あんてぃーく街の茶屋～さらんばん～

だいぶ前。たしか、数ヶ月前にこんなことがありました。


日本語を教えに行くため、地下鉄に乗って移動してる時のこと。

たいていワタシは　ドアの入り口付近に乗っていて、その日も　同じ場所に立ってました。


地下鉄のドアが開いて　ホームから３人くらいの乗客が車内に入ってくる中に、どこか
見覚えのある顔の女性。５０代の女性です。

ワタシは　その女性から目が離せないで　ずーっとその方の目を見続けてました。
あの茶色い目の人、どこかで　会ったことあるんだけど・・・。


ずいぶん　長い間、その女性を見つめてた気もするし　やはり　人違いか？と思って　何度か目をそらしたけれど、



あっ！　あの人だ！！




そうわかったとたんに　「あの・・もしかして・・」と　その女性に話かけてました。


その女性も　ワタシの顔に見覚えが　あったららしく、ワタシの顔を同じく見つめていました。　「～～さん・・？」と　その方が　言ったのですが　それは聞き取れず、ワタシが

「もしかして、翻訳されてる方ではないですか？」と尋ねたら


　「ええ・・　貴女は・・・あなたは　たしか・・」


　（ワタシ）「（主人の名前）の妻です」と答えたら　


すぐに分かってくれました。




その方は　８年前に　ワタシが結婚する時に必要な書類を　訳してくれた方だったのです。

事務所が　光化門にあって、ワタシが日本へ出発する日に　その方の事務所によって　翻訳された書類を受け取って　すぐに空港へ向かった日のことを　思い出しました。



小さなな事務所で　一人で翻訳のお仕事をしてて、そのコンパクトな事務所は机とＰＣと
英語の法律関係の本がいっぱいあったのを覚えてます。

建物の脇にある事務所で、２階へ続く階段の段が　その事務所の天井の一部になってて
多少　閉塞感は　あるけれど　所々にお花の鉢が並べてあって　そこで美味しいコーヒーを手間を惜しまず入れてくれました。　
女性らしい細やかさが感じられて、小さい部屋だけど　とても居心地が良かったの覚えてます。


まだ韓国語が出来なかった私は　その女性と　つたない英語でしかお話出来なかったのですが、すごく笑顔がすてきで、茶色い目が　きれいで、すでに中学生の娘さんが居る割には　ぜんぜん　そうは見えないほど　若くて可愛らしい雰囲気の方・・って　思いました。

で、「働けるんだったら　若いうちに仕事を始めて　働いたほうがいいわよ。わたしも　すごく小さい事務所だけど　ここを借りて　こうやって仕事に打ち込んでるのよ」っとも言ってました。



その後、いつだったか　主人が　古いスタイルの韓服を着て映ってるのを　どこかのＴＶで偶然見て、電話をくれて　「さらんばん」にもきてくれたことがありました。

その時は　もう、翻訳はしてなくて　旅行会社につとめてて　しょっちゅう　海外ツアーへ同行してるって言ってました。

そして、ほんとうに　しばらく　お会いしてなかったのに・・地下鉄の中で出会うなんて。。

そして、ワタシが　先に声をかけなかったら　きっと　今回は出会えなかったかもしれません。

３分おきに来る地下鉄の、しかも　偶然同じ号車に乗り合わせて、数秒しかすれ違うこともなかったのに、再会できて　ほんとうに不思議。



今思えば、私たち二人の　やり取りを　周囲の人たちが　興味深く見てました。

韓国に来て、横断歩道や　エスカレーターに乗りながら、出会い頭に偶然に再会して握手をしながら通り過ぎるお年寄りを見て　羨ましかったけれど、ワタシもこの日は同じことできて　すごく満足してたのを覚えてます。

なぜなら、そうやって　横断歩道で再会を喜んで握手する　そのお年寄り同士が　とても羨ましかったから。。



韓国に住み始めて１年～２年目は、　時々見る　そういう日常生活が、とても羨ましかった。　

そして　気付いたら、わたしも　偶然　横断歩道で出会い頭に　知り合いと手を握り合って喜んでて　「あ～、赤信号になっちゃう、またね・・」　と言って別れていくってことが　何回か　あったのを思い出して　知らず知らずのうちに　羨ましかったことを　やってた自分がいて　うれしかった。



知ってる人に　偶然会えるのは　その人と　縁があるから　なのでしょうね。

偶然、そんな再会があるたびに　いろんな方から　元気をもらってます。

今度は　誰と　会うのかなー？