テーマ:最近観た映画。(38843)
カテゴリ:映画の感想
2007年最後の映画鑑賞はイスラエル・フランス共同制作の『迷子の警察音楽隊』です。 舞台になった1990年代は、イスラエルのラビン首相とPLOのアラファト議長が歴史的な握手をして、中東和平が最も進んだ時期です。このことでラビン首相とアラファト議長はノーベル平和賞を受賞しますが、その直後にラビン首相は暗殺され、双方で強硬派が台頭して再び関係が悪化して現在に至っています。 物語の始めの方でも、食堂に飾られた中東戦争の写真を音楽隊の一人が帽子で隠すシーンがあります。とりあえず戦争状態ではないといえ、微妙な状況であることがわかります。 堅物のトゥフィークと奔放なディナが夜の街でデートしますが、このちぐはぐ感がなんともいえない感じです。 また、イツィクの家に泊まった副長格のシモンら3人とイツィクの家族たち。最初のお通夜のような食事から、サマー・タイムを口ずさんで打ち解けるさまが良いです。さすが、音楽に国境はありません。 公衆電話から大使館に連絡する隊員と、公衆電話にかかってくる電話を待つ遠距離恋愛の若者もなかなかいいです。 そして、奥手のパピに女性の扱いを手ほどきするカレード。この2人の様子は、なんかクスリと笑えます。 音楽隊の隊員も、街の人たちも不器用です。 スタッフロール等のテロップはヘブライ語とアラビア語の併記です。 音楽隊が迷子になる以外は、特に事件が起こったりするわけでもありませんが、独特の雰囲気を持ったいい映画です。
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