れですも色々

癌5 最初の入院

遠隔地からの患者を多く受け入れている病院だし、第一どこも痛くもない私なので入院前の検査はMRI,CT,大腸、胃、血液、アレルギー、などなどを全部済ませている・・・と思い込んでいた。

仕事をしながら検査というのは本当に毎日がどたばたバタバタしていて、入院の2日前から休みに入ってはいたが、その2日は洗濯やら冷蔵庫の片付けやら大家さんへの挨拶、一応の書置きなどですぐに入院日になった。
新聞店への連絡をうっかり忘れ、病院から電話する始末だったりもした。

#大家さんには1ヶ月分余計に家賃を持参し、入院先と連絡先を告げた。
でも近所では評判の「因業ぢぢい」と言われている大家さんは家賃を受け取らず、お見舞いを戴き「待ってるから帰っておいでよ」と言ってくれた。

それと親族の承諾書やらなんやら。


円錐切除手術なので外側に見える傷もできないくらいだし、うまく行けばそれだけで済むかもしれない。

それでも一応3週間はみてほしいと言われ、それなりの大荷物にはなった。

タクシーを呼び病院へ。

まだ通勤時間帯なのでやたらと時間がかかる。
運転手さんにもとても入院患者には見えなかったらしく、話しているうちにびっくりされたりした。

手続きを終え病室に入り、入院着?を着るとどこから見ても立派?な患者。
早速喫煙所に向かい一服。

何か聞き覚えのある名前だなあ・・・

私だ。

あれだけ検査したのにまだあるらしい。
肺活量と心電図やらあれこれ。

隙を見ては一服所に逃げ込む私。

病院というのはよく血を採られたり針を刺されたりする処だが、何せアルコールアレルギーな私。
カルテに書いてあるはずなのにやっぱり見落としというのはあるもので、うっかりさんに出会う度に、どんどん腫れ方がひどくなってきた。

しかも血管が見つかりにくいのか刺しにくいのか手術前に腕に刺せる場所が無くなってしまった。

一度目の手術は5/15。
事前に何かの(多分麻酔)パッチテストだろう、豆注射をするのだけれど、この時もうっかりさんに出会い、テストどころではなくなりあの痛い豆注射のお代わりをされたりした。

#でもやっぱり全部腫れてしまい、更にもう一回だったりもして

この前から主治医は頭を抱えていたらしい。
何せ自分でも説明するのが嫌になるくらいの色々アレルギー。
麻酔薬も勿論、抗生物質やら痛み止めもあれこれ考えてくれていたようだ。

私が幸運だったのは担当医と意思の疎通が図れた事だろう。
ほぼ同年代の非常に話しやすい雰囲気の医師で、チームを組む上司の医師も似たような親しみやすい人だった。

この後に起こった色々な出来事を乗り越える時に医者との意思疎通が図れているというのは大きなポイントだったと思っている。

本当に気さくな医者で回診といっても午後、ふらふら現れる。
いつ来ても私は殆ど喫煙所だったので、終いには先生も喫煙所に直接来ていたくらいだった。

あっという間に最初の手術日になった。





© Rakuten Group, Inc.