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「孔雀明王」とは明王と
いうグループの仏様です。孔雀に乗っている ので、すぐわかります。 明王は不動明王や愛染明王に代表される ように普通は忿怒(ふんぬ)相という 怒ったような表情が特徴なのですが、 孔雀明王だけは唯一の例外で、慈悲相と いう、如来や菩薩のような穏やかな表情を しています。 インドでは孔雀が毒蛇を退治してくれる ように、そんな孔雀の持つ解毒作用を仏格化 した仏なのです。日本でも、朝廷では様々な 天変地異を大きな毒とみなして、「孔雀明王」が 登場するお経を修して祈祷を行ったとの記録が 残っています。 さて、今日奈良国立博物館で「院政の美術展」 を見て来ました。お目当ては東京国立博物館所蔵の 「孔雀明王」の軸でした。京都では御室の仁和寺に 国宝の「孔雀明王」が宝物館に所蔵されていたり、 東山の智積院でも重要文化財の「孔雀明王」が 伝わっています。いずれも画像で軸装です。 仁和寺の「孔雀明王」中国から伝来したもので、 いかにも大陸的な顔なのですが、智積院の「孔雀明王」 量感があり肉感的で、いかにも日本的です。肌の色艶が 感じられる健康的な孔雀明王です。 で、東京国立博物館所蔵の孔雀さんはどうかな?と それを確かめるために行ったのですが、仁和寺と智積院 のちょうど中間的な容貌で、極めて洗練された表情と 体躯でした。持物(じもつ)も装飾化されていて、 真ん中に持つ吉祥果(柘榴)は巾着のような綺麗なもの でしたし、倶縁果(檸檬か橘)も現実のものとは、かなり 離れているようにおもいました。が、それが容貌とうまく マッチングしているところが、素晴らしい点でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
September 7, 2007 07:41:53 PM
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