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伊奈利短歌 ツイ短歌 小説…伏見稲荷大社の物語 小説西寺物語 小説盆栽物語 小説鯖街道 小説老人と性 音川伊奈利

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2020年09月07日
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​​​​​​​小説西寺物語 41話 空海都へ、真言宗本山高雄神護寺で再出発・痴呆症物語​

 812年11月10日、空海は高野山麓の行願寺から弟子25名とともに京の都の高雄山に向かった。大和国から大和街道を稲荷神社の前に着くころには空海が最澄からの破門を許されて嵯峨天皇から高雄山寺の再興を任されたという噂は日本中に流布されてそれを聞いた弟子らが空海の高雄山入りの行列に参加してきた。弟子らは空海からの命令である「京の都で修行しなさい」を守らなかったことのお詫びをしたが、空海は、
「いや、いや、私がすべて悪かった。私からももう一度私の弟子になって頂きたい」と頭を弟子に下げていた。

 稲荷神社の一の鳥居の前で空海とその75名は伊呂具への感謝のお経を唱えていた。伊呂具は空海が高雄山へ出発して稲荷神社の前を通ることを知っていたが、敢えて出迎えはしなかった。それは伊呂具が空海の性格を知り過ぎていたからで空海はかなりのお洒落で嵯峨天皇や伊呂具との飲み会でも大僧正の正装で弟子にも法衣の身だしなみは厳しかった。

 それが思わぬ展開で空海は着の身着のままでの旅姿で空海も弟子も都人から「乞食坊主」と揶揄されるほど薄汚れた姿を伊呂具には見られのが辛いだろと敢えて伊呂具は空海を神社には招き入れなかった。空海らは九条大路を西へ、閉門された東寺の前でも空海はお経を唱えていた。この東寺南大門の目の前には空海が天台宗から独立して最初に布教して真言宗の末寺第一号の「九常寺」があるが、この寺のみ最澄からの天台宗への改宗を断った唯一の寺になる。

 この寺は九条村が建立したものだが、「九条ねぎ」の栽培で大儲けした村で村長は留吉で九常寺檀家総代も兼ねていた。当初九常寺は板葺きの小さな寺だったが、創建から十数年で本堂の他に三棟のお堂があり、どれも瓦葺の大屋根になっていた。檀家総代の留吉は最澄からの手紙を受け取り、すぐに西寺の守敏僧都に相談していた。守敏はいずれ最澄から破門の許しが出るが、嵯峨天皇の勅命はそんな簡単には変更されない。そうなると空海の寺が無くなるので一応檀家総代会を開催して全村で多数決をしたが、九常寺は真言宗に残ると言えば最澄も怒れないという作戦で真言宗の九常寺を残していた。

 空海と弟子はこの九常寺に泊まることになった。九条村の女性たちが総動員されて空海が着くころには風呂は沸かされ大釜と大鍋には赤飯と海産九条ねぎ鍋が湯気を上げていた。そして空海には大僧正が着る法衣の正装が用意されていた。さらに弟子には真新しい法衣や帯、足袋、草鞋までの一式が弟子の数だけ用意されていた。
 空海は留吉に、
「これはこれは大変かたじけないが、これはいったい?」
「これは西寺の守敏僧都さまが空海さまが明日、凱旋門(羅城門)から都に入られるが、もう都では空海さまが都に帰られるという話題一色になっています。見物人も多数出ますから朱雀大路をこの法衣で歩いてほしいとの願いで守敏僧都さまが、都中の法衣店に大至急作らした法衣になります」

 明くる日の朝、空海らは九常寺の御本尊の観音菩薩にお参りしてから羅城門から幅80メートルの都大路(朱雀大路)に入ると同時に道路両脇の群衆が目に入った。民衆は比叡山仏教の最澄大使を裏切って都落ちした哀れな「乞食坊主集団の行列」を期待して罵声の一つでも浴びせようとしていたが、空海を先頭に凛々しい姿で規則正しく行進する姿に期待はずれしたのか口汚い罵声は一つもなく逆に空海らの僧侶に手を合わせる民衆が増えてきた。

 空海や最澄、それに伊呂具たちは民衆を動員して仏教を広める、または催事を成功させるための企画、立案、演出はお手の物だったはずだが、その空海が、守敏僧都の企画演出の舞台で踊っているのかと思うと恥ずかしというよりもっと面白くしょうと思い、朱雀大路にある目ぼしい有名大商店の店先で空海と弟子75名がお経を唱えたから店の番頭や女将さんが大慌てで店の主人を探したり、お布施を包む紙を探したり、はたまたお布施の金額を何文にするかでドタバタしていた。

 空海はそれを我慢強く待ってお布施を有り難く頂いていた。民衆も有名大店が何文お布施を包むかの興味で店の前は大賑わいだが、さらに民衆は次に空海が立ち寄る大店を予想して空海らより先に待っていた。これがニ~三軒続くと空海が立ち寄ることが有名大店の証だとして大店の番頭さんが、店の前で待ち構えて空海を店に案内するようになっていた。

 結局、宮殿の大極殿前の朱雀門までお経を唱えた大店は25軒と庶民の一文、ニ文のお布施の合計は銭で一万五千枚にもなったが、銭により何より、この独特な空海の演出が民衆の話題になり守敏僧都の企画演出にさらに磨きをかけていた。空海らは大極殿に一礼してから二条大路を西へ、広隆寺の門前には松尾神社の宮司酒公が笑って待っていてくれた。この広隆寺の管轄は松尾神社で帰化人の秦氏の寺だが、秦氏は土木工事技術集団で桓武天皇が京に都を遷都された時に朝廷に協力したとされ松尾神社を稲荷神社と同じ正一位にされていた。

 空海らの一行らは広隆寺で昼食の接待を受けていた。空海は酒公に、
「弟子が松尾神社の西七条御旅所で大変お世話になりました。この法衣のすべても守敏僧都さまに揃えていただきました。私は嵯峨天皇に最澄さまや伊呂具さま、それに酒公さまにどんなお礼の言葉も見つからないほどの感謝をしています」
「いや、いや、国家安泰を目指す我ら宗教家は一致団結して「民衆を救済して、幸せにしなければなりません」。守敏僧都は私に会う度に奈良仏教会の改革ができたのは空海さんの唐国仕込の民衆を先導する企画演出力があったからといつも言っていましたから、その法衣などはそのお礼だと思って下さい」
「ありがとうございます。その企画演出ですが、他人や他の団体の情勢や動きは情報から読み取ることができますが、我が身への情勢や情報などの動きはなかなか読めません。私、空海の布教の力で真言宗を発展させたとおごっていたが、信者は比叡山仏教の空海だから信者になったと小さな村の村長、時蔵さんに論破されました。その一言で目が覚めました」

 広隆寺から高雄山へは若狭に抜ける街道があるが、小さな丘と山と峠の連続で高雄峠では若狭からの年貢や商人の荷車を略奪する山賊の一味がいた。この山賊を退治したのが和気清麻呂でこの山賊の隠れ屋敷は高雄山の中腹にあったが、この屋敷跡に和気清麻呂が高雄山寺と山荘を建立していた。当時は高級貴族が私寺を建立してその一族の菩提寺にするというのが大流行していた。空海がこの寺を再興して和気清麻呂の墓を守るということは和気一族の菩提寺の住職になることになり寺の経営的には楽になる。

 高雄山峠から山に入るが、街道に沿っての高雄川の急流を越える橋は真新しく空海の弟子が掛けたとすぐに分かった。少し歩くと寺の山門がある、山門から本堂までは急な階段250段があるが、空海が門に一礼すると山門の寺額にはこれも真新しく「真言宗本山高雄山神護寺」とあった。

 空海が門をくぐるとそこには階段の両脇に弟子が空海とお付きの弟子25名を笑顔で出迎えていた。空海はその弟子一人々に手を合わせていた。最後の階段には都に残った221人の弟子を束ねて空海の帰りを待っていた行真がいた。空海は行真に、
「ご苦労さまでした。このお山が我ら真言宗の再出発になるが、皆様と共に今夜は一緒に夢を語りたい」
「はい、その準備は出来ています。それに我らの他に全国に散っていた弟子が52名帰って来ていますが、どうなされますか、空海さま?」
「再出発を皆んなで祝いたい」

 こうして新しい空海の真言宗は本山を高雄山神護寺として僧侶298名と末寺の九常寺一ヶ寺のみで再出発したのが812年12月21日となった。ちなみに守敏僧都は六大宗派七大寺院と川原寺、薬師寺、末寺は2000寺院に僧侶は約5000名。最澄は天台宗で末寺は1200寺院に僧侶は約2500名になる。

​#痴呆症物語 68 #もう一度点検を​
#プロの鳶職 が組み立てた足場でも全国各地で強風で崩れて被害が出ています。この画像のテントの固定は素人のワタシが見ても危険なもので台風どころか夕立の突風でも飛んでいきます。 #余計なお世話 かな?、さりとて店のアルバイト店員に言っても上には届かないし、お互い嫌な気分になる。


​#痴呆症物語 66 #電子カードレビュー​
年取っても世の中についていこうと #ワオンカード で支払っています。朝の102円のコーヒーも細かいのが無いときは便利。実は #マイナポイント の7000円が目当てですが、それまでは「 #現金主義 」だったのに…人の心の弱さを暴露したワタシ。
#認知症予防 #痴呆症予防 #ボケ防止



新連載小説をはじめました。​​​​
小説盆栽物語 1話 空海唐から盆栽50鉢持ち帰りへ​​
小説盆栽物語 2話 宗景造園業に弟子入りで盆景和尚となる​​​​​​​​​​​​​​​​​
小説盆栽物語 3話 盆景(盆栽)のルーツ、雅山少年が発見​
​小説盆栽物語 4話 宗景、玉林の禁断の恋から若者たちが盆景を爆買い​​
小説盆栽物語 5話 玉林、宗景皇帝に祝福され結婚…豆盆栽​​
小説盆栽物語 6話 日本茶のルーツは武夷岩茶の盆景になる​
小説盆栽物語 7 話 椿の盆景が明懸尼寺を再興させた
小説盆栽物語 8話 玉林(ユーリン)に赤ちゃんが! 桓武天皇崩御​
小説盆栽物語 9話 空海屁理屈禅問答で盆栽は戦争をなくす
小説盆栽物語 10話 玉林、盆景和尚長安での最後の別れの夜​
小説盆栽物語 11話 最澄、空海官位剥奪の上5年間謹慎処分​
小説盆栽物語 12話 遣唐船嵐でニ隻難破、空海長崎で説法会​
小説盆栽物語 13話 空海真言宗を開山、1月7日は「盆栽の日」に制定
小説盆栽物語 14話 盆栽無事京の都に、その夜、比叡山燃える​
小説盆栽物語 15話 東寺、日本大観覧盆栽・植木市へ​
小説盆栽物語 16話 第一回東寺盆栽展、大植木市大盛況​
小説盆栽物語 17話 盆景日本初の茶の種を撒く、坂本、信楽、朝宮茶​
小説盆栽物語 18話 坊主が太ろうと思えば、まず農民を太らすこと(最澄)​
小説盆栽物語 19話 盆栽の大流行で「清水焼」が誕生した​
小説盆栽物語 20話 盆景和尚東九条村で小麦栽培指導へ
    ★​​​​​​​​​​​​​​​​

​​​​​​​​小説西寺物語 1話 守敏と空海の因縁の争い・西寺跡発掘調査・女装小説家 オカマのイナコ​​
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小説西寺物語  3話 守敏、芹と葱で大僧正に!​
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小説西寺物語 5話 寺と村落ぐるみ乗っ取り大作戦​​
小説西寺物語 6話 東大寺権操、守敏長岡京へ抗議の旅​​
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小説西寺物語 12話 神野親王武家源氏を旗上げ​
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​​小説西寺物語 14話 皇太子の不倫…人妻・薬子の変​​​
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小説西寺物語 16話 平安時代のスーパースター光源氏誕生​​
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​小説西寺物語 23話 西寺建造僧侶350名の大ストライキ​
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最終更新日  2020年09月07日 08時33分36秒
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