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なんか久々に読み直したいな、と思う今日この頃。
試験前だと何か読みたくなるというのもないわけじゃないでしょうが、それは単なる逃げなのでそうではないと信じたい(笑 さて、十二国記である。 この作品の魅力はやっぱりなんといっても緻密な世界観、哲学的な思想、女性特有の繊細で流れるような文章、魅力あふれるキャラクターなどなどであろう。 で、いろいろ話し出したらきりがないので、今回は台詞に注目したい。 というのも、プロフィールで好きな言葉を書くときに浮かんできたのがことごとく十二国記のキャラクター達の台詞だったからに他ならないのだが。 十二国記のキャラクターたちはどのキャラを見ても「己」というものを持っていると思うのである。 つまりどういうことかというと、そのキャラクターの置かれた境遇、立場を経験し、自分の中でそれがどういうことかということをよく吟味した上で初めて出てくるような台詞をここぞ、というときにしゃべってくれるのである。 一言で言えばキャラクターがたっている。 作品の中でまさに生きているのである。 これはもちろん設定が巧いのもあるし、ストーリー運びの巧さもある。 けれどもやっぱり作者がキャラクター達を愛しているからできる技だと思うのである。 十二国記の作者である小野不由美はキャラクターはストーリーを自分の思っている方向へ持っていくためのコマにすぎない、といったことを以前話していたが、それだけでここまでのことはなかなかできないと私は思っている。 単なるコマであるのなら、別にキャラクターはそこまできちんと作り込まなくてもいいはずだ。 けれども小野不由美はキャラクター造形もしっかりやる。 これは十二国記に限らず、ゴーストハントや、やたらと登場人物が多い屍鬼においてもそうであろう。 小野不由美がここまでキャラクター造形をきちんとやるのはやはりストーリーに感情移入するにはその構成だけでなく、読者との掛け渡しになるキャラクターというものがいかに重要であるかをよく理解しているからなのだろう。 よいキャラクターを書けなければ、面白いものも面白いと感じないのである。 こういうことを再認識するためにも十二国記を今読み直したい。 ・・・ただ、友達に貸したままで戻ってきてないんだよなぁ(涙 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年01月25日 23時09分26秒
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