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きょういく ユースフル! ~ 私は触媒になりたい ~

2019年11月04日
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カテゴリ:本の紹介
​​このブログではたくさんの本を紹介してきましたが、新刊本の紹介は初めてかも?

上越教育大学教授の西川純先生が書かれた
​『個別最適化の教育』​の紹介です。


『人生100年時代を生き抜く子を育てる! 個別最適化の教育』
(西川 純、
学陽書房、2019、1600円)

西川純先生が書かれた本は、読みたくなるタイトル・内容のものが多いです。
これまでも、障害のある子の将来についての本や、「座りなさい」や「静かにしなさい」を言わない授業についての本など、「今、まさにそれが知りたかった!」という内容をまとめてくださっていて、読後はかなり影響を受け、関連情報を自分で調べたりしていました。ウィンク

今回の本も、これまで同様、「教員ならば、読んでおいた方がいい内容/知っておいた方がいい情報」がたくさん掲載されていて、大変満足度の高い1冊でした。

本書では、冒頭からいきなり
「いま、高校・大学を卒業した生徒・学生の3分の1以上が非正規雇用(年収平均約170万円)になっていることを知っていますか?」p14)
​「就職した高校生、大学生は3年以内に3割以上が離職する現状を知っていますか?」​(p14)
と、現状の大きな問題点を突きつけられます。

教員であれば、誰もが教え子たちの将来の幸せを願っていると思いますが、就職に関するショッキングな最新のデータは、「今まで通りの教育を続けていてはいけないのではないか」という自らの教育への反省につながります。

本書に書いてあるとおりにしなければならない、ということはありません。
しかし、まずは知ることが大事だと思います。
「もしかしたら今まで知らずにいたのではないか」ということを確認するためにも、本書はかなり有益ではないか、と思います。

たとえば、今後の社会を表すキーワードとして、Society5.0という言葉があります。
Society5.0と言われても、具体的にはよく分からない、という方は、本書を読む意味があると思います。

具体的な教育実践についての提案については、かなりビックリするようなものも含まれています。
個人的には、教員としてある程度経験を重ねて、いろいろな実践家や研究者の話を聞いてこられた方のほうが、腑に落ちるものがあるのでは、と思います。
(逆に言うと、自分が受けてきたタイプの教育しか知らない、という方だと、本書の提案にはついてこれない気もしています。)

今までの「教育」についての限界を感じ、実際にいろいろ試してこられた方、いろんなやり方を学びながら、これからの「教育」を具体的に思い描こうとされている方ほど、本書の内容が、より理解できるのではないでしょうか。

同じようなことを考え、新しいタイプの教育をすでに実践されている方は、西川先生やその仲間の他にも、多くいると思います。
たとえば、本書の前半で紹介されていた内容は、東大先端研の研究に近いものを感じました。
(ちょうど今年、東大先端研の中邑賢龍先生の講演をお聞きしたのですが、同じようなところを目指されているのかな、という気がしました。中邑賢龍先生は東大先端研の異才発掘プロジェクトというものをリードされている方で、現状の学校のシステムに合わない子どもたちの、得意なところを伸ばすためのプロジェクトをかなり具体的に進められています。僕はひそかに「いいな」と思っています。(^^;)
 参考リンク:▼​中邑賢龍 異才発掘プロジェクト率いる東京大教授(中日新聞Web「あの人に迫る」)​)

横浜での先進的な通級指導における「コラボ教室」も、その道のプロフェッショナルに直接指導を受けて子どもたちの良いところ・得意なところを伸ばすというのが、本書の紹介しているN中・N高などの新しい教育システムにかなり重なる、と思いました。
(参考リンク:▼​仏向小学校 CO-LABO(コラボ)教室について(横浜学校支援ネットワーク)​)

一方、本書の後半は、教師の働き方と子どもたちの学び方を重ね合わせ、感覚的に理解しやすいように書かれていました。職員室内での一教員の感じ方を、教室の子どもたちに置き換えて考えることで、イメージがしやすく、説得力がありました。こういった感じ方は、かなり大事なことだと思います。

僕は日頃から、子どもたちにさせることは、まず自分が先にやるようにしていますが、子どもと同じ立場で考える/感じる、というのは、教育が子どもたちのものになるために、非常に基礎的なところだと思います。

ただ、本書の中の具体的なアイデアの中には、かなり踏み込んだ内容のものもあります。
実際に教室での教育を変えるとなると、管理職の立場や教育委員会の立場も理解した上で実施していくことが必要です。
本書では周りから理解されにくい新しいタイプの教育をやっていくための具体的な助言も書かれていますので、「新しいことがしたい」「周りでやっていなくても、自分だけでもチャレンジしたい」という方は、やはり読んでおいた方がいいと思います。


僕は西川純先生の本をこれまでに5~6冊読んでいたこともあり、すでに知っていた内容もわりとありました。
しかし、新しく知って驚いたことや勉強になったことも、かなりありました。

本書に書かれている内容は、本当に多岐にわたり、たとえば、子どもたちが就職した後のみならず、結婚して子どもができたときのイメージまで書かれています。
「すごいなあ。ここまで考えて、これからの教育をイメージされているんだなあ」と、圧倒されました。

というのも、p126に、「夫の祖父母、妻の祖父母の両方の協力を得て、6人で子育てをする必要があります。」という記述があり、「夫と妻の実家が同じ中学校区であることが望ましいのです。」という主張がされるのですが、実際に子育てを経験してきた僕としても、大変うなずける内容でした。


以上のように、僕としては、「教員ならば、読んでおいた方がいい内容/知っておいた方がいい情報」が、根拠に基づいた未来予測とともに、書かれている、と感じました。

興味を持たれた方は、ぜひ、読んでいただけたら、と思います。大笑い
​​






最終更新日  2019年11月04日 20時28分26秒
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