京観深々

2011/09/07(水)21:29

芦屋川に思うこと

 今日は芦屋市の公民館に「仏像」の講演で出向きました。5月には「庭園」講演でも訪問しましたので、今年に入ってこれで2度目です。公民館のすぐ西側を南北に流れる川が芦屋川で、JR東海道線、阪神電車、阪急電車がこの川を横切るのですが、阪急・阪神は川の上を、JRは川の下を潜るという、珍しいパターンです。JRの付近はいわゆる天井川になっているということです。今日は落ち着いた初秋の涼しい一日で、川もきれいな水が控えめに流れておりました。まさしく清流の趣です。おそらく数日前までは台風の影響で茶色く濁った水が多く流れていたのでしょう。京都市内でも鴨川や桂川がそうでした。芦屋川も阪神大水害の時は氾濫したようで、六甲山系の山々が海に近いので、一時に多くの水が流れるのでしょう。神戸でも鉄砲水で、普段からは想像もつかないくらいの大人しい河川が氾濫し、尊い人命を奪いました。自然の恵みというものは豊饒ですが、時として、残酷な一面を持っています。そんな両面を持つ大自然を神に見立て、神を崇め、神と共に祭りに興じ、神の恵みを受け、神に試練を与えられる。神でさえそうなのですから、人間が時として機嫌が悪くなったり、怒りを爆発させたりするのも自然の摂理なのかも知れません。 芦屋川は松並木と桜並木の双方が楽しめるように遊歩道が両側に設けられてです。今日は秋めいた爽やかなお天気でしたので、芦屋の町の芦屋川のほとりは、ゆったりとした時間が流れているように思いました。今回の台風で被害を受けた紀伊半島周辺の地域にも、一刻も早くいつもの平穏な時間が清流の元に戻るように祈るばかりです。

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