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きょういく ユースフル! ~ 私は触媒になりたい ~

2019年10月18日
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​​『愛着障害』という本を読みました。


『愛着障害 子ども時代を引きずる人々』
岡田尊司、光文社新書、税別860円)

作家など著名人の実例を引き、愛着障害についてわかりやすく解説しています。
夏目漱石やスティーブ・ジョブズなどが出てきて、読み物としても面白く読めました。
著名人の輝かしい一面だけではなく、育ってきた背景や大人になるまでの苦悩などを含めて知ることができ、人間に対する理解が深まります。

例えば、僕が知って驚いたのは、次のようなことです。

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・ビル・クリントンは、自らアダルト・チルドレンだと告白している。(p90)
・養父と母親は口げんかだけでは足りず、お互いが銃を持ち出すこともあったという。
 実際、寝室の壁には、発砲してできた弾痕が残っていた。(p92)
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アメリカという大国の大統領といえど、そのような背景を持っていたのだと知ることで、人は誰もそれぞれ苦悩を抱えて生きているのだということを思わされます。

また、愛着障害の子どもの教育に携わる人にとっては、次のような情報も、見過ごすことができないのではないか、と思います。

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・愛着障害の人は、自分の潜在的な能力を活かせていないことが多い。
・愛着障害の改善とともに、知能指数が1年あるいは2年の間に30以上も上がったという例がいくつかある。
・愛着障害による発達の問題の場合には、劇的に改善するということが少なからず起きるのである。(p141)
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「愛着障害」について知るには、これ一冊にかなりの情報がまとまっていて、オススメです。

「愛着障害」の負の面だけでなく、メリットについてもふれてあります。

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・愛着が不完全で、安全基地をもたない場合には、そこに縛られることがないので、まったく常識を超えた目で社会を見たり、物事を感じたり、発想することができやすい。
 これが、独創性という点で、大きな強みを生むのである。
(p184)

・創造する者にとって、愛着障害はほとんど不可欠な原動力であり、愛着障害をもたないものが、偉大な創造を行った例は、むしろ稀と言っても差し支えないだろう。(p185)
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仮に自分が愛着障害だとしても、​そのメリットを生かす​、ということも考えられるわけです。
物事には何事にも負の側面もあれば、正の側面もあります。
その両方を見ることで、生きるエネルギーが湧いてくるかもしれません。

巻末には愛着障害のタイプを知るためのチェックリストもついています。
(「愛着スタイル診断テスト」:自分自身でチェックするもので、大人向けのチェックリストです。)
僕は、回避型の傾向が特に強いけれど、不安型の要素もある、と出ました。
納得できる結果でした。
自分を見つめ直すにも、いいかもしれません。

回避型などの「愛着スタイル」については、「愛着スタイルと対人関係、仕事、愛情」という章で解説されています。

たとえば、「​回避型のコア・ウィッシュは、縛られないことである。​」とあります。(p212)
まさに、僕がそうです。(^^)

​「回避型の人は、面倒くさがり屋でもある。」
「お尻に火がつくまで放っておくということも多い」​
(p216)
ということも書いてあります。

これも、当たっています。(^^;)

占いみたいに、「当たってるー!」と思うだけでも面白いですが、そうやって自分を客観的に見て、自分への理解を深めることが、上手に自分と付き合って人生を歩んでいくために有効な気がします。

もちろん、傾向というだけで、必ずしもそうだと言い切れるものでもありません。

仮にそうだとしても、強い意志があれば改めることもできるでしょう。

どんな自分で生きていくかは、自分で決めれば良いのです。

そのために、たとえば愛着障害の傾向の中に自分の要素が強く出ていると思ったら、こういう「愛着障害」の本を読むのも良いでしょうし、発達障害の場合でも、同じです。

本の中の情報が全てではありませんが、知ることで、自分をつかむきっかけができるのであれば、長い人生、本は読んでおいて損はない、と思います。

ちなみに、最終章のテーマは、「​​愛着障害の克服​​」です。

ここにもまた、興味深いことが、たくさん書かれていました。

キーワードを挙げるなら、「無条件の肯定」でしょうか。

次の箇所は特に、「愛着障害」と思われる子どもと関わる際の大きなアドバイスとして受け止めました。

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・愛着障害を抱えた人が良くなっていく過程において、その傷が深いほど、自分を支えてくれる人に甘えようとする一方で、反抗的になったり困らせたりするのが目立つようになる時期がある。(p278)

・このとき、支える側が腹を立てて、拒否的になったり、否定的な反応を返したりしたのでは、元の木阿弥になってしまう。
・支える側が反抗することを許容し、受け止め、それに動揺せず、その気持ちを認めてやることが大事である。
(p279)
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​「愛着障害」と思われる子どもは、時に相手が一番傷つくような言葉を選んで投げつけてくることもあります。それで腹が立たない方がおかしい、といった状況に、「支える側」が追い込まれることもあります。
ただ、そうしたときに、上に示されたような「良くなっていく過程」といった認識があれば、もしかすると、気持ちを大きく持って、受け止めることが、可能かもしれません。

お互い、人間のことですから、当然、腹が立つこともあれば、言い過ぎることもあります。

それも含めて、人間なのですから、「人間とは、面白い生き物だ」と思えるくらいの度量で、ドーンと構えておければ、案外うまくいくことになるのかもしれません。

「愛着障害」とは、なかなかにやっかいなものであり、同時に、広い世の中では普通にありえるものでもあります。
生まれてから今までの、自分ではどうしようもない生育環境に大きく起因することもあり、「どうしようもない」と思えば本当にどうしようもなくなります。しかし、「どうしようもない」ことを言ったりやったりしてしまうその理由に思い至る時、人は、優しくなれるのではないでしょうか。

過去にではなく、未来に目を向けよう。

人は、これから、変われる!






最終更新日  2019年10月18日 22時19分51秒
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