カテゴリ:たのしいべんきょう
世の中には学級経営をテーマにした本が、たくさん出ています。
ただ、もしかすると、別テーマの雑誌の、見開き2ページ程度の連載記事の中で、ちょこっと触れられている程度のコンパクトな内容が、実はエッセンスが凝縮されていて、覚えやすく、役に立ったりします。 例えば、昨年紹介した、音楽教育の雑誌における 「学級づくりの基本はルールとリレーション」(諸富祥彦 in 『教育音楽 中学・高校版』) 。 今回は、特別支援教育の専門誌『LD/ADHD&ASD』(2018年4月号)から紹介しましょう。 「若手教師のためのクラスマネジメント術」 いかにも役立ちそうなタイトルです。 書かれているのは、京都府舞鶴市教育委員会学校経営スーパーバイザー、後野文雄さん。 その、連載第1回記事。 最後の最後にふれられているのが、「崩れない学級経営」。 1段落の中に、学級経営の要諦が、ぎゅっと凝縮されています。 後野文雄さんの「崩れない学級経営」を進めるためのポイントは、以下の7つ。 =============================== 1.話が短く 端的で 分かりやすい 2.子どもに 多くの活動をさせている 3.教室が整理整頓され、学習環境が整っている 4.学習中の私語が少なく 授業中の姿勢がよい 5.学級が静かであり、先生の声にメリハリがある 6.学級や学校のルールが明確に示され、公平公正に運用されている 7.さりげない ほめことばが多い (後野文雄「若手教師のためのクラスマネジメント術」明治図書『LD/ADHD&ASD』(2018年4月号)p55より) =============================== この中で、2番目だけ僕の判断で赤字にしました。 経験上、これができてない学級が多いように感じるからです。 いわゆる、子どもが「聞く」ばかりになっている授業が多い。活動がない。もしくは、足りない。 子どもは学習マシーンではありません。イスに座ってただ知識を注入されるだけの授業はすでに何十年も前に否定されています。にもかかわらず、活動している子どもが子どもたち全体の一部だけで、ほとんどの子どもに活動がない、そんな授業では子どもたちに本当に力がつくとは思えません。 活動(=能動的な関わり)のない授業は子どもにとってもつまらないし、授業に関係ないことをしたり、教室を飛び出したくなったりする原因にもなっているでしょう。せっかく学校に来て集団で学んでいるのに、子どもたちがみんなで学んでいることによる楽しさが感じられない授業・学級経営をしているならば、それを一番見直してほしい、と思っています。 特別支援学級に在籍する児童が増え続けています。 「インクルーシブ教育をめざす」と一方では言いながら、実際には「エクスクルーシブ(排除)」が進んでいる、ということはないでしょうか。 子どもたちが生き生きと活動できるように、通常学級の授業は工夫されているでしょうか。 後野さんが最初に示された「分かりやすい」は、すでに実践されてきています。 しかし、分かりやすいだけでは、不十分。 学習を、子どもたちにとって意味のある活動にしていかなければなりません。 子どもたちのことを本当に考えた授業・学級経営ができますように。 ・・・ちなみに、活動だけだと、「崩れる」原因もなります。(僕の経験上(^^;)) 1つめと2つめができたら、3つめ以降を意識すると、いいと思います。 ただ、4と5は、子どもたちが自由に行動する時間を多くとる授業スタイルもあるので、あまりこだわり過ぎなくてもいいかなあ、と思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年05月27日 11時57分21秒
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