カテゴリ:音響機器修理
今回の修理は、「SHARP MD-ZV30 MD/CDシステム(1996年11月発売)」だ。3CDチェンジャーを搭載し、カセットテープからMDへの代替を狙ったと思われる製品だ。スピーカーには「HOROFINE(ホロファイン)-K」を採用した10cmコーン型スピーカーを搭載。更に3Dサラウンドシステム「SOUND RETRIEVAL SYSTEM」も搭載し、音にこだわった仕様となっている。
確かに音が良い。透明感があり低音から高音まで、伸びのある音色だ。パソコンなどは年式が古いと使えたものではないが、音響機器やカメラなど、人の五感に訴えかける機器は年式の新旧にその良否を左右され難い。これは実に興味深い事実だ。 ■主な故障状況と原因
■修理作業 実はこの機種の修理は、結果的に他機種2台を犠牲にしている。 他機種1台目は、MD-ZV30と同型のMD-Z10(1996年10月発売)。CDチェンジャー非搭載の先行発売機だ。これはCDは生きているが、MDは録音時に音跳びする不具合があり、どうしても修理できなかったものだ。音が良いだけに処分をためらって長期保管していた。 同型機は100%同一パーツを使用しているので、MD-ZV30とMD-Z10のどちらかは修理できると考え、後から本機MD-ZV30を入手した。 さて、まずは MD-ZV30を分解。 ![]() スピーカーユニットには、「SHARP Horofine-K」と誇らしげな印字。Horofineは、千島笹パルプを使用したシャープ独自のスピーカー用振動板だ。 ![]() CDチェンジャーユニットを取り出し、CD光ピックアップを確認する。形式は、MD-Z10と同じHPC1MX(または、H8164AF)だ。レンズが著しく曇っているのが気にかかる。 ![]() レンズの曇りをきれいに拭いてやり、CDの再生確認をする。あっ、再生した。と言うことは、CD/MDの再生に問題はない。残る不具合は、CDチェンジのみ。 ![]() CDチェンジメカを分解・組戻しは、最も複雑で手間と集中力を要する作業だ。トレーを駆動するゴムベルトに問題がないかを確認するが、「ない!」。てっきりゴムベルトが劣化し、プーリーやギアが空転してCDチェンジできないと推測していたのだが、見当が外れたようだ。 とりあえずCDチェンジメカを清掃。グリスアップして組み戻し、動作を確認した。何とかCDトレーは開くようになったが、CDチェンジに失敗する。 再度CDチェンジメカを分解し、動力伝達系の細部をルーペで確認。ギアに磨耗跡を発見。これが原因では、その交換以外に手段がない。 う~ん。MD-ZV30のCDチェンジャーは捨て難いが、先達のMD-Z10を生かすことに方針転換しようか、、、と悩んでいたところ、3CDチェンジャーを搭載したシャープの別機種があったのを思い出した。 これが他機種2台目のMD-X8(1997年7月発売)だ。こいつはCDチェンジはするものの、CD/MDとも再生不可で、修理不能と判断した処分対象機だった。 ラッキーなことに、このMD-X8と本機MD-ZV30のCDチェンジメカは、同一だった!あっ、磨耗のあったギアの材質が変更されている。付帯する電子基板とCD光ピックアップを載せ替え、見事修理完了。 いや~、修理完了まで1週間も費やしてしまった。修理の完了した本機の演奏は、実に良い音に聞こえた。 --- 分 ★京とんびの『もったいない』オークション★♪ あの頃の懐かしい
![]() ![]() ![]() ![]() 音楽と一緒に 懐かしい思い出が甦ります ♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年07月06日 17時51分10秒
コメント(0) | コメントを書く
[音響機器修理] カテゴリの最新記事
|
|