カテゴリ:特別支援教育
「コグトレ」で有名な宮口幸治さんの新書が話題です。
『ケーキの切れない非行少年たち』 (新潮新書、宮口幸治、2019、税別720円) この本のタイトルは、「3等分してね」と言っても3等分ができない非行少年が多くいたことに由来しています。上の商品画像に、オビがついていますよね。そこに載っているような線で3等分したと思ってしまうようです。 この本の内容は、なんとマンガ化されています。 先月からWeb連載が始まったところで、ありがたいことに無料での公開中。 新書版の冒頭部分の紹介にもなっています。 ▼ケーキの切れない非行少年たち - 原作 宮口幸治/漫画 鈴木マサカズ / 第一話 三等分できない少年たち | くらげバンチ 「障害」と非行とが必ずしも関係するわけではありません。 しかし、全く関係しないとも、言い切れません。 たとえば、「こうすると、どうなる」という想像力が及ばないと、不適切な行動を衝動的にとってしまうことにもつながります。 では、どうするか。 この本には例として、かなり具体的なメソッドも紹介されていました。 それが、著者があみだした「コグトレ」。 特に印象的だったのは、「記号さがし」です。 例えば、リンゴならリンゴといったふうに、指示されたマークだけを探して数えていく。 しかし、単に同じマークをさがすだけではない。 ある工夫が加わっています。 それは、指示されたマークを探して数を数えるのだけれど、 「左側にある決められた果物のストップ記号(例えば、ミカン、メロンなど)がある場合には数えず✔もつけません。」(P164) といった付加ルールがあることです。 このルールにより、ブレーキの弱い子どもがブレーキをかけられるようになるそうです。 単純だけれど、これは、なかなか理にかなっていると思いました。 「コグトレ」の本はいろいろ出ていますが、こういった著者の意図をしっかりと理解しておきたいものです。 以下は、「コグトレ」で検索して出てきた本の数々です。 本当にいっぱいある! 『1日5分! 教室で使えるコグトレ 困っている子どもを支援する認知トレーニング122』 (宮口幸治) 『社会面のコグトレ 段階式感情トレーニング / 危険予知トレーニング編 認知ソーシャルトレーニング』 (宮口幸治) 『やさしいコグトレ 認知機能強化トレーニング プリントして使えるCD付き』 (宮口幸治) 『1日5分!教室で使える漢字コグトレ小学3年生 漢字学習+認知トレーニング』 (宮口幸治) 『1日5分!教室でできる英語コグトレ 小学校5・6年生』 (宮口幸治/正頭英和) 学年が書いてある本は、他学年の本もあります。 すごい数の本が出版されています。 今すぐトレーニングの詳細を知りたい場合は、「コグトレ」の学会サイトにある 認知機能強化トレーニング(COGET)のページに行ってみてください。(学会の正式名称は、一般社団法人 日本COG-TR学会です。) 上で紹介した「記号探し」のプリントを含む、様々なプリントのサンプルがあります。 いかしたBGMのコグトレ紹介動画もあります。 ちなみに、「コグトレ」のトレーニングは大きく3つに分かれています。 上のリンク先は認知機能強化トレーニングのCOGETですが、 それ以外に認知作業トレーニングのCOGOTと、 認知ソーシャルトレーニングのCOGSTがあります。 詳しくは、学会サイトの「コグトレとは(https://cog-tr.net/cogtr/)」をお読みください。 僕自身はコグトレに全く詳しくありません。 今回の記事は、自分が勉強していくためのメモでもあります。 子どもたち全てに有用だとは思いませんが、子どもの実態に合わせて活用していきたいと思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年07月12日 08時30分13秒
コメント(0) | コメントを書く
[特別支援教育] カテゴリの最新記事
|
|