手塚治虫「まんが『ブッダ』に学ぶ穏やかな働き方」
僕が子どもの頃、学校の図書室には基本的にマンガはありませんでした。そんな中で例外的に置かれていたのが、手塚治虫のマンガ。高校の図書室には『ブッダ』があり、初めて通しで読んだ記憶があります。『ブッダ』は仏教の創始者、お釈迦様の伝記ですが、人間と人間の愛と憎悪というものを様々な場面を通して伝える名著。今回は、そのブッダの中のシーンを解説と共に振り返る本をご紹介します。「まんが『ブッダ』に学ぶ穏やかな働き方」(手塚治虫、プレジデント社、2016、税別1300円)著者名は手塚治虫になっていますが、手塚治虫さんは1989年になくなっておられますので、マンガに添えられている解説はおそらくプレジデント社の長坂さんによるものかと思います。「穏やかな働き方」がタイトルになっていますが、対人関係を穏やかにすることのメリットは働く時以外でも大いにあるもので、「働き方」に限定されるものではありません。『ブッダ』という作品のテーマを考えるなら、普通に「生き方」でよかった気がしますが、どうなんでしょう。僕がこの本で学んだことは一言で言うと、「全ては自分に還る」ということです。人生生きていればいろんな人に出会い、いろんなことがあります。そのときどうするか。すべては、自分次第です。こういった本の中の記述も参考にしながら、自己と人との向き合い方を考えておくことは、大切なことだと思います。少し前のブログで考えた「怒り」についての考察とも、つながりますね。(▼「怒り」や「病気」との向き合い方 ~『悪魔とのおしゃべり』より)=============================「まんが『ブッダ』に学ぶ穏やかな働き方」 ・誰かのミスが発端で起こったことでも、 機械のトラブルがあったとしても、 突き詰めていけばほとんどの場合、 あなたにもできることがあったと気づくはず。・うまくいかない原因も、その解決法も、自分の中から探すものです。 (p32より) 8/26のブログでは、「『怒り』は相手に期待しているから発生する」ということにふれました。 相手というのが、人でなくて機械のこともあります。 思い通りにいかない。 だから怒る。 このベクトルを、自分に向ける。 すると、「思い通りに行かない」→だから、「自分が自分を改善する」となる。 自分が変えられるのは自分。 どちらが建設的か。 成長している人というのは、こんなふうにすべてを自己改善に生かしている人なんだろうなーと思います。 ・恨みを消す唯一の方法、 それはやられてもやり返さず、忘れること。 最初に手を下げたほうが、そのあと心理的にも楽になれます。 (p48より) ・負のオーラを持つ人は、相手にしない。 (p54より)・「その人間はおまえが手をくださずとも いつか自然に死んでいくのだと考えなさい」 (p56より) ・人と話すことは、自分と対話すること。 どんな言葉も行動も、自分の心がけ次第で 新たな成長の糧となります。 (p118より)=============================ちなみに、本書をお持ちの方は、カバーを外してみてください。本書の中で出てくるマンガのハイライトがたくさんちりばめられています。 この本には電子書籍版も、あります。カバーを外す楽しみはありませんが、電子版のほうがいい方は、こちらをどうぞ。「まんが『ブッダ』に学ぶ 穏やかな働き方」【電子書籍版】(手塚治虫)