子育て中のイライラや不機嫌とどう向き合うか~武田双雲『上機嫌のすすめ』
今日は持病の診察で神戸の病院に行ってきました。検査をしましたが、前よりもちょっとよくなっていると言われて、うれしかったです!いろんな患者さんのケースを知っておられる有名な先生に診てもらっているので、今回こちらの心配を打ち消すような明るい展望を示していただいたことで、心が軽くなりました。気の持ちよう、って大きいですよね。不安なときは足取りが重かったのが、心が軽くなると、体も軽くなったりして。「上機嫌」でいることは、幸せな人生を送る上で、おそらく必須のことではないかと思います。「上機嫌」でいるということが、僕にとってはなかなか難しいのですが、できる限り上機嫌に近いココロの状態で過ごしたいと思っています。そこで今回は、「上機嫌」についての本をご紹介します。『上機嫌のすすめ』(武田双雲、平凡社新書、2010、税別700円)「上機嫌」をすすめられているのは、斎藤孝さんもそうですが、今回は武田双雲さん。僕と同年齢で、僕と同じく子育て中のパパでもあるので、親近感を感じています。その中に、子育て中ならではの、子どもに対してイライラして怒ってしまう、というエピソードが書かれています。そういった子育て中のイライラや不機嫌とどう向き合うか。双雲さんのとられた手立ては、非常に参考になると思います。============================・わが家の朝の大騒ぎのように、決まって起こるパターンのイライラについて改善することは可能です。 僕は、みんなの機嫌がいいときに、毎朝の出来事について話し合いました。 妻の言い分、子どもの言い分を聞いてみたのです。 すると、毎朝「早く、これしなさい」「次は、これ」といわれることが、長男はいやだったということがわかったのです。 頭ごなしにいろいろいわれると、彼の自尊心が傷つけられて、何もやる気が起こらなくなるようなのでした。 それで、朝は長男をリーダーにすることにしました。 長男の主体性を認めるというか、率先して動いてもらうようにしたのです。 「次は、何をやればいいですか?」 と、こちらから長男に聞くのです。 (p118より)============================まあ、子どもというのは、言うことを聞かないもので、食事・着替え・お風呂などの毎日のことで、ぐずぐずしていたり全くやる気がなかったりして、こちらがイライラしてしまうことが非常に多いです。双雲さんのおうちもそうだったらしいのですが、双雲さんがえらいのは、気持ちが落ち着いた状態の時に話し合いをもったことだと思います。そして、相手の言い分を聞く。相手を立てる、と言ってもいいと思います。子どもに対して大人が「立てる」というのは変な気もしますが、上からの物言いで動かそうとしてさんざん苦労しているだけに、逆のことをしてみる(=こちらが相手のお伺いを立てる)というのは、やり方として非常に正しい、と思います。こういう、逆の発想が大事だと思います。結果として双雲さんは息子さんに、「次は、何をやればいいですか?」と聞くようになり、息子さんは自発的にやるべきことをやるように変わっていったそうです。もう一つ、双雲さんのやり方で参考になると思うのは、やるべきことを「遊び」に変える、という方法です。本書には一例として、風呂掃除を遊びに変える、というエピソードが書かれています。「能動的になった瞬間に、風呂掃除が苦でなくなるのです。逆に、やっているうちに熱中してワクワクしてきます。」(p147より)とあります。これも、様々なことに応用可能だと思います。僕も同じように「何でもゲームにしてしまおう」と考えるところがあり、子どもの教育でも、させたいことはゲーム化して、楽しんでさせようとするところがあります。それは非常に重要なことで、こういった考え方でやっていくから、自分も相手も機嫌良く、楽しく取り組めるのです。心理学の大家 河合隼雄先生も、まじめが行き過ぎるといけない、といったことを言われていました。上機嫌で生きるために、ゲームでないものをゲームにし、遊びでないものを遊びにする、そういった遊び心が必要だと思います。さて、この本には、かなり魅力的な双雲さんの書も掲載されています。拡大コピーして部屋に飾っておきたいくらい、素敵な書です。興味を持たれた方は、ぜひ一度、ご一読ください。新書なのでかさばらず、読みやすいですよ。