『たのしい授業』2021/1月号
仮説社の教育雑誌『たのしい授業』を15年ぶりに買って読んでみました。知らなかったことが、たくさん書いてありました。▼『たのしい授業』2021/1月号 仮説社公式サイト『たのしい授業』はゆるーく読めますし、楽しい話題、知らなかった話題、ハッとさせられる考え方が満載の雑誌。科学的好奇心が旺盛の人にはどの方にもおすすめできる雑誌です。隅から隅まで楽しく読めます。2021年1月号の読者からのおたよりのページには、コロナに関係する違った視座からの情報提供もありました。世界的なコロナウイルス感染症予防対策により、いろいろなことが起こっていますが、なかにはイイコトもあるのだとか。おたよりによると、「海洋の密漁は『密になる』ため避けられた。 水質の汚染は減り、自浄能力と合わせて非常に良い傾向が続く」(『たのしい授業』2021/1月号、p152より)とのこと。「密漁が密だから避けられた」っていうのが、おもしろい。そんなことが、あるんだ。『たのしい授業』は教師向けの雑誌なので教育に関係する内容がほとんどなのですが、扱う範囲が幅広いので、すごいなあ、と思います。2021年1月号の「日本の教員の実態」の分析記事も、国際調査で世界の国と日本を比較するということをされていて、目からウロコでした。日本の教師の仕事時間が他国と比べて抜群に多いことが数字で示されていて、たまげました。「日本の小学校教師の週あたり仕事時間は54.4時間で、(中学校に続き)こちらも調査国中一番多いです(平均は40.2時間)」(『たのしい授業』2021/1月号p124 丸山秀一「日本の教員の実態」より)数字の説得力って、すごい!ただ、その数字はどうやって出したかという背景も含めて知る必要があるので、詳しくは本誌を読んでいただいたり、参照されているOECDの調査の原典にあたるなどして、確認してみてくださいね。1月号は、通級で使わせていただいているカードゲーム「足算」を開発された淀井先生も、たくさん記事を書かれています。「足算 その動物、足は何本?」 (淀井泉、仮説社、カードゲーム、2016、1100円)アドラー心理学の野田俊作さんの特集記事は、ちょうど昨年度に教員仲間の読書会で読んだ本だっただけに、特に興味深かったです。非常に勉強になりました!=========================・「みなさんは、子どもに大切なことを教えるか、子どもと仲良くするか、どちらが大事だと思いますか?」・「そんなの言うまでもないことです。 ”仲良くする”がいいに決まってるじゃないですか」・「関係が先なんです。」(淀井先生が書かれていた野田俊作さんの言葉より:『たのしい授業』2021/1月号 p24,25より)=========================上に引用させていただいた野田先生の言葉、たしかにすごく印象的です。野田俊作さんのトーキングセミナーのオーディオブックが好きで、寝るときとかにたまに聞いています。野田さんの語り節って、面白くって引き込まれます。淀井先生が読まれていた野田さんの本はその後新版となり、かなり内容が整理されています。僕の勤務市であった学校の先生たちによる読書会では、主宰の先生が新旧両方の本を紹介されて、詳しく説明してくださいました。「新しい視座を提供する」という意味では、こちらもおすすめの書籍です。『アドラー心理学でクラスはよみがえる 叱る・ほめるに代わるスキルが身につく』(野田俊作/萩昌子、創元社、2017、1540円)