定です。​​​​​​​​​​​​​​​​​​
星無料の電子書籍…お笑い歴史コラム…「伏見稲荷大社の物語」~85話まで書けています。目次機能で好きなタイトルを探してゆっくりお読みください。

ハートこのコラムが少しでもおもしろかったら↓↓↓の画像をワンクリックしてください。ブログランキングに参加しています。現在5~7位どす。。。あなたの愛のワンタップが私に生きる勇気を与えてくれます。1位まではあと少し…よろしくおねがいいたします。


小説家ランキング

…完全無料の大人気の電子書籍…ダウンロードしてゆっくり完読してください。

★…​歴史コミック小説「伏見稲荷大社の物語」~84話のすべてが3分がで読めるお笑いの読み切りになっています。完読者2万人の大ヒット作になる。

http://p.booklog.jp/book/108339/read

★…長編小説「トラック3姉妹・ダンプ姉ちゃん理恵」…31話・運輸・建設の職場には賃金の男女差別はなく高賃金でもう男なんどに頼らなくても子育てできる運輸業界、建設業界を確立した理恵社長の物語。女性に大人気の小説になっています。
http://p.booklog.jp/book/103886/read

★…「働く女性たち 駆け込み寺居酒屋ポン吉」 1話2分で読める、51話まで書けている、少しHだが女性に大人気。目次機能がありますから好きなタイトルを探して読んでください。
http://p.booklog.jp/book/103226/read

★…中編小説「天使の恋~美幸…明美…真弓…梨香…美雪…早苗…香奈~7名の恋の物語」…すべて京都のタクシードライバーが主役になっている少しHな若い女性のドラマ、女性に大人気で静かなヒット作になっている。二つの書籍から
http://p.booklog.jp/book/18492/read

​​★…天使の恋~美雪、早苗、香奈…3人の恋の物語も大人気
http://p.booklog.jp/book


​​​無料の電子書籍…一覧表…約20冊の電子書籍でこれまでアクセスは100万回を突破しています。「お気に入り」にしてゆっくりお読みください。ダウンロードも無料です。​​​
http://p.booklog.jp/users/sakura64






​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2019年12月13日 07時52分12秒
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.