台風が来てましたが、関東地方の沖を通過するのは土曜日の午前中、という予報を聞いて大丈夫だろうと思い金曜夜のレイトショーを観に行きました。
東京を舞台にした、3人の外国人監督によるオムニバスです。
ポスターの雰囲気から、オシャレな映画かと思いましたが…あらすじを見て…おや?
大雑把に言うと、東京を舞台にした『トワイライトゾーン』です。
『インテリア・デザイン』
ヒロコは映画監督志望のアキラとともに上京し、高校時代の同級生・アケミの部屋に転がり込む。
上京した夜、ヒロコはアキラから「志が低い」と言われ、ショックを受ける。
翌日からアパートを探し始めるが予算不足でいい部屋が見つからず、延々とアケミの部屋で暮らすことに。
これではいけないと2人でバイトの面接を受けるが、不器用なだけが不合格になってしまう。
一方、アキラの映画の上映会は成功し、毎日ぶらぶらしているヒロコは肩身が狭くなってゆく。
『メルド』
マンホールから突如出現し、銀座を練り歩き、マンホールに消える異様な風体の男。通行人からタバコを奪い、花と紙幣を食べる「下水道の怪人」に東京中が恐怖していた。
怪人は地下壕跡で手榴弾を見つけ渋谷でばら撒き、多数の死傷者を出してついに逮捕される。
黙秘を続ける怪人に対し、彼とコミュニケーションをとれるというフランス人の弁護士・ヴォランドが名乗り出、来日する。
ヴォランドは特殊な言語で怪人と会話し、怪人の名前がメルド(糞)であることを聞き出す。
そして、メルドの裁判が開始される。
『シェイキング東京』
一人の男がいる。男は引き篭もりで、もう10年も家の外に出ていない。彼は毎月、父親から送られてくる金で暮らしている。電話で必要なものを注文し、下を向いたまま相手の目を見ず、受け取る。これが彼の日常であった。
彼はいつも通り、土曜日にピザを注文した。配達を受け取る彼の目に飛び込んだのは、ガーターベルト。思わず顔を上げた彼は配達に来た少女と目が合ってしまう。そのとき地震が起こり、少女は倒れてしまう。
どうすればいいかわからない彼は少女の腕と足にボタンを見つけ、足のボタンを押してしまう。
目を覚ました少女は「ここは完璧」と言い残し、去ってゆく。
彼はその衝撃で2日間、何もできなかったが、彼女に会いたいがために再びピザを注文する。しかし、配達に来たのはオッサンだった。
『インテリア・デザイン』は、特に目標もなく、何かを「やっているつもり」になっている女性の話。でも、現実は甘くありません。彼氏も無謀で夢想家ですが、才能が認められてゆきます。
後半、彼女は「変身」しますが…成長はしません。
バッドエンドではないということなのでしょうが…
『メルド』は、最初に「メルド」=「糞」であることが明かされます。
で、ゴジラのテーマにのって銀座を練り歩く冒頭で、監督が何をしたいかが、まぁわかるかな?
ヴォランドは、本当に通訳しているのか?誰も理解できない言語なら、出鱈目でもわかりませんが。
で、オチはやっぱりG。
『シェイキング東京』は、怪優・香川照之です。なんでもやる人です。完璧な引き篭もりを演じてます。
蒼井優が来るのを期待していたのに竹中直人が現れたら、すごいショックです。
で、外に出ると無人の街。どうやって撮ったのか?
3話とも、オチが弱いかな。
あと、つくりがなんか実験的です。そういう企画なんでしょうが。
まぁ、感覚が合わないと「わけわからん」の一言で済まされそうです。
企画としては面白いと思いますし、雰囲気は私好みでした。
各話とももう一押しあれば…という感じでした。