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小説西寺物語 14話 皇太子の不倫…人妻・薬子の変
806年3月3日に桓武天皇の生前葬儀及び「桃の花を見る会」が開催されて貴族と農民ら5000名が酒と茶のふるまいで大いに盛り上った後の3月の10日ごろから長年の激務の過労で天皇は寝込まれてしまった。それが天皇の余命一ヶ月との噂が宮中を駆け回った。その噂は比叡山や稲荷神社、それに奈良仏教にも届いていた。 これを喜んだのが奈良仏教で次期の天皇には桓武天皇の第一皇子の安徳親王と決まっていたが、この安徳親王は父親の天皇の長岡京遷都、平安京遷都には大反対していた。それを支持していたのが奈良仏教と奈良系の貴族で桓武天皇亡き後は再び奈良に都を遷都するという意味で安徳親王自分自身で第51代天皇の名前は「平城天皇」(へいぜい)と決めていた。 奈良仏教はいずれ必ず訪れるこの日のために元平城京の宮殿や皇族、公家の屋敷をそのまま保存管理していた。つまり、天皇の身一つあれば明日にでも平城京遷都が誕生することになるが、まだ天皇は生きている。そこで奈良仏教は「桓武天皇御病気治癒大法要」を開催すると発表していた。しかし、それは表向きの大法要で実態は金集めの手段で奈良仏教七大寺院の末寺2500ヶ寺に大法要寄付としての金額を押し付け、末寺は農民から集金するということになっていた。 いやいや、これだけではなくもし天皇が崩御されたらまた大法要が行われ同じ手段で金集めするのは奈良仏教の幹部だった守敏僧都も明正も知り尽くしていた。やはりその通りで奈良仏教から5月5日大安寺で「桓武天皇御病気治癒大法要」を開催するから守敏僧都及び明正、それに奈良仏教塔頭建立僧侶350名にも参加するようにと要請があった。 守敏僧都と明正はまだ完成していない西寺講堂に塔頭建立のために派遣されている350名の僧侶全員を集めて明正は、 「大安寺で桓武天皇のご病気治癒のための大法要が5月5日に行われるが、守敏僧都は多忙を理由に欠席されます。私も奈良仏教塔頭30ヶ寺の建造が忙しくて出席ができませんが、この中の皆様が参加されるのは自由ですから是非参加して下さい」 といって講堂の350名の僧侶にいうが、誰も意見をいう僧侶はいなかった。さらに、 「それぞれが所属している各本山から西寺塔頭の代表僧侶に大法要への参加の要請や命令があればそれぞれが判断していただき私や守敏僧都になんら相談も許可も報告も入りません」 これは官営西寺は西寺境内の塔頭建立の土地は貸し与えているが、それぞれの自治権には介入しないといい原則があったからだ、これをこの場で表面したのは一つの塔頭建造には10名~15名の僧侶が参加しており8寺院の塔頭を建立する東大寺の僧侶は106名にもなっていた。この106名の中には守敏僧都や明正の一言一言を漏らさず東大寺に報告する役目の僧侶も当然ながら存在していたからだ。 この桓武天皇の余命一ヶ月とする噂を奈良仏教に吹聴したのは誰になるかの噂がまた宮中に広がっていた。たしかに天皇は寝込んではいるが、奈良仏教が資金集めの大法要をするほどではないと朝廷は火消しにやっきだった。そしてその犯人は奈良仏教系の貴族で中納言藤原縄主の妻薬子の弟の藤原忠成だとわかった。 この忠成を問い詰めるとこの情報は東大寺の僧侶の行心に伝えたと白状していた。この行心とは西寺での東大寺塔頭八寺院建立の責任者でいずれ筆頭塔頭の住職になることが内定していた。その行心を源光寺に呼び守敏僧都と明正で尋問していた。行心は、 「たしかに私は忠成さまから桓武天皇が危篤と聞いてそれをそのまま東大寺に手紙で伝えましたが、それが…何か?」 そこで守敏が、 「忠成さまとはどこで知り合った?」 「それは一条御前にある忠成さまのお屋敷になります。それより前に忠成さまの姉君の薬子さまが建造中の塔頭を視察なさって私が住職になったら御本尊の仏像を寄進されると約束されました」 この薬子とは中納言藤原縄主の妻になるが、この縄主こそが奈良仏教派の最高官位の公家になっていた。 そこで守敏はなぜ薬子さまのお屋敷ではなく薬子の弟のお屋敷に行ったのか? 「そ、それは…言えません」 「そか、それなら今すぐこの官営西寺の敷地から出て行ってもらいます」 「あの~実は忠成さまのお屋敷で薬子さまを抱いてしまいました。それも3日に一回、もうそれで五回はお屋敷に呼ばれています」 「おぃおぃ、行心…薬子さまといえばもう40過ぎの厚化粧のおばさんではないのか?」 「はい…それでもし薬子さまに私の子供が出来たら私を東大寺の貫主にすると約束していただきました」 この行心の話しを要約するとこの薬子の娘が安徳親王の妾だが、なかなか子供ができないので薬子は親王にどんな女性がお好みですかと聞くと親王は若い女性より年増の人妻が好みと答えたので親王と薬子はその日に不倫をしていたという。ところが薬子もなかなか妊娠をしないので行心が種馬になったという。 薬子にすれば次期の天皇になるのが間違いない安殿親王との不倫は火遊びというより出世の糸口になるばかりか子供ができれば皇太子の母、いずれ天皇の母にもなれる可能性があったからだ。そして正妻が何かの事故で亡くなったら…つまり、そうなればファストレディーの道もある、その道をひたすら歩み安殿親王の公の愛妾の自分の娘も敵にしていた。もし、この娘に男の子でも産まれれば不倫相手の子供より皇太子になる確率が高いと思ったのかその娘まで宮中から追い出していた。 ★★★★★新連載小説をはじめました。 小説盆栽物語 1話 空海唐から盆栽50鉢持ち帰りへ 小説盆栽物語 2話 宗景造園業に弟子入りで盆景和尚となる 小説盆栽物語 3話 盆景(盆栽)のルーツ、雅山少年が発見 小説盆栽物語 4話 宗景、玉林の禁断の恋から若者たちが盆景を爆買い 小説盆栽物語 5話 玉林、宗景皇帝に祝福され結婚…豆盆栽 小説盆栽物語 6話 日本茶のルーツは武夷岩茶の盆景になる 小説盆栽物語 7 話 椿の盆景が明懸尼寺を再興させた 小説盆栽物語 8話 玉林(ユーリン)に赤ちゃんが! 桓武天皇崩御 ★★★ 小説西寺物語 1話 守敏と空海の因縁の争い・西寺跡発掘調査・女装小説家 オカマのイナコ 小説西寺物語 2話 九条葱が西寺を救った 小説西寺物語 3話 守敏、芹と葱で大僧正に! 小説西寺物語 4話 稲荷神社のお告げで長岡京遷都決定 小説西寺物語 5話 寺と村落ぐるみ乗っ取り大作戦 小説西寺物語 6話 東大寺権操、守敏長岡京へ抗議の旅 小説西寺物語 7話 東大寺僧兵300名稲荷神社と戦へ 小説西寺物語 8話 農民稲荷神社炎上を救う 小説西寺物語 9話 守敏僧都、都を代表する名僧に! 小説西寺物語 10話 最澄、空海唐へ、守敏奈良仏教から破門 小説西寺物語 11話 僧侶不足で奈良から僧侶引抜き大作戦 小説西寺物語 12話 神野親王武家源氏を旗上げ 小説西寺物語 13話 巨大権力(奈良仏教)には経済封鎖を おかげさまで、この「伏見稲荷大社の物語」が大ヒット中で連日100ほどのアクセスで読まれています。さらに100話まで書く予定です。 無料の電子書籍…お笑い歴史コラム…「伏見稲荷大社の物語」~85話まで書けています。目次機能で好きなタイトルを探してゆっくりお読みください。 このコラムが少しでもおもしろかったら↓↓↓の画像をワンクリックしてください。ブログランキングに参加しています。現在5~7位どす。。。あなたの愛のワンタップが私に生きる勇気を与えてくれます。1位まではあと少し…よろしくおねがいいたします。 小説家ランキング ★★★…完全無料の大人気の電子書籍…ダウンロードしてゆっくり完読してください。 http://p.booklog.jp/book/108339/read ★…長編小説「トラック3姉妹・ダンプ姉ちゃん理恵」…31話・運輸・建設の職場には賃金の男女差別はなく高賃金でもう男なんどに頼らなくても子育てできる運輸業界、建設業界を確立した理恵社長の物語。女性に大人気の小説になっています。 ★…「働く女性たち 駆け込み寺居酒屋ポン吉」 1話2分で読める、51話まで書けている、少しHだが女性に大人気。目次機能がありますから好きなタイトルを探して読んでください。 ★…中編小説「天使の恋~美幸…明美…真弓…梨香…美雪…早苗…香奈~7名の恋の物語」…すべて京都のタクシードライバーが主役になっている少しHな若い女性のドラマ、女性に大人気で静かなヒット作になっている。二つの書籍から ★…天使の恋~美雪、早苗、香奈…3人の恋の物語も大人気 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年01月27日 09時08分07秒
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