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音響機器修理「京とんび」

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2010年09月01日
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カテゴリ:音響機器修理

 ぼちぼちと機械修理を楽しんでいる。今回はアイワのミニコンポだ。

 アイワと言うと、中高年には馴染み深い会社だが、若者には知らない人も多いだろう。

 同社は、1951年に設立された企業だ。 カセットデッキに定評があり、バブル期に発売された高級カセットデッキは、今も人気が高いようだ。

 2002年、経営難からソニーに吸収合併され、ソニーの1ブランドとしてAIWAが残る。しかし、2008年にソニーからAIWAブランドの終息が宣言され、現在に至っているそうだ。

 そんなアイワのミニコンポ「XR-FD5」 の故障品を修理した。アイワの製品を修理するのは、初めてだ。

 修理をしているとメーカーや機種、時代で設計や仕組みが異なり、非常に興味深い。当時、製造に関わった人々が、何をどう考えた形にしたかに思いを馳せると更に面白い。

AIWA XR-FD5
[修理が完了したアイワのミニコンポ「XR-FD5」]

■故障内容

  1. カセットテープの音がこもる
  2. MD再生不良
  3. 片方のスピーカーのウーファーから音が出ない

■故障原因の予想と修理方法

  1. テープ磁気ヘッドの汚れ → 分解して無水アルコールでクリーニング
  2. MD光学レンズのの汚れ → 分解して無水アルコールでクリーニング
  3. スピーカー内部配線の断線 → 分解して再接続

■修理

 ともあれ分解だ。この機体はかなりキレイな部類だ。

 分解していて一番嫌なのは、タバコの煙でスモークされた機体だ。どんなに丁寧にクリーニングをしても、タバコ臭が僅かに残り、機器の発熱と伴に漂ってくる。

 この機体は非喫煙環境で使われていたようで、タバコ臭やヤニの付着はまったくない。

 さて、カセットテープユニットまでは、簡単に分解できた。

AIWA XR-FD5
[カセットテープユニット]

 テープユニット自体は、ゴムベルトの劣化もなく汚れも少ない。磁気ヘッドとゴムローラー、ゴムベルトを無事にクリーニングした。

 電子基板を外して分解を進める。

 この手のオールインワンのミニコンポは、上から順番に分解していかないと、それぞれのユニットを取り外すことができない構造となっていることが多い。

 さて、フロント操作パネルを外すと、MDドライブユニットだ。各ユニットと電子基板を接続するケーブル類の取回しがかなり煩雑だ(元に戻せるかな(^_^;)。製造時の苦労がしのばれる。

AIWA XR-FD5
[MDドライブユニット(金属の箱)]

 MDユニットの金属カバーを外し、光学レンズと磁気ヘッドを無事にクリーニング。

AIWA XR-FD5
[MDユニットと光学レンズ]

 更に分解を進め、CDドライブユニットを取り外す。

AIWA XR-FD5
[メンテナンス中のCDドライブユニット]

 CDトレーのロック機構が、初めて目にする仕組みで少々手間取ったが、何とかクリアー。分かってしまえば、なるほどの仕組みと思うのはいつものことだ。
 ここでもう一つ初めて目にしたのが、CD光学レンズの防塵カバー機構。レンズの移動と伴に自動開閉される仕組みだ。これはユニーク。お陰でCD光学レンズの曇りは少ない。そのレンズをクリーニング。

 これで故障箇所を一通り修理したことになる。ここで一旦元通りに組み直し、故障が直ったかを確認する。

 OKだ!

 再び分解し、各ユニットやパーツを清掃。洗浄できるものはキレイに洗浄する。そしてきれいになった部品を組み立てて完了だ。二回目なので、組み立ては多少手際が良い。

 次はスピーカーだ。

 スピーカーはミニコンポに比べると、圧倒的に簡単な構造だ。しかし、ねじを巧みに隠してあったりすると、分解を始めるまでに時間がかかる。

 このスピーカーも最初は六角ボルトを外すだけと思っていたら、なんとダミーだった。本当のねじは、スピーカーカバーの取り付けゴム穴の下に隠れていた。

AIWA XR-FD5
[化粧板を外して分解中のスピーカー]

 この写真の状況まで来れば、後の分解は簡単だ。各スピーカーユニットに傷や凹みはない。 分解を進める。

 各ユニットを接続する配線が出てくる(写真撮影忘れ)。ユニットや配線に断線はないようだ。配線はハンダ付けではなく、端子接続されている。端子の接点不良を疑い、端子を磨いた。元通りに組み直して、故障が直ったかを確認する。

 OK! 

これで故障箇所の修理は全て終了。予想した原因が見事的中した。滅多にないことだ(^_^;

 さて、最後に修理が完了したミニコンポとスピーカー、ラジオアンテナや外部機器を接続し、システムとして機能するかをテストする。

 テストと言っても、専用の測定器(すごく高価)がある訳ではないので、 実際に再生や録音をしながら、耳で聞いて音とびや歪がないかを確認だけだ。

 ただし、全ての機能をテストしていたらいくら時間があっても足りないので、再生/録音/入力/出力を中心に機能テストを行う。

 それでもこの機種の場合、CD/MD/カセット/ラジオと4つの音楽ソースがあるので、再生だけでも各1時間、合計で4時間は試聴を行うことになる。

 録音やその他の機能を確認すると、延べ7時間以上はテストする勘定になる。無論、終始張り付いている訳ではないが、再生テストの時は、別作業をしながら終始聞き耳を立てることとなる。

 さて、本コンポはまったく問題なし。一発合格。

 因みにCDチェンジャー等、複雑な機構を持つ機器になると、一晩中再生テストをさせることになる。朝起きて、CDが詰まっていたりするとガックリと来る。

 そんな作業を経て修理が完了した機器は、オークションで嫁入り先を探すことになる。良い嫁ぎ先が見つかるようにと、少し父親の気持ちになる。

追記

 分解や修理は、危険のないように注意し、 自己責任で行ってください。また、分解や修理をするとメーカー保証や修理が効かなくなる場合があることにも留意し、あくまでも自己責任で行ってください。






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最終更新日  2010年11月24日 00時11分55秒
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