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小説西寺物語 15話 平安時代の美魔女薬子の野望
守敏僧都は行心から聞いた話しを書面にして宮中の正四位藤原信数を通じて桓武天皇に読んでもらうと天皇は病気で寝ていたが、信数に次のことを命令していた。一、中納言従三位は藤原縄主は従七位に格下げの上九州太宰府の長官(県知事)に左遷、ニ、藤原薬子を官位剥奪の上丹後間人に幽閉、三、弟の藤原仲成は官位剥奪の上佐渡ヶ島に島流しをする。 この天皇の命令には反論の機会も与えられず命令発布後1日以内に京の都から出発しなければさらに厳しい刑罰が待っていた。これら3名がまったく違う方向の地方に飛ばされたのはまた再び連絡を取り合い謀反を計画しないための判断から命令を下された。この3名が出発したのが806年4月1日で桓武天皇が崩御されたのがその8日後の4月9日だったが、もしこの事件の発覚がその後だったら天皇はこの命令を下していなかったので奈良仏教の天下になっていたかも分からない。 桓武天皇の葬儀には奈良仏教からも七大寺院の貫主がそれぞれお供の僧侶20名を引き連れて参列しょうとしたが、誰も宮中には入れなかった。それは奈良仏教の貫主のすべてが官位を授与されていなかったからだ、官位のある比叡山の最澄と空海は唐国に留学中で官位のある比叡山の僧侶は比叡山から修業のために下山は出来ない。そこで朝廷は従六位の守敏僧都を日本国を代表する僧侶として葬儀の読経を任していた。 この葬儀への奈良仏教の参列を事実上拒否したこの采配に腹を立てた次期天皇の安徳親王は葬儀の責任者の大納言藤原縄和に抗議をするが、縄和は、 「安徳親王さまが即位される6月9日までは桓武天皇の遺言通りに事を進めます。そもそも今回の薬子さまの件では奈良仏教が背後にいることは親王さまもご存知のはず」 「しかし、我が国の伝統ある奈良仏教を天皇の葬儀に参列させないのは国の威信に関わる」 「いえ、守敏僧都は奈良仏教を代表して参列されています。これも亡き天皇の遺言にあります」 「いやいや、奈良仏教は守敏僧都を代表と認めていない」 「それは奈良仏教内部の揉めごとで朝廷にはまったく関係がありません」 さらに大納言藤原縄和は安徳親王に、 「親王さまが平城天皇に即位されると同時に将軍従正二位源神野さまが平城天皇の皇太子になります」 「なに!神野親王は武将になったはずだが?」 「はい、これも桓武天皇のご遺言になります」 この安徳親王の正妻には子供が授からず愛妾については子供は授かるが、すべて姫君だった。つまり、この親王の男の子を産めば誰でも皇太子の母になれていずれ天皇の母にもなれた。これを実践したのが薬子になる。しかし、これが成功しなかったために天皇に一番血が濃い弟の神野親王が皇太子になったのは当然になる。 この神野親王は兄の安徳親王の腹違いの弟だが、どうせ兄が天皇になるので神野は武将になろうと攘夷大将軍坂上田村麻呂の部下になり将軍源神野として源氏姓の武家を旗上げしていた。大将軍の坂上田村麻呂は左大臣も努めていたのでこの将軍源神野が事実上の日本国官軍の武将3000名騎馬300頭の総指揮官になっていた。ただ、この将軍は肩書や名誉職ではなく武術はもちろん馬術は将軍源神野に勝てる武将はいなかった。 さらに日本国国民の成人男性のすべての徴兵権も将軍神野が持っていた。これは外国の軍隊が日本に攻めて来た場合は農民らに徴兵の命令ができるのだが、平安京時代は一度も発令はされていない。この日本の国の軍隊が3000名と少ない気がするが、この徴兵制度があるので心配はなかった。(戦国時代に光秀軍1万3000名の軍勢とかいうが、この場合でも武将(家臣)は一割程度と少なくほとんどが農民の徴兵だった) 806年6月9日に第51代平城天皇の即位式が執り行われていた。その平城天皇の最初の仕事は丹後の間人で幽閉されていた薬子の官位を復活させていた。弟の忠成、薬子の夫の縄主もそれぞれ元の官位を復活させて元の屋敷に住むことを許されていた。その20日後には縄主の屋敷で奈良仏教系貴族23名、奈良仏教の幹部14名で平城京への復活第一歩記念大宴会が開催されていた。一方の薬子は平城天皇との夜の儀式を誰の目も気にしないで連日のように繰り広げられていた。 これは薬子にとっては思いがけない大逆転で夫のいる身ながら、宮中公認の天皇の愛妾という立場を手に入れていた。当然ながら薬子の目的は平城天皇の子供を授かることだから薬子の夜の奉仕はそれはそれは激しいものだろうと宮中の官女、侍女たちはこの噂で大いに盛り上っていた。ただ、薬子は平城天皇は病弱で種付け能力は弱いと判断する一方で自分が妊娠しないのは年増の私のせいでは無いと信じていた。そこで娘婿の若い藤原紀良を薬子独特の色気で誘惑して天皇の子を産む作業も忘れなかった。(この薬子は今でいう平安時代の美魔女になる) この薬子から官営西寺の建造進捗状況を視察したいと守敏僧都に申し入れがあった。なにせこの薬子さまは中納言藤原縄主さまの妻で平城天皇の愛妾で官位も従四位で従六位の守敏僧都では顔を上げてまともに話せる立場ではなかった。その薬子を源光寺の門前で迎え仏間に案内した守敏僧都に薬子は、 「平城天皇は従六位守敏僧都の官位を剥奪されました。そして奈良仏教六宗派七大寺院の代表大安寺の道慈貫主に従七位の位と官営西寺東寺の総造寺司に任命されました。したがって守敏僧都はただちにこの寺から退却してほしい」 「官位剥奪の件と官営西寺東寺総造司解任の件は了承しました。ただこの源光寺は将軍源神野さまから源氏の菩提寺として住職の私に任命されたもので将軍源神野さまからの命令がなければ私の自由にはなりません」 「なにをいっている神野親王さまは皇太子になられた」 「いえ、将軍は神野親王さまの末弟の源融(光源氏)さまがなられて武家の源氏さまの菩提寺にはなんら変わりはありません」 「守敏、私の命令に逆らうということは死刑も覚悟の上か?」 「はい…」 この日の夜、京の都は大嵐(台風)に見舞われた。公家や貴族の屋敷にカミナリが落ち、元々板張りだった屋敷は吹き飛び雨戸が一枚外れるとそこから風が入りすべての屋根や雨戸が吹き飛ばされていた。幸いこの大嵐しの被害は頑丈な西寺東寺にはなかったが、公家、貴族の屋敷からは西寺東寺で働いている約2000名の宮大工に屋敷の修繕の依頼が殺到していた。 ★★★★★新連載小説をはじめました。 小説盆栽物語 1話 空海唐から盆栽50鉢持ち帰りへ 小説盆栽物語 2話 宗景造園業に弟子入りで盆景和尚となる 小説盆栽物語 3話 盆景(盆栽)のルーツ、雅山少年が発見 小説盆栽物語 4話 宗景、玉林の禁断の恋から若者たちが盆景を爆買い 小説盆栽物語 5話 玉林、宗景皇帝に祝福され結婚…豆盆栽 小説盆栽物語 6話 日本茶のルーツは武夷岩茶の盆景になる 小説盆栽物語 7 話 椿の盆景が明懸尼寺を再興させた 小説盆栽物語 8話 玉林(ユーリン)に赤ちゃんが! 桓武天皇崩御 小説盆栽物語 9話 空海屁理屈禅問答で盆栽は戦争をなくす ★★★ 小説西寺物語 1話 守敏と空海の因縁の争い・西寺跡発掘調査・女装小説家 オカマのイナコ 小説西寺物語 2話 九条葱が西寺を救った 小説西寺物語 3話 守敏、芹と葱で大僧正に! 小説西寺物語 4話 稲荷神社のお告げで長岡京遷都決定 小説西寺物語 5話 寺と村落ぐるみ乗っ取り大作戦 小説西寺物語 6話 東大寺権操、守敏長岡京へ抗議の旅 小説西寺物語 7話 東大寺僧兵300名稲荷神社と戦へ 小説西寺物語 8話 農民稲荷神社炎上を救う 小説西寺物語 9話 守敏僧都、都を代表する名僧に! 小説西寺物語 10話 最澄、空海唐へ、守敏奈良仏教から破門 小説西寺物語 11話 僧侶不足で奈良から僧侶引抜き大作戦 小説西寺物語 12話 神野親王武家源氏を旗上げ 小説西寺物語 13話 巨大権力(奈良仏教)には経済封鎖を 小説西寺物語 14話 皇太子の不倫…人妻・薬子の変 おかげさまで、この「伏見稲荷大社の物語」が大ヒット中で連日100ほどのアクセスで読まれています。さらに100話まで書く予定です。 無料の電子書籍…お笑い歴史コラム…「伏見稲荷大社の物語」~85話まで書けています。目次機能で好きなタイトルを探してゆっくりお読みください。 このコラムが少しでもおもしろかったら↓↓↓の画像をワンクリックしてください。ブログランキングに参加しています。現在5~7位どす。。。あなたの愛のワンタップが私に生きる勇気を与えてくれます。1位まではあと少し…よろしくおねがいいたします。 小説家ランキング ★★★…完全無料の大人気の電子書籍…ダウンロードしてゆっくり完読してください。 http://p.booklog.jp/book/108339/read ★…長編小説「トラック3姉妹・ダンプ姉ちゃん理恵」…31話・運輸・建設の職場には賃金の男女差別はなく高賃金でもう男なんどに頼らなくても子育てできる運輸業界、建設業界を確立した理恵社長の物語。女性に大人気の小説になっています。 ★…「働く女性たち 駆け込み寺居酒屋ポン吉」 1話2分で読める、51話まで書けている、少しHだが女性に大人気。目次機能がありますから好きなタイトルを探して読んでください。 ★…中編小説「天使の恋~美幸…明美…真弓…梨香…美雪…早苗…香奈~7名の恋の物語」…すべて京都のタクシードライバーが主役になっている少しHな若い女性のドラマ、女性に大人気で静かなヒット作になっている。二つの書籍から ★…天使の恋~美雪、早苗、香奈…3人の恋の物語も大人気 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年02月03日 08時58分08秒
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