|
カテゴリ:カテゴリ未分類
会計士のF先生と横浜で打ち合わせ。企業と救命コンサルタント契約を結ぶ際の契約書についていろいろと指導を受ける。
F先生個人は公認会計士だが、事務所には各方面の法律の達人が揃っていて、随時アドバイスをしてくださる。 気合い一発で起業したタローにとっては苦手分野でもあるバックヤードを、しっかりと固めてくださる、ありがたい先生だ。 タローコーポレーションは創業ほやほや。各種公的機関に提出する資料などについても説明を受ける。 さて、物事を覚えていく過程には三段階ある。1,知っている 2,出来る 3,使える の3ステップだ。 例えば、ここにAED※がある。心停止で崩れ落ちた人にあなたはそのAEDが使えるだろうか? 3分以内にAEDを使えば、高確率(約70%)で蘇生の可能性がある。 しかし意識を失ってから救急隊の手当が開始されるのを待っていたら約9分半※かかる。 だが10分後に使えば、蘇生の可能性は10%以下。しかも重度の後遺障害が予想される。 一刻を争うこの状況で、あなたは行動を起こすことが出来るか? あなたが手を出せば、蘇生の確率は必ず上がる。 しかし手を出さなければ、極めて低い国内の平均蘇生率(3%前後)に甘んじるしかない。 使い方はテレビで見たことがある。というのは「知っている」というレベル。知らないより遙かに良いが、実践で間違いなく利用できるかははなはだ心許ない。 年一回くらいは講習を受けている。というのは「出来る」というレベル。マニュアル通りに事が運べばまぁ問題なく器械を動作させることが可能。 そして最後が年に数回のペースで訓練を受けて練習を繰り返しているという「使える」というレベル。どんなシチュエーションでも自由自在に利用することが可能。 意外に思われるかも知れないが、一般市民が目指すのはこの2番目の「出来る」というレベルで充分。無理に最初から「使える」という最終ステップのレベルを目指す必要はない。 もちろん、アメリカ心臓協会が提唱しているヘルスケアプロバイダーレベルの人、つまりスポーツ施設のスタッフ、警備員、デパートの店員など、救助義務が発生する可能性がある職業の人は、3のレベルを目指すことが必要なのは言うまでもない。 しかし一般市民には2のレベルで充分。これを救命クリニックでは「妥当なパフォーマンス」と呼ぶ。医師を養成するわけでもなければ、看護師の単位として認めようとしているわけでもないのだから(もっとも、アメリカではまさに単位として認められているのだが、これについてはまたいずれ)。 無理せず気張らず「適当に」覚える。これが救命クリニックのポリシー。 -------------------------------- ※AED 自動体外式除細動器(心臓電気ショック器) ※9分半 傷病者が意識を失ってから119番通報が完了までを2分かかると仮定 119番通報が完了してから救急車が自宅の前に停止するまでの平均時間は約6分半 自宅の前から傷病者のそばに到着してAEDが最初の通電を行うまでを1分かかると仮定 計約9分半 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|