命が重い人へ
命が重い人へ。
アナタは大変恵まれた人です。
でも命が軽いと感じている人がこの世に存在していることもよく理解できないと思います。
私達の命はとっても軽いんです。
自分の命がとっても軽いし、他人の命も同じぐらい軽いんです。
だから自殺するのも簡単です。
下らないことで急にキレたり人を刺したりできます。
アナタが「大切だ」と思う人が「私なんていない方がいい」とか「私なんて生きている価値が無い」って言い出すかも知れません。
そういう時に「もっと前向きに考えなきゃダメだよ」とか「人の命は大切なんだよ」とか「もっと自分を大切にしなきゃ」なんて言いがちですね?
それは言わないで下さい。
私達は日本語がわかるのでアナタの言っている言葉が耳に入らないワケじゃないんです。
意味が理解できないんです。
しかも、残念なことにアナタの言葉は「私を責めている」というふうに感じます。
そこで「うっせぇジジイ」とか「黙れババア」と言うのはまあ問題無いんですが(無いとも言えないけど)まともに言葉を受けとめようとする人もいます。
その人達は「自分が悪いんだ」とか「自分の考え方を何とか変えなきゃ」と努力します。
「え?努力するんならいい方向に行くんじゃないの?」と思いますか?
私達はアナタに言われて必死に努力すればするほど状況が良くなるどころか、逆に首が絞まります。
だって自分の命は空気より軽くて、ヘリウムガスが入った風船みたいに浮かんでいるのに、それをどうして大切だって思うことができますか?
アナタ達のように重くてしっかりした土台に固定されていないんですよ。
必死にもがき続けると、風船の糸が切れて天国まで飛んでいってしまったりします。
誰にでも多かれ少なかれ「良心」や「常識」っていうものがあると思いますか?
到底理解できないぐらいのむごたらしい犯罪に手を染める子供を矯正することができると思いますか?
小さい子供なら矯正は可能だと私は思いますが、すでに思春期を過ぎたぐらいの子供では難しいと思います。
だって私達はアナタ方が考えるような「良心」も「常識」も持ってないもの。
そういうものってわざわざ身につけるものじゃなく、普通に生まれ育ったら自然に身に付くものだと思ってますか?
まあ、私達はある意味「普通に生まれ育たなかった」ってことなんでしょうけど、身に付いていません。
「少ししか無いもの」を増やす努力は可能でしょうけど「最初から存在しないもの」を作り出すのはどれだけ困難なことか。
それなのに「常識で考えればわかるだろ?」って言われたらどれだけ困るか。
どんなに考えても「常識」というものを持っていないんだからわかりません。
でもアナタ達に合わせていかなければ社会生活を営むことができないので必死に努力します。
「常識を身につけるように努力」するのではありません。
「こういうい時に常識のある人ならどう行動するだろう」と常に考えながら生活する努力をします。
それがどれだけ大変で疲れることかわかりますか?
じゃあ、アナタはどうしたらいいのか?
「オマエの為を思って」だの「こんなに心配してるのに」って言っても無駄です。
無駄などころか逆効果です。
誰にでも効果があるかどうかわかりませんが、とりあえず私に対しては効果のあったやり方をご紹介します。
余計なことは一切言わずに常に心配して下さい。
「何も言わないでいいの?」と思うかも知れませんが、私達はバカじゃないので思われているのは感じ取ることができます。
目の前にいてもいなくても関係なく、アナタが常に気にかけてくれていることは感じています。
アナタが気にかけてくれていて、私の身に何かあったらアナタがものすごく悲しむということも感じることができます。
相変わらず自分の命は空気より軽いですが、アナタ達が気にかけてくれることで、地面から浮き上がっている私達のタマシイはどんどん引っ張られて降りてきます。
地面に足が着いて初めて私達はアナタ達が「人の命が重い」と言っている意味を理解することができるようになります。
私達はアナタがすごく心配してくれているので、自殺もしませんし他人に危害を加えるようなこともしません。
そんなことをしたらアナタがとっても悲しむから。
「心配してるつもりなんだけどな~。全然効果ないんだよな~。」って人もいるかも知れません。
それはアナタがあくまで「心配しているつもり」になっていて「実際には心配していない」からか、相手の心の問題でアナタの気持ちを感じ取る能力を持っていないかのどちらかだと思います