カテゴリ:PC・デジタル関係
昨年、クラウドファンディングで、1つのアプリの応援をさせていただきました。
漢字が苦手な子のためのアプリの開発です。 そのアプリの名前は、「Oska Writing」。 ▼「覚えられない…。」漢字が苦手な子どもたちに新しい選択肢を。 (クラウドファンディングREADYFOR内) 完成後は通級指導で活用させていただいています。 もっと広く知っていただきたい有用なアプリだと思います。 小1漢字とひらがな・カタカナは、無料で利用できます。 小2~中学生の漢字は、有料版になります。 ちなみに、「Oska Writing」とは、「⼤⻄式漢字書字攻略法」の略だそうです。 (Onishiʼs Strategies for Kanji Writing) 「Oska」の「k」は、「漢字」の「k」なんですね。 「初めて知った!」という人のために、このアプリの使い方を紹介します。 とはいえ、アプリの「チュートリアル」をやれば、使い方がそのまま分かるようになっています。 この記事で興味を持った方は、ぜひ実際にアプリをさわってみてくださいね。 (ダウンロードリンクは、この記事の一番下にあります。) チュートリアルの最初の方で、 「継次式」「同時式」という選択ができることが分かります。 「継次式」は、「つぎつぎしき」と読むのではありませんが、 意味としては、そういう意味です。 ちなみに、「けいじしき」と読みます。 「K-ABC」という発達障害の子どもたちに用いられる検査に、継次処理と同時処理というのが出てきます。一般的にはほぼ知られていない用語ですが、特別支援教育に専門に関わる人なら、知っておいた方がいい用語です。 まあ、「つぎつぎと、順番にやっていくやり方」という風に覚えてもらったら、いいです。 このアプリの優れているところが、この2つのやり方が選べるところからうかがえます。 継次処理と同時処理について知っている人なら、子どもへの漢字指導の際に 「この子は、継次処理と同時処理、どっちが得意かな?」 と考えながら有効なやり方のあたりをつけると思いますが、 このアプリなら、そのどちらのやり方も実装されているということです。 (アセスメント機能はありませんが、両方でさせてみて、子どもに選ばせたらいいと思います。) チュートリアルの1番上では、「同時式」を選ぶことになっています。 「いっぺんに全体像を見せるやり方」です。 画面を見てもらったら分かりますが、書き順の数字の表示をON/OFFできます。 また、漢字の見本の表示のON/OFFもできます。 かゆいところに手が届く、素晴らしい仕様です。 「みほん」は普段はOFFにしておいて、自分が書いた字が正しいかどうかを確認するときに、一時的にONにします。 漢字練習の最初は、見本のなぞり書きです。 このときは「みほん」をOFFにしていてもお手本が表示されています。 筆順の数字通りにお手本をなぞればいいので、カンタンです。 ここからが、このアプリの真骨頂です。 なぞり書きをするお手本の画数を、1つずつ減らしていくことができます。 減らす画数も、 「-1」「-2」「-3」 から選べます。 僕が小学生に指導するときは、「ひく1 をおしてね」というように言っています。 小学生なので「マイナス」はまだ習っていませんからね。 「-1」で1画減らして書けるかどうかやってみる、 書けたらさらに1画減らして書いてみる、というのを繰り返すのが スタンダードなやり方です。 なぞるのではなく、自分の記憶で補う、というのがミソです。 記憶 → 想起 のプロセスを、 スモールステップで無理なくおこなうことができます。 漢字を覚えるのが苦手な子でも、これなら、思い出して書けそうですよね。 1画だけ思い出せばいいのですから。 チュートリアルで出てくるメッセージのとおりです。 こんなふうにして、覚えていなかった漢字をどんどん覚えていきます。 僕の場合は、最後に全くヒントなしの状態から書いてみて、 それで書けたら記録を保存させています。 ↓下のような保存画面が出てきます。 自己評価と支援者評価のそれぞれがあって、その評価も一緒に残る、というのが、またいいです。 特に、「自己評価」は重要です。 子ども本人が、「正しく書けた!」と思って練習していける、それが何よりうれしいことです。 保存した内容(子どもが書いた字)は、「練習記録」からいつでも参照できます。 練習回数や評価の順番で表示を並べ替えて表示させる機能もあります。 このアプリの仕様は、本当によくできていて、発達障害のお子さんへの漢字指導や、使いやすいアプリのインターフェイスのことを本当によく分かっておられるなあ、と感動しました。 有料版だと約3000円しますが、個人的にはその価値はあると思っています。 ただ、複数のお子さんの指導で記録の保存場所を分ける機能がないので、そこだけはバージョンアップのときに対応してもらえたらうれしいなあ、と思っています。 iPhone・iPad用「Oska Writing」Android用「Oska Writing」▼有料版¥2940 (小1~中3の漢字)▼Webで無料でゲットできる漢字プリント(テスト範囲が分かっている場合の漢字テスト対策に!) (2020/07/23の日記) ▼漢字TPシート(漢字パーツを重ね合わせて、漢字を作ろう!) (2017/11/04の日記) ▼【iOSアプリ】漢字の細部を間違える子のための「見る力」トレーニング ほか (2017/12/24の日記) ▼難しい漢字がすぐに読めるようになる「輪郭漢字カード」 (2015/04/09の日記) ▼3DSの漢字学習ソフトで、楽しく漢字を書いちゃおう! (2016/07/31の日記) ▼漢字練習ノート 各種マス目せいぞろい(練習量と字の大きさを子どもに合わせよう!) (2013/06/15の日記) ▼一瞬で、漢字にふりがなをつけるやり方 (2019/01/18の日記) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021年05月08日 10時15分51秒
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